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ラッキーとドモルテの合同魔法

「サンあの男たちに見覚えはあるか?」

「いや、半魚人たちが人間と取引をしているなんていうのは聞いたことがありません」


 俺たちは海中の中から遠目に帆船の方を確認する。

 帆船にはかなりの人数が中で働いているようだ。


「ここから陸地までは近いのか?」

「結構遠いですね。普通にしていたら半魚人の村も見つかるはずはないかと思いますが」


 帆船から小型の船が降ろされ、そこに半魚人が顔をだす。

 船員と何か会話のようなものをしたあと、水中に潜っていった。


「いったい何をしているんだ?」

「わかりませんが、半魚人と何か話をしているようですね。あの半魚人はコミュニケーションがとれるんですね」

「そうみたいだな。あの半魚人がかなり怪しい」


 半魚人が小舟のところへ戻ってくると、そこには縛られた人魚がいた。

「あいつら、人魚を人間に売りやがった」

「私が行って止めてきます」


「いやちょっと待って。もし、他にも連れて行かれているならここで捕まえてしまうよりも相手のアジトを見つけて潰した方がいい。シエルでておいで」


 シエルはちょうどバナーナを食べていたのかバナーナを口にくわえている。

「食事中ごめんな。あの船を空から追ってどこに人魚が運ばれるか見つけて欲しいんだけどできるかい?」


 シエルはコクリと頷き空に飛んでいく。

 元々かなり高い場所を飛んでいる鳥なので相手からも見つかることはない。


「さて、向こうの追跡はシエルに任せるとして、俺たちは半魚人の村へ行くか」

「行きましょう。私は何度か物々交換しに行ったことがあるので、先導しますよ」


 マデリーンがそう言ってくれるが、女性を先に行かせるのは気がひける

「気持ちはありがたいけど、女性が一番前で危ないのは気がひけるから、俺たちの後ろから指示をしてくれればいいよ」


「ありがとうございます。でも私は海の戦士ですので気になさらなくても大丈夫ですよ……えっっと……」

「そう言えばまだ自己紹介していなかったね。ロックだ。よろしく。時間がないから詳しくは紹介できないけど俺以外に従魔たちがいるから間違って攻撃しないように頼むよ」


「従魔ですか? これが終わったらゆっくりと紹介してくださいね」


 人魚たちに改めて簡単な自己紹介をする。

 そのあと、半魚人の村について情報を共有する。


 半魚人の村は人魚たちの村のように魔法がかけられているわけではなく、ゴツゴツした岩場に穴があいていて、そこに住んでいるということだった。


 穴は二方向にあいているものもあれば、一方向にしかあいていないものもあるので、気を付けないと閉じ込められる場合もあるそうだ。


 帆船が半魚人の村の上から陸へと向かうのを確認し、俺たちは村へと向かう。


「緊張しますね」

「人魚たちは戦ったりしないのか?」


「海の中で魚を狩ったりはしますが、半魚人相手に戦ったりすることはないので。実践はかなり緊張します」


「大丈夫。私に任せて、だって私は……ふがっふがっ」

 メイが俺たちの会話に入ってきたが サンが気を利かせて口に触手を絡める。

 人魚たちも慣れているのか、みんな苦笑いしているだけで何も言わなかった。


 半魚人の村は特に入口などもないので近くまで行き様子を確認する。

 洞窟の入口に見張りのような半魚人がいたりするが、あまり多くはない。


「どうする?」

 俺が聞くとサンがあらかじめ、メイをグルグル巻きにして動けないようにする。


「一番怪しいのは見張りのいるあの洞窟ですよね。裏から行くにしても難しいので、できる限り近づき正面突破しかないかと思います」


「あとはサンから聞いたけど、何か操っているような奴がいたんだろ? それが一番怪しいからな。そいつは確保しなければいけない」


 俺は従魔とシャノンを水の中に呼び出す。

 人魚たちはかなり驚いていた。


「ロックさん、すごい数の従魔を従えているんですね」

「そんなことないよ。自己紹介はまた時間ある時にでも。それじゃあ行こうか」


『ロック、ドモルテと一緒にすごくいいこと考えたから俺たちが先に行ってもいいか?』

「えっ? ラッキーとドモルテだけで先行するのか?」


「最初私とラッキーに任せてもらえればと思うんですが」

「ちょっと待ってください。さすがにロックさんを信じてはいますが彼女と可愛いわんちゃんに任せるというのはさすがに」


『ロック、可愛いって言われた』

 おいっメイの時はワンちゃんって言われて怒ってたのに可愛いがつけばいいのか。

 ラッキー意外とちょろいな。


「マデリーンさん、あの2人なら任せても大丈夫だと思います。実力的には私より強いので」

「えっ!? サンさんより強いなんて……そんなに……ですか?」


 サンがマデリーンに説明しているがイマイチ納得はしていないようだ。


「私たちも活躍しないといけないからさ。人魚さんたちはここで待ってて。ロックいいでしょ?」

「まぁうちの最強2人だから大丈夫だと思うけど」


「あの人魚さんたちだけちょっと離れていた方がいいかも知れないです。さっき作戦聞いちゃったんですけど」


 シャノンが人魚たちに注意を促す。

「それは私たちが足手まといってことですか!」

「いや、そういうわけでは……ないんですけど」


「わかった。ここでもめているのも時間がもったいないから、全員で近くまで行ってラッキーとドモルテに先行してもらおう」


 人魚たちは若干ふに落ちないといった感じだが、ラッキーとドモルテが先行したいと言うからには何か作戦があるのだろう。


「人魚さんたち本当に気をつけてくださいね」

「まだ言うの? 私たちだって戦士の端くれですからね。何があったてそう簡単には驚きませんよ」

「いいよ。今から一緒に戦うんだからもめずに行こう」


 シャノンは本当に心配しているようだった。


 俺たちは岩場に沿ってギリギリまで歩いていき、できる限り近づいたところでラッキーとドモルテが先行する。


 半魚人がこちらに気が付いた途端ラッキーが吠える!

『ワオーーーン』

「私たちの力を見て驚きなさい」


 2人が魔法を唱えると2人を中心に風が巻き上がり徐々に海が割れていく。


 オイオイ。風魔法で海を割るってどれだけ規格外なんだよ。

 人魚たちは陸に打ち上げられた魚のようにぴちゃぴちゃと暴れている。

 ここまでするなら先に言ってあげればいいのに。

ラッキー「初体験だった」

ロック「何が?」

ラッキー「レビューをもらった」

ロック「嘘だろ?」

ラッキー「本当だ。お礼に肉球で頭ぐしゃぐしゃなでてやろう」

ロック「やめい」


初レビューを頂きました。

本当にありがとうございます。


おかげ様で月間ランキングがハイファンタジーで3位になり、総合で4位になりました。

これもすべてあなたが応援してくれているからです。

いつも感想や誤字脱字も指摘頂き助かります。

いつもありがとうございます。

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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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