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アイザックはいきなりシャノンの顔に拳を……

『調理器具がないってどういうことだ』

「ロックさんそれって」

「パパー私たちは生でも食べるよー」

「チュンチュン」


 スカイバードまで俺の肩に降りてきて文句を言ってくる。

 俺たちはダンジョンからでて小屋の中に戻ってきていたが調理する物がないのだ。


「すぐに調理器具買ってくるよ。それに調味料とかも。パトラ悪いけどここに竈を作っておいてくれ。シャノンは色々疲れているだろうからラッキーと休んでていいよ。ちょっと行ってくる」


「私は全然大丈夫なんで行きますよ」

『私も行く』


「ラッキーは市場が狭いから今回はダメだな。まぁ何かあればいつでも出てきていいからここで待っててくれ」

『あいよ』 


 俺とシャノンは宿屋に戻り近くの市場まで買い物へ行く。

 鍋とフライパン、それに調味料、包丁……それに野菜の種、その他モロモロ買っていく。

 

「今日はどんな料理を作るんですか?」


「時間もないし唐揚げかな」

 唐揚げはお肉に味をつけて粉をまぶして油で揚げるだけでできる簡単な料理だ。

 唐揚げにはキャベッツをぜひ添えたい。

 キャベッツは緑色の球体の野菜で唐揚げの油をほどよく口の中をさっぱりさせてくれる。


 野菜を扱う商店へ行き店主へキャベッツがあるか聞いてみる。

「おじさんキャベッツはある?」

「いやー最近キャベッツは入ってきてないね。しばらく入ってこないみたいだよ」

「そうですか。残念です」


 キャベッツ好きなんだけど、ないなんて残念だ。

 種でもあればパトラたちに任せるんだけどな。


 店の前で悩んでいるとアイザックたちがやってきた。

「なんだこんなところで遊んでいていいのか? 諦めたならまだ土下座すればパーティーに戻してやってもいいぞ」


 アイザックたちは買い出しを終えたのか自分たちで荷物を分けて持っている。

 自分たちで荷物を持つなんてちゃんと成長しているようだ。


「あなたたち誰ですか? 私はロックさんとパーティーを組んでいるシャノンって言います。ロックさんに絡むのやめてもらえますか」

 シャノンは俺とアイザックの前に割り込み立ちはだかってくれる。


「シャノンほっといていいよ。アイザック……俺はお前たちをずっと仲間だと思ってた。でも君の態度はもう変わらないって今のでわかったよ。俺も全力でやるからいちいち絡まないでくれ」


「あぁわかったよ」

 アイザックはいきなりシャノンの顔面に拳を放つ。

 俺は咄嗟にシャノンを後ろに引きその拳を受け止めた。


「何をするんだ? E級冒険者だって聞いていただろ?」


「ふん。ギルドがどんな卑怯な手を使って強い冒険者をお前につけたのかと思ったが、本当にE級だったらしいな。さっさと諦めて負けを認めた方がいいぞ。そんなゴミと組んだところでお前を上手く使いこなせないからな」


「俺もお前から替えはいるって言われていたからな。お前の予想は当てにならないよ」


 アイザックは本気でシャノンの顔を潰そうとしてきていた。

 コイツどこまでふざけた奴なんだ。


「ロックさんは物じゃありません。使いこなすとかおかしいです。訂正してください」

 シャノンは今殴りかかってきて避けられなかった相手にたいして平然と噛みついてくれる。

 

「弱い犬ほどよく吠えるな。せめて俺に意見をするなら俺の拳くらいかわせるようになってからにしな」


 シャノンは拳を力強く握っている。シャノンも悔しいのだろう。

 俺もここまでバカにされたらもう幼馴染とか言っていられない。


「シャノンありがとうな。でも大丈夫。結果はわかりきってるから」


「言ってろ」

 アイザックは俺が受け止めた拳を引く。


「ロックその人が新しい仲間なの?」

「そうだ。エルフでE級冒険者のシャノンだ」


 カラがシャノンを足元から頭まで見定めるように見つめる。


「だっさい格好してるわね。シャノンさんロックの仲間になるならもう少しおしゃれにも気をつけた方がいいわよ」


 カラはなぜかおしゃれについてシャノンに指摘している。

 それにしてもだっさいって。服の可愛さで強さが決まるわけではない。


「カラ余計なお世話だ。俺の甲斐性がないからシャノンにいい装備を買ってやることができないだけだ。ただそれも1週間後には全部新品になるから問題ない」


「ロックも女のE級冒険者を選ぶなんてそんな男だとは思わなかったわ」

 カラはなぜかシャノンを選んだことにイライラしているようだった。

 だが、俺が選んだわけではない。


「シャノンさん私はエミーっていいます。ロック、私はもう冒険者辞めようかと思っていたけど、でも最後にロックと勝負して私の力をちゃんと確認するわ。謝って許されることではないけど今まで色々ごめんなさい。でも私も負けないように全力をつくすわ」


 エミーだけはまともなことを言ってくれた。

 エミーなら冒険者をやめたとしてもどこでもやっていけるだろう。


「ほら、さっさといくぞ。冒険者ギルドを味方にしたからって今のうちに余裕こいているといい。お前らがゆっくり来る頃には全部狩り終わってるけどな」


 アイザックが捨て台詞を吐いて去って行く。

 今のうちに言ってればいい。悪いけど今回はもう自重しない。

ロック「よくでてこなかったな」

ラッキー「ZZZ……」

ロック「寝るの早すぎだろ」

ラッキー「フガッ? ご飯できた?」


本日は台風並みのような嵐ですのであなたの安全を祈っています。

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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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