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箱庭の中でまったり

声優さん好きな人います?

最後に重大発表があります。

「ラッキー、ほら取って来い!」

『うわぉん!』


 箱庭の産の鉱物でアダマインという硬い鉱物でできた円盤を思いっきり投げてやると、ラッキーが一目散に走りだした。


 空中を飛んでいる円盤をジャンプしてキャッチする姿はもう犬にしか見えない。

 フェンリルの威厳などどこにも感じられなかった。


『ラッキーさんは本当に遊ぶの好きだな。ふぁー』

「紅桜は相変わらず眠そうだな」


『寝ている時間も永いから、完全覚醒するのに少し時間かかるんだよ。まだ完全覚醒とはいかないみたいだな。昼間でも少し怠い』

 グリスの恋物語とアネサ村の救出作戦が終わってから、俺たちは箱庭の中で少しゆっくりしていた。


 箱庭の中でいつも働いてくれているみんなのおかげで施設は充実し、もうここの中だけで生活ができるようになっている。

 このまま冒険をせずにここで一生を過ごすこともできそうだ。


「紅桜が完全覚醒したらどうなるんだ?」

『そうだな。覚醒したら美味しいお酒を永遠と飲んでいられる気がする。あとは力の加減がしっかりできるから寝ぼけて箱庭を壊すことはなくなるな。あっ……ロックさん、大事なことを忘れいてた。ここで脱皮してもいいか?』


「脱皮? 別にいいけど、何か問題があるのか?」

『脱皮すると一時的に戦闘力が落ちてしまうのと、あと大量の抜け殻とかがでるんだよ。この中だと処分に邪魔になるかと思って』


 ドラゴンが脱皮したあとの残骸などたまに見つかることがあるが、それらは非常に高価なものとして取引されている。

 ドラゴンを狩る必要もなく、見つけたら一生遊んで暮らせることから丘の上の金山なんて呼ぶ奴もいるが、ほとんど人が立ち入れないような場所で脱皮をするらしく、ドラゴンよりも発見例は少ない。


「別に邪魔になんてならないよ。パトラたちが何かに使ってくれるだろうし。戦闘力も落ちたところで問題ない。安心して脱皮するといいよ」

『ありがとうございます』


「それにしても、なんで紅桜はたまに言葉が丁寧になったり、乱暴な話し方になったりするんだ?」


『あっ……丁寧な話し方になってました? できるだけ乱暴な言葉を使おうと思っているんですけど』

「なんでそんなことを? 話したいように話せばいいの」


『昔、出会った龍の巫女っていうドラゴンの言葉を理解する女性に言葉遣いが丁寧すぎるって言われたことがあったんです。だから、強そうな感じで話しているんだ』

 紅桜は普通にしているだけでも強いのに、色々なことを考えているらしい。


「ドラゴンだからって強くなければいけないわけじゃないから、無理をする必要はないと思うよ。紅桜は紅桜なんだから。好きな方で話しな」


『ありがとう。できるだけ強そうに話すよ。俺には人を攻撃できないっていう決定的な弱点があるから、まずは舐められないようにしないと』

「無理はしないようにな。でも、ドラゴンって時点で舐められないよ。それに人を攻撃できないのだって弱点なんかじゃない。俺たちに降りかかる火の粉は払うけど、だからといってそれを紅桜がやらなければいけないわけじゃないんだから」


『ロックさんは優しいな』

 ラッキーがまた円盤を持ってきたので思いっきり遠くへ投げてやる。

 箱庭の中を思いっきり走るラッキーはとても楽しそうだ。

 こうしたゆっくりとした時間がすごく幸せに感じる。


 ほどなく、エミルが俺たちのところへ滑って近づいてきた。

「ロックさん、聞いてください! 雪山近くに雪茶を植えたらもう芽がでてきたんです。こんなに早く芽がでるなんて普通じゃありえないんですが、箱庭の特性なのかもしれないですね! これなら予想よりも早く箱庭産の美味しいお茶が飲めますよ」


 エミルは顔に泥を付けた状態で満面の笑みを浮かべていたので優しく拭ってやる。

「ロックさんくすぐったいですぅ」

「泥とっておかないと、みんなに笑われるからな。それより、エミルはどうやって地面を滑ってきたんだ?」


「雪山まで少し距離があるので、移動手段を考えてみたんです。この靴だと氷の上をすばやく移動するのに便利なんですよ」


 エミルの足には見慣れない尖った靴が履かれ、氷魔法で地面を凍らせては滑ってきたようだ。

 なるほど。エミルは今まで何でも自分でやってきていたから、問題があっても自分で解決することが多いのかもしれない。


「エミルは偉いな。そんなのを自分で考えてしまうんだから。だけど、ここでは一人で解決しなくちゃいけないことはないからね。周りに頼ってもいいんだよ」

「頼ってもいいですか?」


「そう。まぁいきなり頼っていいって言われても素直に甘えられないかもしれないけど、俺たちはもう仲間なんだから、困ったことがあったらなんでも言って欲しい。例えば雪山まで時間がかかるなら、ワイバーンちょっと来てくれ」


 俺の声を聞いて小屋の方からワイバーンたちが一斉に飛んできてくれた。

「例えばだけど、エミルが雪山まで行くのに空を飛ぶっていう選択肢だってあるんだ」


 ワイバーンたちは普段オレンジアントたちを乗せて飛んでいるが、オレンジアントたちよりも成長が早く、身体も生まれた時よりも一回り大きくなってきていた。

 これならエミルのことを乗せても飛べるはずだ。


「エミル、ワイバーンに乗ってみな?」

「いいんですか? これってパトラさんたち専用じゃないんですか? 勝手に乗ったら怒られますよ」


「パトラたちはそんなんで怒りはしないよ。この箱庭はみんなで家族みたいなものだから。誰かの物という考え方は少ないんだ。まぁワイバーンが乗せられないとか乗せたくないって場合は仕方がないけどね。まずは少し触ってみるといいよ」


 ワイバーンたちは俺の言葉がわかるかのようにエミルの周りに集まっていき、身体を擦りつけて精一杯の愛情表現をしてくれた。エミルも仲間だと認めてくれている証拠だ。


 ワイバーンは本来人に懐きにくいと言われているが、この子たちは非常に人懐っこい。 

 エミルがゆっくりと手を出すと、エミルの手を優しく舐める。


「エミル友達になれそうか?」

「はいっ! めちゃくちゃ可愛いです。本当に乗っても大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。ゆっくり乗ってみな」


 エミルが恐るおそるワイバーンに乗ると、それを確認したかのようにワイバーンがゆっくりと空へと舞い上がっていった。


「そのまま雪山へ飛んでいってくれ」

 ワイバーンたちは俺たちの頭上で何度か回った後にそのまま雪山へと飛び、すぐに戻ってきた。


 エミルの表情にはまだ緊張が見えるが、無事に乗りこなすことができたようだ。

原作者が知らない間にKADOKAWAオフィシャルチャンネルでボイスコミックになってました。


YouTubeリンク↓

https://www.youtube.com/watch?v=DONLSMkkV4g


天﨑滉平さん(ロック役)(@amasakikohei)

斎賀みつきさん(ラッキー)(@SaigaTweet)

村上奈津実さん(エミー役 、アナウンス役)(@natyaaaaaaan07)

峯田大夢(アイザック役)(@mineta_hiromu)


沢山お仕事ある中でわざわざTwitterで紹介してくれていた声優さんたちです。

せっかくですのでぜひ、名前と声を覚えて頂けたら嬉しいです。


コミック1巻 大絶賛発売中です!

挿絵(By みてみん)

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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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