表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

104/146

結界

「ロックさん、これを受け取ってくれないか?」

 ギーチンさんが渡してくれたのは、雪結石の大きな塊だった。


「こんな大きなの受け取れないですよ」

「そんなこと言わないでください。変な態度をとったのに助けてもらって、排他的な村だとは言っても、恩を仇で返すことはできません。それに……ここでこれだけでたのはかなり久しぶりなので」


 ラッキーが壁を壊した時はやりすぎかと思ったが、どうやら結果オーライだったらしい。

「ロックさん、受け取ってあげてください。ここ最近とれる機会が減っていたので、今回のはお礼とお祝いみたいなものです」


「それなら……ありがたく頂きます」

 俺は両手では抱えきれないほどの原石をもらった。


「この原石を持っていけば、ここからかなり沢山の雪結石をとりだすことができると思います。もちろん、村長からもらう分は別でカウントして大丈夫ですので」


「ありがとうございます。いいんですか? 勝手にもらってしまって」

「もちろんですよ。この村は村長がすべて独断で決めるわけではありませんので、その辺りはかなり緩いです」


『ロック、褒めてくれてもいいぞ?』

「ラッキー偉かったよ。あとでいっぱいモフモフしてあげるからな」

『添い寝もだぞ』

 ラッキーはプイッと顔をそむけたが本当に可愛い奴だ。


「お礼としてもらいすぎな気もするので何か、他に手伝えることとかありませんか? なんなら壁を壊すのも手伝いますよ」


「そうか……でも、取りすぎるのも問題だから。しばらく俺たちはゆっくり働くだけですみそうだ。

むしろ、もっと何かお礼がしたいくらいだ。今夜もここに泊まるのか?」

「いや、雪結石さえもらえれば、俺たちは帰るつもりです。元々の目的が雪結石ですからね。昨日は夕方遅かったのと村長さんの好意に甘えさせてもらった感じなので」


「そんなこと言わずに、今日も泊まっていけ。コロン村なら明日の朝一で帰れば大丈夫だって。なんなら……」


「ギーチンさん、浮かれすぎは良くないですよ。でも、これだけ雪結石が発見されたとなると今夜はお祝いになりますし、もう一泊だけして頂けないですか? これを見せれば村長も納得するでしょうし、村のみんなも……」


「村のみんなも……?」

「外部の人を嫌うのが少しは変わるかもしれないので」

 アンドは弟のこともあり、この村の人に外部と交流を持ってもらいたいのかもしれない。


「ちょっとコロン村で待っている奴に伝言を送ってくるよ」

 グリズには一応帰っていいとは言っているけど、多分待っていると思う。


「わかりました。ひとっ走りしてきますよ」

「いやいいよ。ガーゴイルくん出れる?」


「もちろんですよ」

「なっ……いったい何人入っているんですか?」

 アンドが驚いているが、もし中を見せたら気絶してしまうんじゃないだろうか。


「ダンジョン産の報酬でもらったんだ。まだ数人この中で生活しているんだ。かなり便利だよ」

「ほへー、ラッキーさんは来るときに見ていたので知っていましたが、他の国へ侵攻することもできそうな魔道具ですね」


「ハハハ、そんなことはしないよ。ここは俺たちだけの村だからね。他人を中に入れたことはないけど……いれることはないんじゃないかな」


「そうなんですね。俺もダンジョン憧れますね。いつか弟と二人でダンジョンへ行ってみたいです」

「行けるでしょ。まぁでも最初は初心者用からをオススメするよ」


「そうですよね」

「あっ、ガーゴイルくん、悪いんだけど空を飛んでコロン村まで行ってきてくれ。グリズがまだいれば明日には戻るって」


「わかりました。すぐに行ってきますね」

「よろしく頼むよ」


 ガーゴイルくんはそのまま洞窟からでると、すぐに空へと飛んでいった。

 来るときは雪の中を歩いてきたので半日かかったが、直線距離であればすぐだと思う。

 ところで、方向聞かずに飛んで行ったけど大丈夫だよね?

 今、出て行ったガーゴイルくんがすぐに戻ってきた。


「ガーゴイルくん、方向的にはあっちだよ……」

「ロックさん、道に迷ったわけではなくて、何か結界のようなものが張られているようなんです。破ってしまってもいいですかね?」

「結界?」


 だいぶガーゴイルくんに失礼なことをしてしまった。

 だけど結界……こんな田舎に?


「破っていっても大丈夫ですかね?」

「アンド、この村にドラゴンの封印以外で何か結界とかあるのか?」

「いや、そんなこと聞いたことないですよ」

「ギーチンは?」

「俺もない。それはどこにあるんだ?」


 全員で外に出て場所を確認すると、村からはだいぶ離れているような場所だった。


「別にあそこならどっちの村にも関係ない場所だから破れるなら破っていいと思うよ。むしろ、あんなところに誰にも知られずに結界みたいなのがある方が怖い」

 コロン村で聞いた陰謀論を急に思い出すが、ガーゴイルくんに任せようと思う。

 もう戻った方がいいような気がしてきた。

ロック「応援ありがとうございます」

ラッキー『なんと色々なサイトで2位だった』

パトラ「お兄さん、お姉さんありがとう」

ドモルテ「あなたが素敵な夢を見れる魔法をかけてあげます」


いつも本当にありがとうございます。

★★★★★

少しでも面白ければ評価とブックマークよろしくお願いします。

挿絵(By みてみん)

あなたの応援のおかげでなんとか色々な場所のデイリーランキング2位になりました。

いつも応援ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ