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夜が綺麗に見えることがある  作者: 夜を紡ぐ者
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宮里薪灯さまと連歌




夜が綺麗に見える事がある


誰もいない地下道への入り口


フロントガラスから見えるライト


車内から流れるワルツ・フォー・デビー




夜が綺麗に見える事がある


海沿いの国道を西へ走る黒い車


等間隔に現れるオレンジの街灯


運転席に座る男の横顔は見えない


幸せに満ちた沈黙の闇の中で


互いの小指に結んだ赤い糸が揺れる


夜が綺麗に見える事がある


まるで来世で結ばれる私たちを


祝福するかのように




夜が綺麗に見える事がある


気がつけば泡沫(うたかた)の夢


窓際から聴こえる(さざなみ)が見せた夢


雫となって此処に響ける




夜が綺麗に見える事がある


窓から夜空を見上げた私は囁く


天の星よ、聞いてほしい


昔々の若く愚かな恋物語を


来世を信じた浅はかな二人の話を


今、海は遠く漣の音は響かない


代わりに耳に届くのは、安らかな二つの寝息


あの頃存在も知らなかった伴侶と


愛しい我が子


私は微笑み、健やかに眠る彼らの元へ


夜が綺麗に見える事がある


過去は海の底深く眠り、未来は星の光輝く




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