第7話
驚いたわたし達だったけど、直ぐにマネージャーに呼ばれた。
「・・・ええっと、撮影が終わったら話せる?」
「多分出来ると思う」
「じゃあ、その時に少し話そうか」
「分かった」
そう言って、獅賀くんと別れた。
その場を離れたわたしだったが、何故か心臓が高鳴っていた。
何故高鳴っているのか分からず、首を傾げるのであった。
数十分後。
用意された衣装を着て、スタッフに言われた通りの位置に立つと、他のモデル達も同じように立っていた。
背後に廃墟があるので、少しだけ不安だけど。
わたしはこの業界に勤めて日が浅いので、顔見知りは其処まで多くなかった。
今回集められた人達の中に、知り合いはいなかったが全員可愛かった。
いつもは一人での仕事が多いせいか、ユニットでの撮影はあまり得意じゃなかった。
知り合いが居ないと余計に居心地が悪かった。
そんな思いを抱きながら立っている間も、スタッフ達が機材やらカメラを設置していく。
「はい。では、撮影に入ります。事前に言っていた通りのポーズを取って下さい」
スタッフがそう言うので、モデルの皆は言われていた通りのポーズを取る。
わたしもポーズを取りだすと、シャッター音が聞こえだした。
その後は、監督から出す指示に従いながらポーズを取るわたし達。
廃墟の中に入り、何人かの人と一緒に写真を撮っていた。
「はい。これで今日の撮影は終わりました。お疲れ様ですっ」
スタッフがそう言うと、わたし達はようやく終わったので息を吐いていた。
そろそろ、昼の時間だったのでお腹がすいていた。
撮影中、お腹の虫が鳴らないか不安だったけど、安心できた。
そう思いながら廃墟を出て行くと、強い風が吹いた。
強い風だなと思っていると、ボロっと何かが崩れる音が聞こえた。
何処からしたのかなと思い周りを見ると、廃墟の外壁の一部が落ちて行くのが見えた。
その落ちていく所には、モデルの一人が居るのだが気付いた様子は無かった。
「危ない!」
わたしは思わず声をあげて、助けようとモデルに駆けて行った。
そのわたしの横を何かが走った。
その何かは、空中に飛び上がると分かった。
「獅賀くんっ」
わたしの声に応える事はなく、飛び上がった獅賀くんは腰に佩いている物を抜いた。
それは鞘に収まったままの刀であった。
「ふっ!」
獅賀くんは納刀したままの刀を振ると、落ちてくる廃墟の瓦礫を砕いて粉々にした。
獅賀くんが地面に着地すると、粉々になった瓦礫が降って来たが特に問題なかった。
瓦礫が粉々になった事に安堵すると、わたしは獅賀くんを見た。
周囲を警戒する姿は、見ていると安心感を抱かせた。
片手に剣を握っているからか、まるで騎士の様であった。
その姿を見ていると、心臓がとくん、とくんと高鳴るのであった。




