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これは卑怯なのだろうか  作者: 昌豊竜


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第4話

 明けましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。

 終業式を終え、わたしは夏休みに入った。


 学校から与えられた宿題を片付けていると、バイト先からの連絡を受けて急遽向かう事にした。


「はい。こっちに視線下さい。そう、いいね。そのまま」


 向けられているカメラのレンズを見つつ、言われたようにポーズを取る。


 すると、強い光とともにパシャ、パシャと音を立てていた。


 これは、わたしのアルバイトであるモデルであった。


 モデルと言っても色々とあるが、わたしのは雑誌読者の代表として記事や広告に登用されるという読者モデルであった。


 高校一年生の時に、休日に服を買おうと歩いていると、スカウトされた。


 その時は、テレビに出てくる俳優やモデルとかが、道端を歩いているとスカウトされたという話が本当にあるんだと思っていた。


 勿論最初は怪しんでいたが、名刺を貰って調べてみるとちゃんとした所という事が分かった。


 将来何になるか分からないが、これも経験になるあと思い話を受ける事にした。


 それからは、平日が学校に通い、休みの日は前もって事務所のマネージャー都合が会う日を教えており、電話が来で送迎車に乗り現場に向い、写真を撮るという生活をしている。


「いやぁ~、相変わらず珊瑚ちゃんはカメラ写りが良いですね~」


「そうでしょう。何せ、うちのスカウターが太鼓判を押すほどの逸材ですから」


 現場の監督とマネージャーが話しているのが聞き流しながら、目の前のカメラに集中していた。


「うちのカメラマンも褒めてましたよ。スタイルも悪くないしファッションモデルになっても食べていけると言ってます。あと眼がね、他のモデルと違って印象的と言ってましたよ」


「眼ですか?」


「ええ、何でも力強くて魅力的だと言っていました。他のカメラマンに見せた所、皆同じようにいってましたよ」


「そうですか。うちとしても、このまま専属のモデルになって欲しい言っているのですが、良い返事がもらえないのですよね」


「へぇ、そうなんですか」


 マネージャーたちの話を聞き流しながら、わたしはカメラに集中していた。


 ポーズを取りながら、レンズをジッと見つめていた。


 数時間後。


「お疲れ様でした」


「ご苦労様。給料はいつも通りに」


「はい。では」


 送迎車降りたわたしは、運転するマネージャーと話した後、その場を離れて行った。


「んん~、さて今日はどうしようかな・・・」


 モデルの仕事が終わったので、これからフリーであった。


 家に帰っても特にする事は無いので、退屈であった。


 だから、時間潰しにウインドウショッピングでもする事にした。


 季節は夏という事で、日差しが強かった。


 一度、水分補給しようかと思い、何処かに自販機か飲食店でもないかと探していた。


 そうして、周りを見ていると、思わぬ人物を見つけた。


「あれは・・・獅賀くん?」


 思わず、声にだしてしまった。


 夏休み中に会う事が出来ると思わなかったからだ。


 当然私服なのだが、肩には肩掛けが付いた長い袋を背負っていた。


 少し遠いので何が入っているのか分からなかったが、そんな事よりも何故か、わたしの心臓が音を立てていた。


 激しく脈動し大きな音を立てるので、周りの人に聞かれるのではと思えた。

 

 どうしたものかと考えていると、獅賀くんがわたしに気付いた様で、近づいてきた。


 すると、一歩近づく度に心臓の音が大きくなってきた。


 そして、獅賀くんがわたしの前まで来た。


「青淵。終業式以来だな」


「あ、ああ、そうだね」

 

 声を掛けられて、声が裏返りそうになったが、何とか耐える事が出来た。


 そして、少し呼吸を整えながら頭の中で素数を数えだした。


 何かの本で、素数を数えていると冷静になるとか書かれていたので、実践する事にした。


 意外にも効果がある様で、少しずつだが落ち着きだした。


「獅賀くんは何処かにお出かけだったのかい?」


「ああ、ちょっとな」


 そう言って、獅賀くんは肩に背負っている袋をチラリと見た。


 何処に出かけていたのかなと気になっていると、周りから視線を感じた。


 周りの人達は口々に「あの二人、綺麗じゃない」とか「モデルかな?」とか話していた。


 このまま、余計に目立っては話しどころではないと思えたので、わたしは提案した。


「久しぶりに会えたのだから、少しお茶しない?」


 言っていてなんだが、ナンパみたいな事を言っているなと思った。


「そうだな。丁度喉が渇いていたしな」


 獅賀くんそんな事気にせず、誘いに乗るのであった。


 それで、わたしは獅賀くんと共に、歩き出した。

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