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E.G.F艦隊VSエルフェンフィールド艦隊2

 エルフェンフィールド艦隊とE.G.F艦隊は激しい砲撃の応酬を繰り広げていた。

 両者共にトップクラスの技術で作られた艦艇。その砲撃戦は互角の戦いを見せていた。


【敵駆逐艦のエネルギーシールドを貫通。船体にダメージを確認】

【敵AWが我が方へ接近しつつあります】

【巡洋艦08が被弾。超級戦艦からの直撃を受けた模様】

【回避機動は怠るな。エルフェンフィールド艦隊は身動きが出来てない状況だ。動ける分、我々が圧倒的有利だ】


 E.G.F艦隊はエルフェンフィールド艦隊に対し左右に展開。ステルス艦を使用した強襲により挟撃態勢を取る事に成功。


『敵を侮るな!相手はステルス艦を主力としてる特務部隊だ!正規軍以上だと思え!』

『AW部隊は敵艦隊に向けて攻撃せよ。繰り返す、敵艦隊に向けて攻撃せよ』

『エネルギーシールド30%減衰!敵艦のビーム砲の威力は我が艦の20%以上の威力があります!』

『何だと?ええい、シールドのエネルギー比率を上げろ!』

『機雷の排除はまだか!このままでは狙い撃ちになる!』


 対してエルフェンフィールド艦隊は機雷原で身動きがほぼ不可能な状況に陥ってしまった。

 超級戦艦サザンクロス、戦艦アルビレオ、他戦艦5隻を筆頭に応戦。機雷を排除しつつ何とか前進を試みる。

 だが、機雷もステルス仕様の物が混ざっており、強行すれば甚大な被害が出てしまう。


 それでも必死に機雷の排除を行い続ける。


【ほほぅ、流石はエルフェンフィールド軍。良く粘る。圧倒的に不利な状況でも互角とはな】


 味方の駆逐艦が爆沈するのを尻目にE.G.F艦隊の司令官は感心していた。

 E.G.Fの軍艦はステルス仕様な為、通常の軍艦よりどうしても装甲が脆くなってしまう。その為、エネルギーシールドが貫通して船体にダメージが出るのは致命的になる確率が高い。

 だが、代わりに火力は通常の軍艦より高くなっている。

 一撃の火力向上の為、主砲の砲身は二連装仕様となっている。また、収縮砲搭載艦は司令官の座上艦と他一隻の戦艦のみ。他の戦艦、巡洋艦には収縮砲は未搭載ではあるが、火力とシールドにエネルギー比率を分けれる割合が大きくなっているのだ。


 つまり、同航戦での砲撃はE.G.F艦隊にとって一番火力を発揮出来る展開なのだ。


【本艦に向けて戦艦アルビレオからの砲撃が集中しています】

【対ビーム撹乱粒子は戦艦アルビレオに向けて集中させろ。この距離なら重力砲は満足に使えん。使えば味方と自分も巻き込む事になる】


 司令官は冷静に戦艦アルビレオを無力化させて行く。

 既に戦艦アルビレオの長所と短所は熟知しており、余程の事が無ければ超級戦艦サザンクロスと護衛艦隊を撃破出来ると確信していた。


(戦艦アルビレオも撃破しておきたい所だが。欲を出せば足元を掬われる)


 ならば、やる事は一つ。デルタセイバーの鹵獲に集中すべきなのだ。


【無闇に性能を披露し過ぎたな。持ち過ぎる力は対処されれば意味は無い】


 戦艦アルビレオ、GXT-001デルタセイバー。

 両方とも三大国家が築き上げた宇宙の治安と秩序を乱す癌細胞。


 ならば、早急に切除しなければならない。


【敵AW部隊が間も無く戦闘ラインへ突入します】

【作戦第二段階へ移行。敵AW部隊を処理せよ。三大国家の脅威を作り出した罪は重いぞ。我らE.G.Fの力を味わうが良い】


 砲撃が更に苛烈になって行く。

 超級戦艦サザンクロスに砲撃が集中しているが、未だにエネルギーシールドが抜ける事は無い。


 だが、確実にダメージは蓄積している。


【そのまま砲撃は続行。この火力で集中砲撃を受ければ超級戦艦と言えども終わりだ】


 司令官は着実にエルフェンフィールド艦隊を追い詰めている事を確信しながら指示を出して行く。


『敵左翼艦隊の上方を確保。スターワン大隊、突撃開始!これ以上、味方艦隊の被害を出させるな!』

『サイバー大隊は側面から攻撃を行う。各機、日頃の訓練の成果を出す時だ!続け!』


 72機のスピアセイバーが編隊を組みながらE.G.F艦隊へ向けて攻撃を開始する。


 だが、それが罠だとは気付かないまま。


 それは突然起こった。最初に隊長機が爆散。続いて僚機も同様に散って行く。


『ッ⁉︎警報!この距離でレーダーに反応して無いだと!』

『データ照合無し!そんな、新手の機体?』

『速い!敵は戦闘機……いや、可変機も居るぞ!』


 そして徐々に姿を見せるE.G.FのAW部隊。

 三大国家の主力AWとは異なる機体。

 鋭角な部分が少なく、ステルス性を意識したデザイン。

 胴体中央、両肩にはステルス装置と思われる装備が取り付けられている。代わりに武装は少なく、両腕のみに留まっている。

 背中には大型バックパックを装備しており高い機動力と運動性を確立していた。

 更に可変機との連携をする事で互いの短所をカバーし合う。


 秘密結社E.G.Fの主力AW。


 TF-101Sレグルス

 ステルス装置と併用しながら接近戦に持ち込む事を得意とする。


 TF-202Rシリウス

 可変機であり、ステルス装置と併用しながら敵に突撃する戦法を取る。


【獲物が罠に掛かった。シャドウ大隊、攻撃開始】


 ステルス装置を使用しながら、凄まじい速度でスターワン大隊、サイバー大隊へ突っ込んで行くシャドウ大隊のTF-202Rシリウス。

 更にシリウスに対する追撃を防ぐ為に接近戦に持ち込むTF-101Sレグルス。

 しかし、スピアセイバーも未確認の機体を前にしても直ぐに冷静さを取り戻して行く。


『各機、エレメントで確実に対処するぞ。敵は手練れだ。心して掛かれ!』

『『『『『了解!』』』』』

『敵はステルスの使用を前提とした機体だ。お陰でビーム兵器は持っていない。ステルスを重視し過ぎた事を後悔しろ』


 スピアセイバーから放たれたビームが可変途中のシリウスを貫く。

 レグルスとシリウスの挟撃で撃破されるスピアセイバー。

 ステルスにより不意の奇襲を受けたスピアセイバーがレグルスの持つ近接用ランスによって貫かれる。


『こいつら、手強い!』

『敵艦からの砲撃が!畜生、俺達は罠に掛かったも知れん』


 連携を取りながらシャドウ大隊からの攻撃を捌くスターワン大隊とサイバー大隊。

 しかし、シャドウ大隊の高い機動力とステルス装置を利用した接近戦。更に敵艦隊からの砲撃とミサイル攻撃。更に対ビーム撹乱粒子を散布されてしまいビーム兵器の威力が減衰してしまう。


 特に厄介なのがシャドウ大隊のステルス装置を利用した接近戦だ。


 レーダーに映る頃には、敵は既に近接武器を抜いている状態。そこから回避しながらカウンターを狙うが、想定内なのが容易に対応されてしまう。

 また、敵は実弾兵器を使用しており対ビーム撹乱粒子の影響を受ける事が無い。


【敵が後退の素振りを見せ始めている。させるな】

【こちらA-11、敵を撃破。次に向かう】

【A-18、上手く避けろよ】

【了解した。やってくれ】


 この状況に対しクリスティーナ中佐は指を咥えて見ている事に我慢が出来無かった。

 パイロット待機室から艦橋へ連絡をする。


「セシリア准将!何故出撃命令を出してくれないのですか!このままではスターワン、サイバー、ソバット、タイガー大隊が……左右に展開している味方部隊が壊滅してしまいます!」


 既に半壊状態になりつつある味方AW部隊。

 戦況をモニターで見ていたのだが、敵の戦力が余りにも不透明過ぎた。


『ダメだ。敵の狙いはアルビレオ、デルタセイバーなのは明白。どれだけの犠牲を払おうともデルタセイバーを出撃させる訳には行かない』

「では、敵がこの艦を狙い始めたらどうするのですか!超級戦艦サザンクロスも危険です!」


 超級戦艦サザンクロスも必死に敵艦隊に向けて砲撃を続けている。

 しかし、今も大量の機雷により満足に身動きが取れない。


 このままでは被害が更に増すばかり。


 それでもセシリア准将はデルタセイバーの出撃を認めない。

 敵の狙いが分かっている以上、その手に乗る訳には行かない。


『出撃は許可出来ない。デルタセイバーとクリスティーナ中佐は待機せよ。これは命令だ。以上』

「待って下さい!姉さん!私は……ッ」


 何も出来ない状況に苦しむクリスティーナ中佐。

 それでも戦況は徐々に進んで行く。


 一方、エルフェンフィールド艦隊も善戦はしていた。

 無論、善戦しているが状況の打開には至っていない。


「左舷の敵戦艦に砲撃を集中!セシリア准将、このままでは本艦の砲撃能力が活かせません。重力砲のエネルギーを砲塔に回すべきでは?」

「…………」


 副官の意見にセシリア准将は考える。しかし、それで戦況を打開出来るとは到底思えない。


 そして、セシリア准将は決断した。状況を打開する為の手段を。


「超級戦艦サザンクロスに通信を繋げてくれ」

「了解です。通信、繋げます」


 超級戦艦サザンクロスは今も一番に敵からの集中砲撃を受けている。

 超級戦艦サザンクロスとは言え、エネルギーシールドはそう長くは保たない。


 シールドの為に火力分のエネルギーを回したとしても延命処置に過ぎない。


 ならば、今は少しでも前に進まなければならない。

 幸い、宇宙要塞リーベスヴィッセンとの距離は遠くは無い。ジャミングにより通信も繋がらないが、宇宙要塞リーベスヴィッセンが探知すれば直ぐにでも増援は来る。


 または、強力な重力磁場を検知させれば。


『どうした?戦艦アルビレオと護衛艦隊は機雷破壊を優先し前進せよ。本艦に構う必要は無い』

「マッセナ中将、これより本艦は前方に向けて重力砲を使用します。よって艦隊に後退準備をさせて下さい」

『何だと?だが、重力砲は味方を巻き込む可能性が高い。まして、この状況では尚の事』

「ご安心下さい。重力砲が作り出す強力な磁場を利用して機雷を排除します。そうすれば艦隊は前進、及び回避機動が取り易くなります」

『むぅ……確かに、その通りだな。だが、容易に敵に手の内を見せる訳には』


 マッセナ中将の言う事は分かる。現在の交戦距離なら重力砲の性能がより知られてしまう可能性が高い。

 そうなれば戦艦アルビレオの戦略的価値は更に低下するだろう。


 だが、戦艦アルビレオよりデルタセイバーの方が優先されるべき。


 だからこそ戦艦アルビレオを利用してでもデルタセイバーを守る必要があるのだ。


「時間は有りません。直ぐに使用します。ですので」

『……分かった。セシリア准将の案に託そう。全艦、及び全戦闘ユニットへ通達!これより、戦艦アルビレオは重力砲を使用する!戦艦アルビレオに敵の攻撃を集中させるな!』


 マッセナ中将の許可を得たセシリア准将は直ぐに命令を出す。


「重力砲を展開。発射シーケンスに入れ」

「了解。重力砲展開開始」


 艦首重力砲が展開される。中からは重力砲の砲身が見える。

 そして砲身の中心部が徐々に回転を始める。


「重力砲の回路接続完了」

「エネルギー充填開始」

「出力安定。エネルギー充填率20、30、40」


 重力砲が展開された事を検知したE.G.F艦隊は僅かに動揺する。


【連中め、死に急いだか?いや、違う……ッ!不味い、エルフェンフィールド艦隊前方に待機しているAW部隊を至急離脱させろ!】


 事態を直ぐに察知した司令官は急いで指示を出す。


 だが、間に合わない。


「90、95……100!重力砲、いつでも行けます!」

「……重力砲発射!」


 戦艦アルビレオの美しい白い船体とは真逆の禍々しい黒紫の球体が前方に向けて放たれる。


「逆噴射開始!後退せよ!」


 エルフェンフィールド艦隊が一斉に後退する。

 機雷に接触する艦も出るが構わず後退を続ける。


 重力砲から放たれた黒紫の球体が僅かに揺れる。



 そして全てを吸い寄せる様に巨大化して行く。



 エルフェンフィールド艦隊の周辺に設置されていた機雷は勿論の事。他の宙域に設置されていた機雷も吸い寄せられて行く。

 途中、機雷が何発か超級戦艦サザンクロスに被弾するがダメージを受けてる気配は無い。


 強力な重力磁場が形成され吸い寄せられて行く機雷群。


 同時に機雷の影に隠れていたE.G.FのAW部隊は悲惨な状況に陥ってしまう。


【離脱だ!急げ!】

【ダメだ……推力が負けてる。吸い込まれる!】

【機雷がグワッ⁉︎】

【こんな終わり方は……あんまりだろうが】


 更に吸い寄せられた機雷群に向けてエルフェンフィールド艦隊の主砲の砲口が向けられる。


「目標、前方の機雷群。艦隊、砲撃始め!」


 セシリア准将の号令に従い、艦隊が重力磁場に引き寄せられた機雷群に向けて一斉砲撃を開始。

 凄まじいビームの数が機雷群に向かって行く。


 そして集まった機雷の一つにビームが直撃し爆発。


 更に誘爆が続き、連続して爆発が起きる。


 機雷群は瞬く間に連鎖爆発を起こして行く。


『セシリア准将、良くやった。各艦、前方への道が開けた。全速前進。超級戦艦サザンクロスが突破口を開く。戦艦アルビレオは後に続け』

「了解しました。続きます」


 エルフェンフィールド艦隊は無事に機雷原の処理に成功した。


 だが、E.G.F艦隊はまだ終わってはいない。


【こちら第81独立艦隊。これより敵超級戦艦サザンクロスを破壊する】


 戦いは更に過激さを増して行く。

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