【武器解説01】長槍 [挿絵]
14世紀中頃にイギリスで勃発した『百年戦争』において長弓の集団運用が高く評価され、銃火器である大砲が登場し、世界に衝撃を与えるまでの期間、戦争の主役は『長槍』でした。
人類にとって最も重要な武器それが『長槍』です。
『サリッサ』
旧石器時代からすでに存在していた槍ですが、次第に長大化していき、ギリシャ世界で最強と言われたマケドニアの『アレキサンダー大王』(紀元前350年頃)が運用していた長槍『サリッサ』は全長が6メートルもありました。
ギリシャのテッサロニキには、アレキサンダー大王像と共に長大な『サリッサ』の像が並べられています。
『ハスタ』
ラテン語で槍を意味する『ハスタ』は全長2.4メートルほどの刺突用長槍。
共和制ローマ時代の主力武器でしたが主役の座を投擲槍『ピルム』に奪われ、古参兵のみが好んで使う玄人好みの武器として扱われました。
ローマ軍の兵科区分、第一戦列兵『ハスタティ』はハスタの名前から来ています。
『大身槍』
日本の戦国時代(1467年〜)において運用され、刀身が60センチ以上の槍を指します。一般的に名のある武将が用いていた槍は大身槍で、徳川四天王である本多忠勝が愛用した名槍『蜻蛉切』も大身槍に分類されます。
蜻蛉切 (ヘリオン) ※1
※1 画像の著作権はカクスタ様(@cactus_stance)に帰属します。無断転載・無断使用を固く禁じます。
『長柄槍』
戦国時代、特殊技能を持たない農民が徴兵され組み込まれた兵科が長柄隊です。長柄隊の持つ長柄槍は全長が3メートルから8メートルもあり、刺突ではなく、命令に従って一斉に叩く運用が一般的です。
あまりに長い為、行軍時は立てる事が出来ず、引きずって行進していました。
作中における匠は、大身槍をイメージして長槍を用意しましたが、刀身が通常の長槍であった為、正確には大身槍とは呼べない代物であり、姉の記憶にあったのは長柄槍の心得です。
−追記−
本作において、主人公の匠は転生先を古代ローマ帝国のような国だと認識していますが、あくまで『ローマ帝国に似た』異世界であり、歴史、文化的背景などはオリジナルのファンタジー世界である事をご留意ください。
本作は主人公匠が武器に詳しくならざるを得ない過酷なメソッドであり、歴史に詳しくなるメソッドではありません。
史実と異なる点や違和感からご不快に感じる方もいらっしゃると思いますが、古代ローマ風ファンタジーとして笑い飛ばしていただけましたら幸いです。
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参考文献
wikipedia(英語)Hasta (spear)の項
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Hasta_(spear)
(16 February 2024最終更新日)
TANTANの雑学と哲学の小部屋
https://information-station.xyz/20443.html
(2024/05/03閲覧)
名槍『蜻蛉切』の歴史と伝承、現代まで
https://note.com/japankatana/n/nf1d93ddbacf7
(2024/05/03閲覧)
【武器解説】では、図鑑の挿絵横に添えられている短文をイメージして記述しています。
詳細な情報につきましては、記載の参考文献等を調べていただければと思います。
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