アインの伝説(31)
ラム:プランの名前だけでも出るかと思いましたが・・・。
バッケン:ああ、『賢者』が出てきたからなぁ。
プラン:私は特に出番など気にしてはいないのだがな。
シオン:プランはそのままでいい・・・あ、第31話をどーぞ (‘◇’)ゞ
ラム:シオンは成長してください。
シオン:ぺったんを否定するなぁっっ! ( `―´)ノ ぷんぷん!
バッケン:いや、そこじゃねぇぞ、たぶん・・・。
屋敷にやってきたリアパパによると、見事に大陸同盟は有名無実となったらしい。ゼロではない。あくまでも有名無実。まぁ、参加国がどーなっても知らんけどな。
しっかし、さすがは『賢者』ギメス。
怖ろしい破壊力を発揮。ゲームでもアニメでも最強の後衛魔法アタッカーだしなぁ。
「賢者ギメス師の『教皇聖下は神罰が下るというが、具体的にどのような神罰が、どのくらいの規模で、いつ下るのか、実例をあげて説明してもらえないだろうか』という一言で、大神殿の神官たちも教皇も何も言えなくなっていたよ……」
「確かに、それは説明できないでしょうね」
「『どのようなものかはわからんがとにかく神罰が下るから同盟に参加せよなどと、わがままな子どもがどうしても友達がほしくて嘘つくのにとてもよく似ているのだがね。大神殿にはさまざまな記録が残っているだろう? 2000年前の巨人王戦争における大陸同盟に参加しなかった国がどのような神罰を受けたのか、誰がどのようにその記録を残したのか、史料を明確に示して早く説明してくれ。ああ、必ずその史料はここへ、会議場へと持ち込んでくれたまえ。大神殿の史料はなかなか読む機会がないから実は楽しみにしていたのだよ』と。とんでもない賢者さまだよ。ちょっとだけだが、神殿の方々に同情してしまった」
「よく覚えてらっしゃいますね、子爵さま。そんな馬鹿に長いセリフ……」
しかも、賢者のモノマネが意外と似ている、だと? リアパパに変な才能発見!?
「天下の賢者さまの言葉もアインくんにとっては馬鹿に長いセリフなんだ……。
いや、まあね、それでも同盟反対のこちらにはありがたい援護だったが。
あとは、会議の後半で父上がアインくんが流してくれた情報をもとに、トリコロニアナ代表に魔族からの宣戦布告を隠していると厳しく糾弾して、トリコロニアナ代表が宣戦布告などない、魔族が人のきまりに従うはずがなかろう、と言い返して、真実はわからず終いさ。
だが、会議に参加した河北の国の代表によれば、確かに魔族が率いる魔物によって攻められたことはないそうだよ。それでも魔物の被害は大きいみたいだけど。
まあ、それまでに賢者さまが神罰ってものがあやふやだと印象付けてくれたこともあったからね。河北の2国と河南の2国、そしてソルレラ神聖国の合わせて5か国だけが大陸同盟に賛成、トリコロニアナは別枠だよ。あとは同盟には参加しないと決まったよ」
「教皇はよくそれで会議を終わらせましたね?」
「トリコロニアナへの援軍のために各国、各領地の神殿に派遣している聖騎士は減員させてもらう、というのが、聖下ができる最大の嫌がらせだったんだろう」
「大国にとっては、ほとんど嫌がらせにすらなりませんね。自国の騎士団でも十分でしょう」
「そういうことだ。だから、参加国は小国ばかりさ」
とにかく。
予定通りに近い状態で、大陸同盟は潰せた。
しかも、不参加国側なので、不要不急の外出を求められるいわれはない。
「それよりも、スグワイア国との個別の同盟を望む河南の国が多くてね。父上はアインくんにいろいろと頼みごとがありそうだったよ?」
「基本的に断わりますけど」
「……相変わらず、自由だね。うらやましいよ、心から」
「どうせ、他国は『竜殺し』の派遣を、とか言ってるんでしょう? もしくは『勇者』や『聖女』をって。そんな都合よく自分たちに使えると思うなよって言っておいてください」
「ははは。だが、聖女や聖騎士から勇者まで抱えるケーニヒストル侯爵領が、周辺国から頼られるのも仕方がないことなんだよ。実際には、アインくんのフェルエラ村が抱えているのだけど。
結果として、学園卒業後のリアの動きが忙しくなりそうだよ。あの子だけは、侯爵家の裁量で動かせるから、ね。
それで、卒業後は、アラスイエナの護衛からユーレイナを外して、リアに回そうと考えているのだけど」
「……そうなったらユーレイナはケーニヒストル騎士団を退団して、うちの村に移住しますよ、きっと。母親がいますから、村に」
「……もう引き抜かれてたか。やれやれ。彼女は一応、序列1位のトップ騎士なんだけど。ねえ、アインくん、せめてリアの助けにはなってやってほしいんだけど?」
「…………できる範囲でなら」
「うんうん。ありがとう、アインくん。でも、一番いいのは、早く婚約して、すぐに結婚して、フェルエラ村に引き取ってくれたら、父上もリアをどうこうできなくなるんだけど?」
何をおっしゃってるんですか……と言いかけて、リアパパのすぐ近くのリアさんが真っ赤な顔になっているので口にできずに黙り込む。
あと、レーナ。リアパパの後ろからすんげぇおれのことをにらんでくるの、やめなさいって。
あ、シトレ? なんでリアパパの飲みかけのお茶とまだ食べてないお茶菓子、下げちゃうの? それ、余ったからってシトレが食べちゃダメだからな? いや、そもそもそれはとっても失礼だから!? どっちかっつーと絶対やっちゃイケない系のことだから!?
「………………そ、そろそろ帰るとしようか、では、また。リアも、卒業までしっかりね」
「はい。お父さま。頑張りますの。いろいろと」
リアパパ、怒って帰っちゃったじゃん!
「…………アインさま。ヴィクトリアさまの卒業後の護衛につきましては、戦闘メイド部隊から常に一人、配備できるように団長のスラーには強く申し付けておきますので。ヴィクトリアさまも、どうか、ご安心を」
レーナ……?
なんでウチの騎士団の中の一部隊のはずの戦闘メイド部隊の隊長のレーナが、騎士団の団長のスラーよりも上みたいな感じの発言になってんの? いや、まだスラーよりもレーナたちの方が強いよ? 確かに強いんだけどさ!?
「…………レーナさん。それはそれは、ありがとう存じますの。とても、助かりますの」
そんで、なんで侯爵令嬢とメイドがバチバチやってんのさぁーーーっ?
姉ちゃんとリンネも楽しそうに見てないで、止めてくれーーーっっ!
シオン:リア獣亜淫氏爆っっ! (; ・`д・´)
バッケン:モテモテだな、アインってのは。
ラム:あのバッケンでさえ気づくことに気づけないとは世界一鈍いですね。
プラン:彼は全体が見えていても自分は見えていないのかもな。
シオン:は~。2000年前はウチもモテ期だった伝説・・・(ToT)/~~~
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