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16話 僕ら、依頼を探す

 あれから、村人たちに服と食糧をもらった僕らは再び平原を歩いていた。

 リオスター曰く、僕のところに来たときに裸だったのは裸で寝ていたから、だそうだ。

 うん、理解できない。したくない。


 濡れていたのは、顔を洗おうとしていた時に彼らに気が付いたから、らしい。

 そっか。そうか。服……いや、何も言うまい。


 僕はツッコミを放棄した。


 周囲にいた村人たちはリオスターが呼んだわけではなく、勝手に警戒して出て来たとのこと。

 それに気づいたリオスターが、ああやって利用したらしい。

 こういうところはすごいんだけどなぁ。


「でも、今からどうするつもりだよ……」


 パーティから抜けて、何の目的もない旅をする。

 なんて、そんなのごめんだ。

 だったら、故郷に帰りたい。


「うーむ。そうだなぁ、まずは路銀だな!!」

「へ?」

「装備ごと何もかも置いてきてしまったからな! まずは金だ! 裸一貫!」

「いや、え? 旅する気でいるの!?」

「もちろん、そうだが?」


 リオスターは曇りなき眼で僕を見た。

 やめてくれ。その目は僕に効く。


「俺たちには使命があるからな!」

「……魔王討伐ってこと?」

「おう、そうだとも。必要なことだ!」

「け、けど、二人じゃ無理だって……」

「そんなことはないぞ!」


 リオスターは、ガシッと僕の肩を抱いた。

 痛い。


「何事も始まりは一だ! だが、既に俺たちは二だろう!? 次は三を目指す、それだけだ!」

「ぽ……」


 ポジティブ~~~~~~~~~!!!!


 僕は完全に五人パーティから二人になったっていう引き算だったよ。

 いや、リオスターが正しいとは思わないけど。

 何にしても、僕らだけで魔王討伐なんてできっこない。

 そもそも、魔王討伐の件だって神託から発生した話だ。

 神託を無視するなら、魔王討伐に行くってところもシカトしていいのに。


「ぽ? なんだエルド、俺に惚れたのか?」

「ちがいます」

「はっはっは、俺は異性にもモテるが同性にもモテるとはなぁ!!」


 さらっと自慢された。

 いや、リオスターがモテるのは知ってた。知ってたよ。知ってたけども!


 閑話休題。


 リオスターに引きずられるようにして、僕らは次の街で討伐依頼を探すことになった。

 なぜって。

 小さな依頼よりも、一度で大金が手に入るからだ。

 僕はコツコツといきたいんだけど、リオスターは地道という言葉を知らない。

 ドンと一発当てようということらしい。


 冒険者やハンター向けの依頼は、大きな街に集まるものだ。

 それらは一括でギルドに管理され、大きな掲示板に貼り出されている。

 その中からめぼしい依頼の貼り紙をもって、受付で申し出るのが一連の流れだ。


 小さな依頼なら、それこそ近隣の街への買い出しとか名産物の運搬とか軽めで安い依頼がある。

 依頼の中でも討伐系は一番報酬が高い。その中でも、討伐対象によってランク分けされている。


「うむ! これにしよう!」


 ゴブリン討伐を眺めていた僕の隣で、リオスターが迷いなくベリッと一枚の貼り紙を剥がした。

 そして、相談もなくズンズンと受付に向かってしまう。

 お前はそういう男だよ。

 五人パーティの時は、ああいう思い切りの良いところに引っ張られて楽だったけど。

 二人だと不安オブ不安しかない。


「えっ!?」


 受付の女の人が大きな声を出した。

 そのせいで、周囲の冒険者やハンターたちが僕らを見た。やめて。注目しないで。


「い、いいんですか? お二人なのに……」

「無論だとも! 武器は支給されるそうだな!」

「も、もちろん、そうですけれど……」


 ちらちらと僕を見た受付のお姉さんは、ひどく不安そうだ。

 僕はぺこっと頭を下げた。あああ、だって話せないよ!


「俺は剣と槍と弓が扱えるぞ! こいつは魔法が使える。十分だろう!?」


 リオスターの勢いにお姉さんは押されているようだ。

 わかる。

 とてもよくわかる。


「え、ええ……では、こちらにサインを……」


 お姉さんがおずおずと差し出した書類に、リオスターはさらさらっとサインを入れた。

 次に僕の番になってペンを握ったとき、僕は思わず目をひん剥いた。


「ド、ド、ドラゴン討伐ーーー!?」


 何考えてんだお前!!!

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