第三章 第四話 オト出産
邪馬台国王宮敷地内・東宮御所・・・
ここは、産声が響き、分娩に立ち会った東宮ヤマトタケルが、神波動に覚醒し、出産した東宮妃オトタチバナもまた、神波動に覚醒していた。
「でかしたぞオト。」
「もったいなきお言葉です・・・」
生まれたばかりのわが子を抱き、うるんだ目でオトは、タケルを見た。
「この子の名は、ニントクだ!」
「ニントク・・・ですか?」
「ライテス卿に、日本のこんな王の話を聞いた。」
ある日、王は宮殿の窓から城下町を見た。
するとどうだろう。
昼時だというのに、家々から煙が出ていない。
王は、家臣になぜかと訪ねた。
「税も払えぬほど、困窮しておるのでございます。」
そこで、王は、一年ほど税を徴収することをやめた。
宮殿の補修も必要だったのにだ。
やがて、家々からは煙が立ち昇るようになった。
しかし、まだ民の生活は苦しい。
ゆえ、王は「徴収免除期間」を延長することにした。
しかし、民は積極的に税を納めるようになり、中には無報酬で宮殿の補修をしたものもいたという。
「その王の名が、「仁徳」だという。戦いが終わればこの子は平和な時代の帝になるんだから。」
「すばらしいです。」
「すごいことに、今でも日本の王宮には、王が街を眺める絵が飾られているらしい。」
「戒めですね。」
「そうだ。」
「では、「ニントク」にいたしましょう。」
タケルがいった話は、古事記や日本書紀の話で、実話かどうかわかりません。が、この伝説は「実在」します。




