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第一章 第二話 ルミナリアの剣・完成
「これは、業物だ。」
ファルフが、感心する。
「まるで、ルミィがもう一人いるような印象を受ける。」
「だろ?」
エレスが、ルミナリアを見る。
「当然。彼女の全神波動が注ぎ込まれている。」
なんだか、ルミナリアはぐったりとしている。
「しかし、あんたの許婚はすごいな。神波動を注ぐ間、何かに「目覚めて」いたようだ。」
むむッ!とファルフは唸る。
「この剣の銘はなんとする?」
「当然・・・」
「ル・・・ルミナリアの剣・・・」
ファルフが返答するまえに、応えて、ルミナリアは気絶する。
「お代だが・・・」
「いらん。ライテス卿から振り込まれているから。それより、「彼女」を宿に連れて行って介抱するのが先決じゃないか?」
「!!感謝する。」
ファルフは、ルミナリアを抱き上げ、剣を手に取り、工房を辞した。




