第四章 第二話 夜に輝く女王の瞳
「ここね・・・宮殿は・・・」
ミュウは、夜の静まり返った宮殿の前にいた。
「そこまでです。錬金術師ミュウ・ファレンシア。」
そこにいたのは、キティルハルムの女王ノワール二世。
「あら。誰かと思えば、エレノラの使い魔の猫さんじゃないの。」
「子孫ですが。」
ノワール二世は、目をゆっくりと広げる。緑色の瞳孔が輝いている。
「夜は、キティルハルムの民の実力が発揮される時間帯。」
『悠久の図書館』を構える。
「そうね。・・・って・・・!」
ノワール二世は、その姿を消し、ミュウの懐に飛び込み、『悠久の図書館』を両手に握り、全身を回転させて、回し蹴りを放ったのだ。
「危なァ・・・この身体能力も健在ってことね・・・」
ミュウは、すんでのところでかわした。
「でも、進化に伴い、爪はなくなってしまいましたが。」
言いつつ、尻尾ではたきにかかる。
「油断ならないわね!」
「猫・・・だからねぇ・・・」
建国以来のお決まりの台詞を言いつつ、呪文を唱える。
「光輝閃熱針!」
ミュウの足元から、光輝大燃焼の変形の針状の炎がほとばしり、ミュウの股間を焼こうとした。
「!!げっ!どこ狙ってんのよ!」
ミュウはかわしつつ、毒づく。
「あらら・・・ライテス卿の戦術だったんですがねぇ・・・」




