33話
あの後は、学校は休校という事になり生徒は各々帰宅する事になった。
それにしても、さっきの戦いすごかったな。
校庭での水見紗季の戦いぶりを思い返す。あれは戦いというよりかは一方的な蹂躙だった。
一瞬で鬼達に近づき、腕がブレたと思ったら三匹の鬼の頭が気付けば弾け飛んでいた。
腕の動きが全く見えなかった。あれが、A.S.S.Fのリーダーの実力か。レベルアップであそこまで強くなれるものなのか?それとも何かスキルの効果だろうか。
あそこまでとは、行かないまでも自分の身を守るためにももっと強くなる必要があるな。
それにしても、これからやる事が無いな。ダンジョンにでも行くか。
くつろいでいたソファから立ち上がり、探索の準備を始める。
部屋着から着替え、探索道具が入っているカバンと武器を背負う。準備完了だ。
玄関の扉を開けて外に出る。
「いってきます」
十数分後
ギルドに着いた。
早く、探索申請を済ませてダンジョンに入ろうと、窓口に向かう。
窓口に近づくにつれ聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「由美ちゃん、早く探索申請しようよ〜」
誰だったか?どこかで聞いたことがあるような声だ。
窓口に近づいて行けば声の主人の姿が見えてきた。あれは・・・・・・・迷惑女のパーティーだ!!
あの女の学校もダンジョン氾濫の影響で休みになったんだろう。ここは隠れてやり過ごして、アイツらがダンジョンに入るのを待ってから申請するか。
数分待てば、ダンジョンに入っていったので俺も探索申請を済ませてダンジョンに入る。
三階層に入り、探索を始める。
発動:『気配隠蔽』
スキルで気配を消して和街エリアを探索して行く。このエリアは家屋の中にも入ることができる。
そういう所に宝箱が生成されるらしいから、注意して見ていこう。
数時間後
鬼を一匹倒すことができたが宝箱は一向に見つからない。一匹としか戦ってないが疲れたな、今日は帰ろう。
再び、宝箱を探しながらギルドに向かう。
あった!!
何個目かの家屋を覗けば、明らかに異質なゲームに出てくるような箱が部屋の中に鎮座している。
あれが絶対宝箱だろ。一応『鑑定』しておくか、罠の可能性もあるしな。
発動:『鑑定』
《ランダムボックス。ダンジョンの三階層から出現し、中に何かしらの道具やポーションが入っている》
なるほど。見た感じ罠とかではなさそうだな。まあ、危険なら『危機感知』が反応するし大丈夫だろう。
胸に期待を抱きながら宝箱に近づき開ける。良いものが入ってたら良いな。
少しだけ重い蓋を持ち上げ、中身を見る。
そこには、百均で売っているような鼻メガネが入っていた。なんだこれ、宴会道具?
と、とりあえず鑑定だ。こんな見た目だが凄い能力があるかもしれない。
発動:『鑑定』
《宴会メガネ。人が複数居る空間で装備すると、周りの温度を一度上げる》
なんだこれ、不思議な効果がついているから奇具ではあるんだろうけど、肝心の効果が役に立たない。
なんだ、周りを一度上げるって、場を温めるとかそういうことか?
ギルドに売ろう。奇具なんだから、それなりの値段になるだろう。クソ、期待させやがって。
はあ、とりあえず帰ろう。
少し歩けば、ダンジョンの門に着いた。
門を潜りギルドに帰ってくる。買取の窓口に行って職員に声をかける。
「すみません。買取をお願いします」
「はい! 売却するものをこちらに、お出しください」
先に赤鬼のドロップアイテムを出し、次に宴会メガネを出す。
「あの、これが宝箱から出たんですけど、いくらぐらいになりますかね?」
「はい、奇具の値段ですね。奇具は一度、オークションにかけてから値段を決めた後、それからギルドが十パーセント程、手数料として引いた金額を探索者様が受け取るような仕組みになっています」
十パーセントか、結構引かれるな。鑑定の金額やらが引かれてるんだろうな。そんなことを考えていると説明を続けてくれる。
「この制度を使うことで、探索者様へのクレームをギルドが受けたり、金銭のトラブルに探索者様が巻き込まれないようにすることができます。ご理解いただけたでしょうか?」
「わかりました。金額がわかるのはいつぐらいになりますか?」
「正確な日付はわかりませんが、来週までには決まっていると思います。決まり次第、電話もしくはメールで連絡させていただきますので、身分証を確認させてもらってもよろしいでしょうか?」
「わかりました。どうぞ」
そう言って俺は身分証を職員に見せる。
「ありがとうございます。確認しました。では、次にドロップアイテムの換金に移らせていただきます。赤鬼の角が一本で30,000円になります」
換金したお金を財布に入れ、窓口の職員にお礼を言って立ち去った。
さて、家に帰るか。




