ごく世間話的なわんにゃんのお話
ほんと、世間話の延長で恐縮です。
我が家には、11歳4ヶ月になった猫(茶トラの雑種)と、もうすぐ5歳になろうかという犬(柴雑種)がおります。
田舎ということもあったり緒事情とがあって、猫は外と家とを出入り自由(出入りしたい時には大声でニンゲンに要求)、犬は外飼いで、犬小屋の周り半径10メートル程が普段の可動範囲、散歩は天候や家族の都合で平均2回/日、1回30~40分程度です。
どちらもそこそこ健康状態申し分なく、元気に過ごしております。
最初に飼い始めたのは猫。
まだ目が開いたばかりの頃、家族が他所の公園から拾ってきて、はじめのうちは二時間おきにミルクをやっては、湿った布でお尻を拭いてやって排尿排便をうながし、時おり全身を拭いてやったりなんだりと、文字通り、猫可愛がりの日々でした。
今ではすっかり高齢に近づいたせいか、早朝に外から帰ってきてご飯(下部尿路の健康維持用)を食べてから、半日以上家のどこかで熟睡(たいがい出窓の棚の上かたんすの上)、夕方近くにまた外出して、何度か家を出入りしながら、結局夜中は外で過ごします。
以前は小動物をよく狩っていたようですが、近ごろには家の周囲に戦利品が見られないところをみると、戦果はあまり挙がっていないようす。まあ、近隣の鼠やモグラ、小鳥など小動物たちには朗報かな、と。
猫が6歳過ぎの頃、友人宅から子犬を譲り受けました。
我が家で初めての犬ということで、かなりの決断でした。猫は何度か飼ったことがあるのに、ほんと犬は初めてで。
もともと猫と犬とはうまくいかないのでは……と案じていた通り、猫は仔犬に対し最初から敵対心むき出しでした。犬が少しでも近づこうとすると、しっぽを倍以上に膨らめて、しゃー! と威嚇するのですわ。
よく海外の画像とか動画にもありますよね、わんことにゃんこと、仲良し~~、みたいな。あれに密かに憧れていたのですが、まあ、最初から絶対ムリムリ、って感じでした。
あれは性格とかもあるのかなあ。でも、我が家の場合はもう、問答無用、犬と猫とは分かり合えないのだよ、とつきつけられた感じでした(主に猫側の主張でしたが)。
まあね、犬の方も猫を見かけると吼えかかるし、どこまでも追いかけようとしていたのでそのまま近づけたら大変もないことになっていたでしょうが。
たまたま、犬のリードが偶然外れてしまったことがあって、それを知らない猫が近づいていってあわや! ということもありました。猫の逃げ足があまりにも速くて、どうにか血を見なくて済んだのですが。
なので、猫が玄関まで帰ってくる時には、昔は大騒ぎが起こっていました。
玄関先にはリードも届かず、犬は近くまでは来られるのですが猫にまでは届きません。
お互い若い頃には、猫が帰って来る→犬が吠えて近づく→猫はおびえて少し下がったあたりで待つ→犬が吠える、のパターンが多かったのですが。
そんなこんなですでにどちらも年を経て。
猫犬間の敵対心ですが、相変わらずのようです。ただ、近ごろでは、猫が近づいても犬は見向きもしなくなりました。たまーに、気が向いた時だけ犬は短く何度か吼えてみて、そんなテキトーな吠え声をまったく気にせず、猫が更に玄関に近づく、そんな関係にまで発展しました(発展というより、慣れ合い?)。
家の中でも、居間掃き出し窓の敷居近く、すぐ脇には犬小屋があって、犬も手が届くという場所には若い頃なら絶対近づかなかった猫ですが、つい先日、こんなことがありました。
昼下がり、猫が居間の出窓で気持ちよさそうに寝ておりました。
そこに、庭の犬が急に起き上がり、残っていたドッグフードをぽりぽりと食べ始めました。
音が網戸ごしに家の中まで響いています。
食べ終わった犬は、また犬小屋の影になった涼しい場所で手足を投げ出し昼寝の続き。
と、猫が急に目をさましました。音に気付いたのか、大きくのびをしてから窓から降りて、つられたように、自らの餌皿に行って残った餌をぽりぽり食べたのです。
餌の残りはわずかで、すぐに食べ終わった猫、次に何をしたかというと……
さりげなく居間の掃き出し窓の際まで歩いて行くでは。今まで犬の手が届く場所には自ら寄ったこともなかった猫が!
そして、そこからそっと、窓際に見える犬の餌皿を覗いてみたのです。
「コイツ、何食ってたんだ……」
みたいな。
犬は薄眼を開けてその様子をちら見していましたが、起き上がりも近寄りもせず、また眠りに入りました。
わんにゃん動画まで、あとわずかか……?
ちらっとでも思ってしまった私でした。いや、結果が怖くてとてもとても。
いやー、どうにも他愛ないお話ですみませんでした。お詫び(?)に、今まで一番かわゆく撮れた写真などでお茶を濁したいと。
拾って間もなくの猫
もらって間もなくの犬
だいぶたってから、にらみ合うわんにゃん




