遊びに行くぞ!
この時代はまだ完全週休二日制でなく第2土曜日だけでしたが
1992年以前は土曜日は全て学校も会社もあるのが当たり前でした。
この制度、私が社会人になってから導入され、現役世代を羨んだ記憶が...
「すば〜らし〜い〜朝が来た〜♪」
起きるなり私はご機嫌で歌い出した。今日は待ちに待った...
「第2土曜日だぁ〜♪」「だぁ〜♪」
妹の頭をナデナデしてから一緒に歯磨きしにお風呂場に向かう。
「いー「いー」」
妹の前歯を磨いた後
「あ〜「あ〜ん」」
今度は奥歯を綺麗に磨く。
「「くちゅくちゅ〜ぺっ!」」
「お口ゆすいだら次はお顔洗おうね♪」
「はぁ〜い♪」
お返事の後に予め水を汲んだ風呂桶を妹の眼の前に置き、食パンを焼き始める。
洗面台で歯磨きしつつ、妹の様子を伺いながら小さいタオルを差し出す。
妹が顔を拭いている間に急いで口をすすぎ顔を洗うと
「チーン!」
焼き上がりの音を聞きながら、顔を拭いたタオルと妹のタオルを回収する。
「耕にぃ起こしてきて」
言うなり妹は「にぃに〜!」軽く叫びながら跳ぶ!
「ドーン♪」「ぐぇっ!?」
お休みの恒例行事だ。
焼き上がったパンを皿に乗せ自分のパンをトースターにセットする。
「耕にぃ、起きたなら顔洗って〜」
「...おぅ」
私の声に小さく答えながら、のそのそ洗面台に向かう耕にぃを追い越し
「ん!」
抱っこを求めてくる妹を抱え上げ、嵩上げした椅子の上に座らせベルトで固定する。
「自分で塗り塗りする?」
妹は「フン!」頷きながら鼻息でお返事した。
冷蔵庫からバターと苺ジャムを取り出し
「どっちが良い?」
聞いたら苺ジャムを指差したので、適量取りパンに乗せる。
「はい、頑張れ〜」
バターナイフを握らせ耕にぃを見ると、船を漕ぎながら歯磨きしていた。
「耕にぃ?またえづくよぉ?」
傍に寄って囁くと
「ごっ!おぇ!?」「あぁ〜」
耕にぃの背中をさすりながら妹を見ると口裂け女に...
「チーン!」
私はティッシュ箱を取ってテーブルに置き、焼けたパンを取り出し耕にぃの分のパンをセットする。
バターナイフに付いた苺ジャムをティッシュで拭き取り、バターを塗る。
妹と見つめ合い、微笑みながらパンを食べていると
「ふぅ〜」
耕にぃがスッキリした感じで冷蔵庫を開け、牛乳を注いで妹の前に置く。
「ありがと」
口にパンが入ってるからだが、笑顔で答える様子が可愛い♪
「耕にぃコーヒー」
私がそう言うと牛乳と砂糖入りのコーヒーもどきが出てくる。
一口飲んで「美味しい」と言う私を見て耕にぃは含み笑う。
後で知ったが耕にぃも同じモノを飲んでいたので、私はずっとカフェオレをコーヒーだと思っていた。
「チーン!」「ピンポ〜ン♪」
パンの焼けた音と、呼鈴が鳴るのが重なった。
のんびりし過ぎたか?と思ったら30分ほど早く鹿島親子がやって来た。
この時はまだバター安かったなぁ
読んで頂きありがとうございます(╹▽╹)
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