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65話 新しいお洋服と二人のおそろいポイント

 二期生がデビューしてから約半年。

 一期生との対決というビッグイベントや、当初の予定を変更して長時間耐久配信となったシャテーニュ先輩とのコラボからわずか数日後のこと。

 あたしとミミちゃんが新衣装をお披露目することになった。

 先にあたしがお披露目して、続けてミミちゃんが同様の配信をすることになっている。


「みんな、こんユニ~! 異世界から引っ越して半年ぐらい経って、この世界にもすっかり慣れたということで――なんとっ、ママが新しいお洋服を仕立ててくれたの! さっそく着替えてくるから、ちょっと待っててね~」


 意気揚々と告げて、配信画面をいったん真っ暗にする。

 新衣装への変更を済ませたら、画面に普段の背景と立ち絵を映し出す。


「お待たせ! 暑い季節にピッタリのワンピース! かわいいでしょ~!」


 色は先ほどまでの豪奢なドレスと同じく純白で、肩口と裾にはドレスにあしらわれていた物に似たフリル。

 履物はシンプルなデザインのスニーカーだ。

 全体的なイメージを異世界風から現代風へと一新しつつも、新旧の衣装で共通する要素も残されている。


『かわいい!』

『かわいい』

『ドレスもよかったけどワンピースもすごくいい』

『涼しげでいいね』

『素肌が眩しいですね』


「いや~、我ながらかわいすぎるよねっ。まさに清楚の体現者というか、あたしの隠し切れないおしとやかさがさらに強調されちゃってるよ~」


『は?』

『え?』

『え?』

『清楚?』

『急にどうした』

『おしとやかさ?』

『夏の暑さにやられたのかな』

『かわいいのは認める』


 ついさっきまでチヤホヤしてくれたリスナーさんたちが、手のひらを返したかのように辛辣な反応を示す。

 確かにほんの少しばかり調子に乗ったと言えなくもないけど、対応の落差が半端ない。


「ひどいっ、今日ぐらい全肯定してくれてもいいじゃん!」


『いい子だから落ち着いて』

『私たちが悪かったよね』

『よしよし、いい子いい子』

『飴ちゃん食べる?』


「あれ? なんか思ってたのと違うベクトルの優しさが返ってきたんだけど」


 アイドルとかヒロインみたいな扱いを期待していたら、まるで幼い子どもをあやすようなコメントばかり送られてきた。


「まぁいいや。この後はミミちゃんのお披露目配信もあるから、みんなで見に行こうね!」


『はい!』

『うん』

『ミミちゃんの新衣装も楽しみ』

『見る~』


「って言っても、ミミちゃんの配信までまだ時間あるし、もうしばらくおしゃべりに付き合ってもらうよ~。せっかくだから、足元とかもしっかり見てもらおうかな」


 普段の配信では主に上半身しか画面に映らないので、足元を拡大して表示する。

 ママの初期案では新衣装の履物はサンダルだったんだけど、あたしからの要望でスニーカーに変わった。

 そして、いまさりげなくスニーカーを強調しているのは、いわゆる“匂わせ”の意味があったりする。

 ミミちゃんの新衣装を見たら、勘のいいリスナーさんたちなら説明しなくても察してくれるに違いない。


***


 ミミちゃんのお披露目配信が始まる五分前に配信を終了したあたしは、すぐさまミミちゃんのチャンネルへ飛んだ。


「お待たせしましたっ」


 パーティドレス風の初期衣装からお着替えしたミミちゃんが、配信画面に戻ってきた。

 白を基調としたオフショルダーブラウスと、黒のスキニーデニム。そして、見覚えのあるスニーカー。


「みなさん、ユニコちゃんのお披露目配信は見ましたか? 実はこのスニーカー、ユニコちゃんとおそろいなんですっ」


 ミミちゃんが心から嬉しそうに言ってくれて、あたしも自然と笑顔がほころぶ。


『おそろいてぇてぇ』

『ミミちゃんすごく嬉しそう』

『これユニコちゃんもニヤニヤしながら見てるんだろうなぁ』

『てぇてぇ……』

『おそろいとか最高かよ』

『ミミちゃ~ん! かわいいよミミちゃん! すっごくかわいい!』


 あたしも一人のリスナーとしてコメントを送り、みんなと一緒にミミちゃんのお披露目配信を最後までじっくりと堪能した。

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