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30話 オフコラボの裏話②

 エリナ先輩について、先ほど知った情報がある。

 本人いわく、配信している時の口調や性格は、Vtuberとしてのロールプレイというだけではなく、強気な性格に対する憧れの表れでもあるとのこと。

 そして、もう一つ。


「も、もう一枚いいですかっ? 今度は腰に手を回して、お互いに優しく抱き寄せる感じでお願いしますっ」


 フィクション・ノンフィクションを問わず、とにかく百合が大好物であるということ。

 晩ごはんを食べ終わってからというもの、あたしとミミちゃんが手をつないだり抱き合ったりしている写真をひたすら撮り続けている。


「こんな感じかな?」


「撮られてると思うと、少し照れちゃいますね」


「さ、最高です! ありがとうございます! 家宝にします! うぅっ、生きててよかった……!」


 要求通りのポーズを取るあたしとミミちゃんに、エリナ先輩が興奮気味にあらゆる角度からスマホのカメラを向ける。

 ミミちゃんの言う通り若干の気恥ずかしさはあるけど、慣れると楽しい。


「ここまで喜んでくれると、あたしたちも嬉しいよ~。あ、そうだ。せっかくだから、今日はみんなでお風呂に入ろうよ!」


「いいですね、賑やかで楽しそうですっ」


 あたしの提案に、ミミちゃんが二つ返事で賛同する。

 湯船に浸かれるのは二人同時が限度だろうけど、そこは適当に交代すれば問題ない。


「えっ……そ、そんな、いいんですか? さすがに裸の写真を撮るのは申し訳ないというか……浴室を私の鼻血で汚してしまうかもしれませんよ?」


 エリナ先輩がゴクリと唾をのみ、神妙な面持ちでそう告げた。


「違う違うっ、そういう意味じゃないって! 裸の写真はいくらなんでもNGだよ!」


 いくら信用に足る人物とはいえ、あたし以外の人にミミちゃんの裸を撮影させるわけにはいかない。


「す、すみません、つい早とちりしてしまいました」


「写真はダメだけど、一緒に入ってくれる?」


「はい、ご一緒させていただきますっ」


「ミミちゃん、エリナ先輩の裸に見惚れちゃダメだよ」


 エリナ先輩からミミちゃんへと視線を移し、目をジッと見つめてつぶやく。


「なに言ってるんですか。わたしはなにがあってもユニコちゃん一筋ですよ」


「ふふっ、知ってる~」


 真面目に返答するミミちゃんがかわいくて、そしてその内容が嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。


「と、尊い……っ。こんなに素敵な光景を目の当たりにできるなんて……私、ガールズパーティに入れて本当によかったです」


 あたしとミミちゃんのやり取りを見たエリナ先輩は、心底幸せそうな笑顔を浮かべた。

 先輩にここまで喜んでもらえるなんて、後輩冥利に尽きる。

 まぁ、配信とはまったく関係ないんだけども。


***


 数十分後、浴室にて。

 人が鼻血と嬉し涙を同時に流す瞬間を、あたしとミミちゃんは生まれて初めて目撃するのだった。

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