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244話 今日は一日いい天気らしい④

 お姫様抱っこを楽しんだ後、あたしたちは広場の方へ移動した。

 バドミントンの道具用のバッグからラケットとシャトルを取り出して、適当な距離を空けて構える。


「行くよ~っ」


 声をかけてからサーブのモーションに入り、打ち返しやすさを意識してサーブを打つ。

 お互いに相手の打ちやすい場所を意識しながら打っているとはいえ、ふとした拍子に変なところへ飛ばしてしまうのもよくあること。


「ミミちゃん、ご褒美を賭けて勝負しようよ!」


 動き回って全身がうっすらと汗ばみ始めた頃、あたしは勝負を申し出た。

 ご褒美ありの勝負と言えば、腕枕を賭けたゲーム対決が記憶に新しい。


「いいですよ。どんなご褒美にしますか?」


「あたしが勝ったら、帰ってシャワーを浴びる前に和室でイチャイチャしたいな~」


 そう告げながら打ち返したシャトルは緩やかな弧を描いて飛んでいき、そのまま打ち返されることなくミミちゃんの足元にポトリと落ちてしまった。

 打ち損じたわけではない。そもそも、ミミちゃんはラケットを構えることも忘れている。


「そ、そそっ、それって……」


 ミミちゃんがここまで激しく動揺しているということは、あたしの発言の意味をしっかりと理解してくれたということだ。

 単にシャワーを浴びる前にイチャイチャしたいと言っていたら、きっとここまでは動揺していなかった。

 そう、あたしとミミちゃんが家でエッチする時に使う場所は、自室ではなく和室。あと、たまにお風呂場。

 周りに人がいないとはいえ公共の場だから誰かに聞かれても問題ない言い回しをしたけど、あたしが言ったのは『帰ってすぐに汗だくエッチしたい』という意味に他ならない。


「うんっ、そういうこと!」


「わ、分かりましたっ」


「やった~っ。ミミちゃんのご褒美はどうする?」


「和室でイチャイチャする時に、愛してるって百回以上言ってほしいです」


「いいよ~。ミミちゃんがもういいって言うまで、心を込めて何回でも言ってあげる!」


 お互いのご褒美内容が決まり、あたしたちは改めてラケットを構える。


「行きますっ」


 ミミちゃんが気合を入れてサーブを打ち、あたしも同様に打ち返した。

 和気あいあいとした雰囲気に張り詰めた真剣な空気が混ざり、ほどよい緊張感の中でラリーを続ける。

 お互いがご褒美のために神経を研ぎ澄まし、シャトルを追って体を動かす。

 どっちが勝っても和室でイチャイチャするのは変わらないということにあたしたちが気付いたのは、勝負を始めて一時間ほど経った頃だった。

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