199話 夏の大型コラボ!⑫
あたしたちはかき氷を心ゆくまで堪能し、本日の締めとなるスイカ割りをするべくプールへと再度やって来た。
プールサイドにビニールシートを敷いて、その中央には立派な大玉スイカが鎮座している。
「すっごくおっきいスイカだよね~! あたしの目測が正しければ、あのサイズはミミちゃんに匹敵するよ!」
「さすがユニコ先輩、いつもミミ先輩の胸を揉んでるだけあるにゃあ」
「あははっ、照れちゃうな~」
「全然照れるところじゃないですよ」
ミミちゃんが呆れた声でつぶやく。
やはり、ジト目のミミちゃんも非常にかわいい。
「真紅の果肉を隠せし深緑の果実……いや、赤い血肉を覆い包む堅牢なる緑の……うーん、なんか違う……」
スノウちゃんは先ほどから悩まし気な表情を浮かべながら同じ場所をグルグル歩いている。
スイカをどう言い表すか悩んでいるようだ。
少し離れたところでは、エリナ先輩とシャテーニュ先輩も「さすがに食べ過ぎたかも」なんてことを話している。
あたしたちがスイカ割りをスタートせずにこうして休憩しているのは、ひとえにかき氷企画で食べ過ぎたのが原因だ。
当初の予定では、かき氷企画で余った材料は全部の企画を終えて配信が無事に終わった後の打ち上げ的な場で食べる予定だった。
それを企画内ですべて食べてしまったことに加え、ほうじ茶もおかわりしたことで胃の中がほとんど水分でいっぱいになっている。
という事情から、お腹の様子が少し落ち着くまで体を休めることになった。
「そろそろ時間だね、配信席に行って準備しよっか」
スイカ割りの開始を遅らせるのは仕方ないとして、その間ずっとリスナーさんたちを待たせてしまうのは申し訳ない。
移動中にみんなで話し合い、スイカ割りができる状態になるまでのつなぎとして雑談コーナーを設ようという結論に至った。
もともと決まっていた十分弱の休憩を取った後、あたしたちはバレー大会の時にも使った特設の配信席へと移動する。
機材チェックとマイクテストを終え、さっそく配信を開始。
「みんな、お待たせ~! 突発的に決まった雑談コーナーの時間だよ! お腹たぷたぷになっちゃったから、スイカ割りはもう少し待ってね!」
『はーい』
『雑談助かる』
『あれだけ食べたらお腹たぷたぷになるよね』
『何気に六人そろっての雑談ってかなり豪華』
「とりあえず、さっき食べたかき氷の感想を……あっ、その前に改めて自己紹介した方がいいかな? ここから配信を見始めたって人もいるかもしれないし!」
***
感想を数十分ほど語り合い、目に付いた質問に答える時間を一時間ほど取り、途中でトイレにも行き、コンディションが万全に近付いたことで、満を持してスイカ割りを始めることになった。
今度はレンタルではなく持参した水着に着替え、スイカの近くに集う。
長いようであっという間だった大型コラボ。その最後の企画が、いよいよ始まる。




