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196話 夏の大型コラボ!⑨

「というわけで、さっそく作っていくよ~!」


 それぞれが作るかき氷の内容を発表し、材料がそろっていることを確認した。

あとはもう、作って食べるだけだ。


「ここからは固定カメラの映像も入るよ! はいっ、どん!」


 あたしの言葉に合わせて、調理台に設置されたカメラの映像が配信画面に表示される。

 映っているのはちょうど真ん中で、範囲は全員の手元がギリギリ映り込むぐらい。


「そして、これがベースとなるかき氷! 説明してる間にスタッフさんが用意してくれました! スタッフさん、ありがと~!」


 スタッフさんから渡されたプラスチック製の白いトレーをカメラの前に置く。

 ガラス製の器には削られた氷がふんわりと盛られ、それが人数分用意されている。

 いまからあたしたちは、この素朴なかき氷を自分色に染めていくわけだ。


「それじゃあみんな、調理開始!」


 合図と共に全員がトレーへと手を伸ばし、器を手に取り自分の前に移動させる。


「飲む用より濃いめに作るけど、あんまり濃くなりすぎないように気を付けないとね~」


 グラスにカル●スの原液を注ぎ、シロップとして使えるぐらいの濃さになるよう水を足す。

 完全に目分量なので、かき氷にかける前に少し味見を……うん、ちょうどいい。

 いったん手を止めて周りを見回してみると、みんなも順調に工程を進めていた。

 というより、こうしている間にも続々と完成させている。

 スノウちゃんはイチゴジャムと二種類のシロップを使った色鮮やかなかき氷だ。

 ネココちゃんは氷を覆い隠すほどに桃を敷き詰めている。

 ミミちゃんは黒豆を散りばめて黒蜜シロップを回しかけ、仕上げに黒糖を振りかけた。

 シャテーニュ先輩は栗シロップをかけてから人数分の甘栗でかき氷を飾る。

 エリナ先輩は螺旋を描くように抹茶シロップをかけ、器の縁に沿って白玉を並べてあんこを盛り付ける。

 あたしもすぐさま再び手を動かし、シロップをかけてから白玉とマシュマロをそれぞれ六個ずつ並べていく。


「みんな完成したから、お披露目会するよ!」


 トッピングが崩れ落ちてしまわないように気を付けつつ、器をカメラの前に出す。

 カ●ピスを用いたシロップに、トッピングの白玉とマシュマロ。

 改めて見ると、驚くほどの白さを成立させている。

 トレーも真っ白だから、カメラ越しだと保護色みたいになってたりするかも。


「あたしのかき氷真っ白なんだけど、みんな見えてる? 器の縁のとこだけ宙に浮いてる感じになってたりしない?」


 一応リスナーさんに訊ねてみる。

 配信画面が映っているモニターに視線を向け、コメントを確認。


『想像以上に白くて驚いたけど見えてるよ』

『マシュマロと白玉の違いが分かるぐらいには見えてるから大丈夫』

『ユニコちゃんだけ先に全部食べちゃったのかと思った』

『さすがに見えてる』

『これが保護色か』


 中には冗談かどうか分からないコメントもあったものの、とりあえずちゃんと見えているようで安心した。


「本当は改めて説明してからほどよく焦らして実食コーナーに移る予定だったんだけど、我慢できないから即実食! 疲れた体に糖分を補給させてもらうよ~!」


「確かに、ここで焦らされるのはつらいですよね」


「お腹が鳴る前に食べるわよ!」


「冷静に考えると、空腹時に食べる物ではないよねー」


「あっ、シロップ忘れてた! 誰かシロップ分けてほしいにゃ!」


「ブルーハワイかレモンでよければ、好きなだけ使うといいよ」


 カメラの前に置いたかき氷を手元に戻し、スプーンを手に取る。


「それじゃあみんな、声を合わせて――」


 食べる前に、あの言葉を忘れてはいけない。

 視線を交わしてタイミングを合わせ、一斉に口を開く。


「いただきますっ!」


 六人の元気な声がきれいに重なった。

 スプーンで大きめの一口分をすくい、口元へ運ぶ。

 冷たさと甘さが体に染み渡り、あたしは感動のあまり感想を語るのも忘れて二口目を口にした。

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