表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/245

183話 歩数より多いかもしれない

 ある日の夜、配信を終えてリビングに顔を出すとミミちゃんがソファでくつろいでいた。

 光に引き寄せられる虫のように、あるいは磁力に導かれるように、あたしは自然とミミちゃんのところへ足を運ぶ。


「ミミちゃんっ」


 隣に座る直前でピタッと立ち止まって名前を呼び、少し身を屈めて顔をミミちゃんに近付ける。

 そして鼻息がかかる距離にまで接近すると、かわいらしいぷるんとした唇に自分の唇をそっと重ねた。


「んっ……ちゅっ……ちゅっ」


 あいさつ代わりの一回では済まず、二回三回とキスを続ける。

 回数を忘れて夢中になり、最後に舌を絡めた濃厚なキスをじっくりと堪能してからミミちゃんの隣に腰を下ろした。

 リビングはエアコンのおかげで快適な室温が保たれているけど、あたしの体はキスによる興奮で火照っている。

 それとなくミミちゃんの方へ体を寄せて腕と腕をピタッとくっつけてみると、予想通りミミちゃんもあたしと同じように体温が上がっていた。


「あたしたち、この夏だけで何回ぐらいキスしたのかな? たくさんしたよね~」


 一緒に暮らす前から、それこそ子どもの頃から頻繁にキスしていたけど、今年は特に多かった。

 やっぱり、同棲を始めたことが大きな要因と言える。

 日頃からそれなりに歩いていることを踏まえて考えても、あたしとミミちゃんがキスをした回数は歩数より多い。


「数え切れないぐらいしましたよね。これからも、もっともっとするつもりですけど」


 こちらを向いて照れながらそう言うミミちゃんがかわいくて、思わず体が動いて十数秒ぶりのキスを強行してしまった。


「これでまた一回増えたねっ。今日だけでも、もう――」


 言い終わる前の言葉が、ミミちゃんからのキスによって遮られる。

 しかも、キスする際に抱き寄せられてしまった。

 積極的な行動にドキドキしていると、密着したミミちゃんの胸からも同じように速くなった心臓の鼓動が伝わってくる。


「強引なミミちゃんもかわいいな~」


「わたしだって、たまにはユニコちゃんをリードしたいですから」


 勢いに乗っているのか、ミミちゃんがいつになく大胆だ。

 二人ともこの後は配信の予定がなく、時間が空いている。

 とはいえソファの上だし、そこまでエッチなことはしないと思う。


***


 あれから数時間が経ち、現在あたしとミミちゃんは仲よくお風呂に入っている。

 結論から言うと、あたしの予想は大きく外れた。

 ソファにはシミができたけど、まぁそれも思い出ということで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ