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174話 夏っぽい企画に向けて⑨

 先制点を入れて喜んだのも束の間、次のラリーが始まってすぐ、エリナ先輩による絶妙な位置へのスパイクで試合は振り出しへと戻った。

 ポイントを取って取られて、まだまだ結果が分からない状況なんだけど――


「ごめん、タイム! ふと思ったんだけど、10ポイントって多くない?」


 あたしは手を挙げつつタイムを要求し、率直な意見を口にした。

 バレーボールやビーチバレーと比べれば半分以下のポイント数に設定しているとはいえ、思った以上に消耗が激しい。

 いまのところは余裕があるけど、このまま接戦が続いて試合を終えれば、もしくは決着がつく前に体力が限界を迎えてしまう。


「アタシも同感。何試合もするわけだし、もう少し減らしてもいいんじゃないかしら」


「思い切って、3ポイント先取ぐらいでもいいかもねー」


 エリナ先輩とシャテーニュ先輩が改案を告げ、それを聞いた全員が迷わず賛成したことで正式にルールが変わった。

 そして試合を再開し、2ポイント目を先に取られたものの、この試合中最も長く続いたラリーを制して再び同点に持ち込む。

 互いに勝利まであと1ポイントという緊張感の中、あたしが渾身の力を込めて放ったスパイクは変な回転がかかり、三日月のような軌道を描いて明後日の方角へと飛んで行った。


「ものすごい変化だったけど、残念ながらボールは場外へと消えてしまったにゃ! ユニコ先輩、ドンマイにゃ」


 最後はまさかの自滅。

 あたしはミミちゃんのそばに赴き、水面ギリギリまで頭を下げた。


「ごめんミミちゃん、このお詫びは体で払うから! あたしのこと好きにしていいから許して!」


 頭を上げると同時に水着の肩紐をずらし、おっぱいを露出させつつ謝罪する。


「許すもなにも、いまのは仕方ないですよっ。頑張った結果ですし、ユニコちゃんはなにも悪くないですっ」


「ほんとに? 怒ってない?」


「もちろんです」


「あたしの体、好きにしなくていいの?」


「そ、それについては、お言葉に甘えさせてもらいます」


「ミミちゃん……っ」


 恥じらいつつも、視線はしっかり合わせてくれるミミちゃん。

 あたしはキスをしようと、背伸びをして顔を近付け――


「そこのバカップル、その先は帰るまで我慢してほしいにゃ!」


「いまは配信中のつもりだってこと、忘れているようだね」


 試合中は見事に審判と実況を兼任してくれていたネココちゃんとスノウちゃんから、至極まっとうな注意が飛んできた。

 さらに、エリナ先輩がわざとらしく肩をすくめる。


「こうなる可能性があることを考慮すると、本番ではユニコとミミを組ませない方がいいかもしれないわね」


「えっ!? そ、そんなことになったら、試合中に偶然を装ってボディタッチを連発する計画が水の泡になっちゃうよ!」


「そんな計画を立ててたんですか……」


「ユニコ先輩、焦りまくって墓穴を掘ってるにゃ」


 秘密の計画が露呈し、ミミちゃんとネココちゃんが呆れた視線をこちらに向ける。

 次の試合に移る前に、とりあえずあたしはみんなに弁明する必要がありそうだ。

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