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169話 夏っぽい企画に向けて④

 エリナ先輩とスノウちゃんが更衣室に行ってから数分後、二人は再びあたしたちの前に姿を現した。

 二人とも水着の露出度はそれほど高くないものの、先ほどまでの私服姿と比べれば肌面積が大幅に増えている。


「わ~っ、二人ともかわいい!」


「モデルさんみたいですっ」


「褒めてもなにも出ないわよ」


「あれ? スノウちゃん、ケガしてるの?」


 先輩と後輩の水着姿をまじまじと観察していると、スノウちゃんが右の太ももに包帯を巻いていることに気付いた。


「たまに疼きはするけど、ケガじゃないよ。ただし、戯れでも外そうとはしない方がいい。ここに封じられているのは魔界から呼び出した古の――」


 とりあえず大丈夫っぽい。


「それにしても、二人ともちゃんと自分の水着を持ってきたんだね~。すっごくかわいいけど、エンタメ的にはちょっと惜しかったかな」


「どういう意味よ」


「百聞は一見に如かずってことで、更衣室にある貸し出し用水着を見に行こう!」


 こうして、嬉々として先陣を切るあたし、苦笑するミミちゃん、頭に疑問符を浮かべたエリナ先輩とスノウちゃんの四人は更衣室へと向かった。

 もったいぶらずに件の水着が並ぶ場所へ案内すると、初見の二人は愕然とした表情を浮かべて瞬きを繰り返す。

 二人には悪いけど、いい反応を見せてくれてありがとうと言いたい。


「す、スク水はまだいいとして、こっちはもうただの紐じゃない!?」


「着てみる?」


「着ないわよ! 貸し出し用の水着があるとは聞いてたけど、まさかこんな……はぁ、自分のを持ってきて本当によかったわ」


 エリナ先輩はホッと胸を撫で下ろし、手にした紐を元の場所に戻した。

 一方、スノウちゃんは顔を赤くしつつも興味深そうに紐をジーッと凝視している。


「スノウちゃん、よかったら着てみませんか?」


 ミミちゃんが純粋な善意で訊ねた。

 他の場所では難しくても、ここであれば知らない人に見られる心配はない。

 少しでも着たいという意思があるのなら、絶好の機会と言える。


「こ、ここここんなに布面積が少ない水着なんて着れないですよ大事なところが全然隠せそうにないですし上も下もほとんど丸見えというかむしろ裸より恥ずかしい気持ちになってしまいそうですし先輩たちしか見てないとしても絶対に無理です!」


 初配信で遅刻した時のことを彷彿とさせる饒舌ぶりだった。

 スノウちゃんは慌てて紐を戻した後、コホンと咳払いをして再び口を開く。


「この水着では、ボクの体に宿る力を抑えきることはできない。力が暴走すれば辺り一帯が消し飛びかねない以上、ボクがこれを着ることは決してないよ」


「そっか~、残念」


「そういうユニコは着ないの?」


「あたしは前に来た時、ミミちゃんと一緒に着たよ~」


 さすがに恥ずかしかったけど、あれも楽しい思い出だ。


「ユニコ先輩はともかく、ミミ先輩も……?」


「その胸でこの紐を!?」


 二人の視線が、いまにもビキニからこぼれそうなミミちゃんのおっぱいへと向く。


「は、はい、すぐに着替えましたけど」


「ちょっと二人とも! ミミちゃんのことをエッチな目で見ていいのはあたしだけだよ! あと、ミミちゃんにエッチなことをしていいのもあたしだけだからね! それに、エッ――」


 あたしはミミちゃんを庇うように立ち、更衣室に響き渡る声で堂々と宣言する。

 勢い余ってとんでもない情報を言いそうになったものの、ミミちゃんが慌ててあたしの口を手で塞いだことにより間一髪のところで防がれた。

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