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162話 余韻に浸りながら

 明け方、あたしとミミちゃんは湯船の中で向かい合っていた。

 窓からは眩いばかりの陽光が射し、湯気の白さを際立たせる。


「お風呂って、朝に入ると特別な気持ちよさがありますよね」


 手ですくったお湯を肩にかけながら、ミミちゃんがつぶやく。

 あたしは繰り返しうなずきながら同意の声を上げ、言葉を続けた。


「気持ちよさと言えば、昨日――というより今朝って言った方が正しいのかな? 体を洗ってこうしてお風呂にも入ってるのに、まだ余韻が残ってるよ~」


「そ、そうですね、わたしもです」


 ミミちゃんの頬が見る見るうちに赤くなる。

 昨夜から今朝にかけての濃密な時間を思い出すと、あたしも否応なく体が火照ってしまう。

 お湯の温度はそれほど高くないのに、普段の入浴よりも体温が上がっているような気さえする。


「今日は一日ずっと快晴らしいから、寝る前にシーツを洗って干しておかないとね。それと、お布団も」


「うぅ……ご、ごめんなさい」


「な、なんで謝るのっ?」


「だって、わたしが、その……」


 ミミちゃんが言い淀む様子から、謝られた理由にだいたいの察しが付いた。

 あえて詳細には触れないけど、ミミちゃんが謝罪する必要が皆無であることは断言できる。


「いやいや、あたしだって同じようなものだし、むしろ嬉しかったよ~。あそこまですごいのは、久しぶりだったかもね」


 いろいろあって、あたしとミミちゃんは浴室に来た時、汗とかその他諸々でびしょびしょの状態だった。

 体にまとわりついていた液体はきれいに洗い流したものの、快感の余韻は鮮明に残っている。

 目を閉じれば、映像としても脳内に蘇る。

 全身に残る感覚と思い浮かべた光景は、一度落ち着きを取り戻したはずの情欲を容易く再燃させた。


「ミミちゃん、ちょっと体ごと後ろ向いてくれる?」


 そうお願いすると、ミミちゃんはちょっと不思議そうにしながらも言う通りにしてくれた。

 あたしはミミちゃんを後ろから抱きしめ、うなじの辺りに頬を寄せる。

 シャンプーの香りが鼻腔をくすぐり、肌の温もりが胸を高鳴らせた。

 右手はお腹に当てたまま、左手の位置を少し下にずらす。

 普段は決して人目に晒されることのない大切な場所を、慈しむように撫でる。


「ゆ、ユニコちゃ……んっ」


「我慢しようかとも思ったんだけど……ごめんね、少しだけ……いい?」


 この後、あたしたちは体勢を入れ替えたりしながら、のぼせない程度に湯船の中での触れ合いを楽しんだ。

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