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161話 ミミちゃんと一緒に再挑戦!

 今日は昨日のリベンジということで、再びパズルゲームのチャレンジコースに挑戦することになった。


「こんユニ~! 今日はミミちゃんも一緒だから、昨日の二倍はクリアできるはず! ということでミミちゃん、意気込みをどうぞ!」


「が、頑張りますっ」


 そう、昨日とは違って、今日は隣にミミちゃんがいる。

 しかもお風呂上り。

 重要だからもう一度。

 お風呂上がりのミミちゃんが、隣にいる。


「ところで、これは自慢話なんだけど、実はさっきまでミミちゃんと一緒にお風呂入ってたんだよ~」


 あたしが嬉々として話すと、コメント欄の勢いが一気に加速した。


『羨ましい』

『そこ代わって』

『てぇてぇ』

『仲よしエピソード助かる』

『いい匂いしそう』

『聞いてて笑顔になれる自慢話』

『詳しくお願いします』


「だから途中で呼吸が荒くなったり、やけに長く息を吸ってたりすると思うけど、あんまり気にしないでね」


「気になると思いますよ」


「大丈夫! ちゃんと七割ぐらいはパズルに集中するから!」


『七割w』

『部屋の空気吸い尽くさないように気を付けてね』

『前回の記録は大幅に超えてくれると信じてます』


「場も盛り上がってきたところで、そろそろゲームを始めるよ~!」


 言うが早いか、ゲームの画面を表示する。

 徐々に難易度が上がっていくパズルゲームを、一時間でどこまでクリアできるか。

 出題される問題は毎回ランダムで生成されているらしいので、昨日と同じ問題が出る可能性は限りなくゼロに近い。


「ミミちゃん、合図をよろしくっ」


「す、スタートしますっ」


 コールと同時に、画面内のスタートボタンをクリック。

 内容は違えど、ステージ1の難易度は言うに及ばず。


「ミミちゃん、あたしのかっこいいところ見ててね」


「はいっ、しっかり目に焼き付けます」


『数分後には泣きつくんだろうなぁ』

『ミミちゃんが素直すぎる』

『一緒に遊ぶ姉妹を見ているような気分』

『微笑ましいやり取り』


「ステージ9まではけっこうサクサクいけるんだよ~」


 ともすればフラグになりがちな発言ではあるものの、無事にステージ9をクリアしてホッと胸を撫で下ろす。

 昨日と比べてステージ8がやや難しく、ステージ9は少し簡単だったように感じた。

 苦戦を強いられたステージ10だって、もしかしたら今日はあたしと相性のいいパズルが――


「うぐぅ」


 ステージ10へと画面が切り替わった直後、気付けば無意識のうちにマウスから手を離してガックリとうなだれていた。


「み、ミミちゃ~ん」


 そして流れるように隣を向き、ミミちゃんに抱き着く。

 いい匂いがふわっと舞い、肌の温もりがパジャマ越しに伝わってくる。


「わたしの出番ですね、任せてください」


 かっこいいところを見せるどころか情けない姿を晒してしまったのに、ミミちゃんはあたしを優しく抱きしめ、頼もしい言葉をかけてくれた。


「かっこいい!」


『頼りになるね』

『素敵な同期だ』

『これは惚れる』

『お姉さまって呼びたい』


 あたしだけじゃなく、リスナーさんたちもミミちゃんの頼もしさに魅せられている。

 ミミちゃんはマウスに手を伸ばし、真剣な眼差しで画面を見つめた。


「……ご」


 ご?

 もしかして、「五分あれば充分ですね」なんて強キャラ感あふれるセリフを言うつもりなのでは。


「ごめんなさい、操作方法を教えてほしいです」


 ミミちゃんは申し訳なさそうに、恥じらいの混じった声でそう言った。

 ここまであたししか操作してなかったから、分からなくても無理はない。


「えっとね、まずピースを掴むのが――」


 操作自体は極めてシンプルだから、説明もすぐに済んだ。


『かわいい』

『かわいい』

『妹にしたい』

『和むなぁ』


 このわずかな間に、送られてくるコメントの内容が大きく変わっていた。


「ミミちゃん、このピースここっぽくない?」


「あっ、確かに。ユニコちゃんナイスです」


 ミミちゃんが着実に進めているのを見ながら、並行してあたしも頭を働かせる。

 前回と比べて明らかに順調であり、コメントでもみんなが褒めてくれている。


『オフだから意思共有しやすくていいね』

『昨日よりいいペースですね』

『ミミちゃん何気にパズル得意?』

『ユニコちゃん今日は冴えてる』


「この調子ならステージ20ぐらいまでは行けるかも! それと、あたしの頭はいつも冴えてるよ!」


 直後にコメント欄が『え?』とか『は?』といった類のもので埋まったものの、残りの時間であたしは自分の発言が正しかったことを見事に証明してみせた。


「やった~っ、ミミちゃんのおかげだよ! 配信が終わったら、気持ちいいことしてあげるからね!」


「気持ちいいこと!?」


 終了前の雑談パートで唐突に告げられた過激ワードに、ミミちゃんがビクッと体を震わせる。

 あたしの目論見通り、リスナーさんたちも一様に驚いている様子だ。


「うんっ、肩とか背中とかマッサージしてあげる! あははっ、リスナーさんたちはエッチなことだと思ったでしょ~? 計画通り! それじゃあみんな、おつユニ~!」


 言いたいことだけ言って、あたしは配信を終了した。

 本当にマッサージをしたのか、他にはなにもしなかったのか。

 その答えは、あたしとミミちゃんだけが知っている。

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