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118話 お絵描きしてみる①

 ことイラストにおいて、あたしは形から入るタイプだったらしい。

 というのも、マウスやスマホでチャレンジするより先に、液晶タブレット――いわゆる液タブに手を出したからだ。

 性能と価格どちらの点においても初心者におすすめと評判の機種を購入したのが、全体コラボをした日の少し前ぐらい。

 今日のお昼過ぎに品物が届いて、夜の配信を始める前に必要な設定と一応の動作確認を済ませておいた。

 液タブを購入したことについては待ち切れずに配信で話してしまっているので、サプライズ性はない。


「みんな、こんユニ~! いまからおしゃべりしながらお絵描きするよ! 説明は以上! お絵描きしたくて右手が疼いてるから、さっそく始めるね!」


 右手が疼くと言った瞬間、先ほど視聴していたスノウちゃんの『かっこいいセリフをひたすら言う』というコンセプトの配信が頭に浮かんだ。

 途中からゲリラでゲストとして参加したネココちゃんがいい意味で場を乱し、危うく自分の配信を忘れそうになるぐらい楽しませてもらった。


「まだなにも描いてないけど、液タブが目の前にあるだけでテンション上がっちゃうな~」


 オープニングトークを手短に終え、待機させておいたイラストソフトの画面を配信に映す。

 参考資料をいつでも見れるように、百均で買ったスマホスタンドを視界の届く場所に置く。

スマホで事務所の公式サイト内にある所属タレント一覧ページを開き、ミミちゃんの顔をアップにすれば準備は完了だ。


「いきなりプロ級の腕前を見せちゃうかもしれないけど、その時はコメントで神絵師って褒め称えてね!」


『はーい』

『その時が来ればいいけどね』

『楽しみ』

『プロに怒られるぞ』


「調子に乗るのはこのぐらいにして、まずはミミちゃんを描いていくよ~」


『いいね~』

『やっぱミミちゃんだよね』

『完成したらメンバー用のスタンプに追加してほしい』


「全裸はさすがにマズいから、とりあえず顔だけ描こうかな」


 タレント紹介ページのミミちゃんは真顔だけど、せっかくだし笑顔の方がいいよね。

 液タブとスマホに視線を往復させながら、少しずつ、下手なりに一所懸命ペンを走らせる。


『そもそも全裸を選択肢に入れないでもろて』

『初心者にしては線がきれいな気がする』

『色塗りもするならレイヤー重ねた方がいいかも』


「レイヤーってなんだっけ?」


 時に有識者さんから情報を貰いつつ、一時間以上かけてどうにか笑顔のミミちゃんを完成させることができた。

 キリがいいと言えるタイミングではあったものの、絵を描きたい欲がまだ残っている。

 もともと少し長めに配信するつもりだったこともあり、あたしは置いたばかりのペンを再び手に取った。

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