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114話 気持ちいいこと④

「いいお湯でしたね」


 火照った顔を手で扇ぎながら、ミミちゃんがしみじみとつぶやいた。

 その魅力的な横顔に見惚れつつ、あたしは共感の意を示す。


「うんうんっ、最高の気分だよ~」


 思う存分お風呂を堪能してご満悦なあたしたちは、脱衣所を後にして一目散に自販機コーナーへと足を運んだ。

 目的は缶やペットボトルの飲み物ではなく、瓶に入った牛乳。


「銭湯に来たら、これを飲まないと帰れないよね」


「ふふっ、確かにそうですね」


 コーヒー牛乳やフルーツ牛乳と迷うこともあるけれど、今日はプレーンな牛乳に決めた。


「あっ、ミミちゃんはコーヒー牛乳にしたんだ」


「はい、久しぶりに飲みたいなって思って。よかったら少し飲みますか?」


「いいのっ?」


「その代わり、ユニコちゃんの牛乳も少し飲ませてくださいね」


「うんっ、もちろん!」


 自分の選択に後悔はない。

 とはいえ、若干心を動かされたのも事実だ。

 あたしの心を読んだのか、はたまた分かりやすく表情に出てしまっていたのか。ミミちゃんは嬉しい提案を口にしてくれた。

 キャップを外し、いったん瓶を交換する。


「ん~、甘くておいしい。ほんのり香るコーヒーの風味もいい感じっ」


 お互いに最初の一口を貰い受け、再び瓶を交換。


「ミミちゃん……これ、間接キスになっちゃうね~」


「か、間接キスぐらい、いつもしてるじゃないですか」


 むしろ直接のキスも毎日してるし、この後帰ってからもする予定だ。

 とはいえ、ミミちゃんは明らかに意識した様子で飲み口に唇を近付ける。

 相手と同じ場所に口を付けて飲む必要は、当然ながらない。

 けれど、あたしとミミちゃんはお互いに相手とまったく同じ場所に口を付けて瓶を傾けた。

 冷たい牛乳が体の火照りを和らげてくれたにもかかわらず、顔はむしろ熱を帯びる。


「帰ったら、たくさんしようね」


 瓶を回収ケースに置き、ミミちゃんの手をそっと握りながらつぶやく。

 ミミちゃんはあたしの手をギュッと握り返し、コクリとうなずいた。


***


 汗をかかないようバスを使って帰宅した後は、約束通り何度も何度もキスをして、あたしのベッドで一緒にお昼寝を楽しむ。

 夜の配信ではミミちゃんと銭湯に行ったことを嬉々として語らせてもらい、お風呂上りになにを飲むかという話でリスナーさんたちと盛り上がった。

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