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インスタ!〜スタミナ極振り没落令嬢、今日もVR世界にダイブ・イン!〜  作者: 地雷源
第四章 ドカバキ! 生きてる罪【パラサイト・シン】!
77/87

人をダメにする系男子



寝坊したーーーーーー!!

ごめんなさいごめんなさい!!

 

「リーズさん、そっちはどうですか?」


「カンペキに焼けてるわね……」


 エリンちゃん曰くバンブルビーは弱るとほかの仲間を呼ぶというので、ちゃんと死んでるかどうか確認していたんだけれど……あおむけになって完全にこと切れてる。

 軽く杖でつついてもピクりともしないのを確認したら、ほどなくしてポリゴンに還ってしまった。


 ……つまりあの炎をまとった足で文字通り蹴散らしたことにほかならないわけで。

【爆砕】ロック、なんかまともでイマイチ影が薄く感じるけど……やっぱりトップの看板に偽りなしって感じだ。


「すげー……! 今のが【僧兵】のワザなのか!? そのくれないなんたらってやつ!」


「【紅演武】か? あれは別に【僧兵】だからってわけじゃないんだが……まあそんなところかな」


「へえ! じゃあさじゃあさ、おれもソレになったらできんのか!? やり方とかあんのか? それにそれに――!」


 後ろを向けば大興奮なシオンがロックの周りを駆けながら質問攻めにしてる。

 ってまてまてまてあんた【過労】から復帰したばっかりでしょうが!


「こーら、そんな激しく動き回ったらHP減るでしょばかシオン!」


「そうですよ、質問攻めにするからロックさん困ってるじゃないですか!」


「なんだってんだよ、急に割り込んで……わかったよ悪かったよ! んな睨むなよ……」


 おぼろちゃんも加わっての圧力に屈し、ようやっと引き下がったシオンは軽くため息をついてロックから離れた。

 だいたい、アルに聞いてみたら戦闘で張り切りすぎて倒れたって言ってたぞ! そのうえでロックに助けられたんだから、少しはマナー意識もって遠慮しなさいよ!


「そんでこの後はどうするんだロック? シオンのこともあるし……この辺で【中継テント】張って休むか?」


「私もちょっとスタミナが危ないので休みたいです……それに薬の調合もしておきたいですので」


 萌え袖をつけなおしたエリンちゃんがアルの提案に手をあげた。

 確かに歩いて戦って、こんな山の道なき道。

 私は全然余裕だけど、思った以上にみんなスタミナが減ってる……だったらちょっともったいないけど、ゲーム中断用のアイテムを使って少し時間を空けるのもありだと思う。


「私もアルに賛成!」


 それに薬士の調合……私も気になる。

 確か【フラスコ】さえあればどこでもできる手軽さと引き換えに、調合1回に使う素材の量がかなり多いって欠点があるのよね……。


 費用かさむじゃんって、雑誌で初めて見た時に言った覚えがあるのだけれど、実はコレに頼らないとできないものが火薬、毒薬、秘薬といくつもある。


 単なる回復薬や毒水くらいなら錬金術で作れるのだけれど、どうやらこういうのは【薬士】の職を新しく取得するなり、知り合いに協力してもらって素材を譲ってもらわなければできないようなのだ!


 だからこそ、私にとってこの案は渡りに船。

 エリンちゃんにフラスコを使った調合のことを聞き出すか、もしくは交渉していくつか薬を融通してもらえるようにしたかったのだけれど……


「いや、ここにとどまってバンブルビーの群れに見つかっても手間だ……隠しエリアにスタミナ回復の手段があるからそこで休もう。ついでにそのエリアのことも話しておきたいしな」


 くう、お預けかっ……!

 そうよね、ここ森だもんね……すぐ食べられる木の実なんて探せばふつうはあるものね。


「まってください、隠しエリアまでの距離はあといかほどなんですか? シオンのこともありますし用心に越したことはないのでは?」


「そっちは心配しなくていい、俺が運ぶ」


「ぶっ……!?」


 おぼろちゃんの言葉を受け、ロックは小さく体を丸めてシオンに背を出した!


「ほら、おぶされ」


 いやあ、お年頃の子にそれはかなりイヤでしょう……

 特にシオンは足を動かすってことに並々ならぬ執着があるんだからなおさらだ。


「へっ――ヘーキだぜヘーキ! ほら、こんなにピンピンだぜ!」


 ほら見ろ。

 ぴょんぴょん跳ねたり、バク転しながら大丈夫なことをアピールしだした!

 だからハデに動くのやめろってばー!


「まだ何が起こるかかわからないんですよ! モンスターも来るかもしれないんですから、お言葉に甘えておとなしくおんぶされてください!」


「ぜってーやだ! だいたい【過労】明けたんだからもういいじゃねえかよ、HPもまだ全然余裕だしこのまま一気にいっちまおうぜ!」


「このわからずや!」


「笑いものになるよかマシだ!」


「こ、こら2人とも!」


 うーん、この子ら場所をお構いなしに舌戦をはじめちゃうんだもんなあ……。

 バトルとかだと集中してるせいもあってか、文句の1つも言わないで連携すらするのに。


「どうしたんでしょうか……おんぶくらいされたらいいのに……」


「いやあ、こればかりはどうともいえねえ……」


 アルやエリンちゃんが不憫そうに見るけど、どちらかというとおんぶしようとかがんだままのロックが1番不憫よ!

 丸まったままずーっと……下手すれば哀愁のある音楽さえ聞こえてきそうな雰囲気してるもの。

 ……あ、立った。


「よーしわかった、お前たちのことはよくわかった!」


「ロックさん……?」


 あ、やべ……これ怒ったか?

 さすがに怒るわよね、善意踏みにじられたらそりゃあ……。


「シオン……ちょっとロックに謝んなさい!」


「さすがにおんぶはどうかと思うぜロック!」


「うぎゃああああ、何してんのーーーー!!」


 本人目の前にして苦言を呈してるんじゃないわよこのクソガキーーー!

 あああそうこうしてるうちにロックはゆらりと私たちの目の前へ!

 やばい、これはマジでどうなるか……!?


「それじゃあこうするか? 【紅演武】の取り方を教えてやるからその間お前はおとなしくおんぶされる……これでどうだシオン」


「……いいのか!? いーーやったーーー!」


 ……は?

 いや、いいのかじゃないでしょシオン。

 目の前まで来たロックが口にしたのは、自らのスキル情報の開示。


 いやいやいやいやまてまて。それはちょっとおいしすぎるでしょ、聖人でもなかなかしないわよその甘やかし方は。

 さてはこいつ甘やかしすぎて人をダメにするか、ダメな奴を集めるタイプのイケメンか?

 これは、ちょっと引っかかりそうなエリンちゃんに後で忠告したほうがいいかもしれないわね……!


「ちょ、ちょっとロックさん! いいんですか!?」


 ほら、おぼろちゃんもさすがに損得ガバガバすぎて聞きに来たわよ。


「ホントよ、あいつが明らかに悪いんだからこのままでもいいのに!」


「隠すほどじゃないからいいよ。あいつ【盗賊】の速さ特化ビルドなんだろう? それに初心者だし、多分……」


 シオンに聞かれないようにロックはそう、私たちに耳打ちした。


「よぉーーしっ! そうと決まれば早くいこうぜーー!」




 そうしてロックに背負われたシオンは。

 隠しエリアへ続く最後の道を進む数分間、みっちりと説明され……。


「うがぁーーー! なげええええええ!!!」


 爆発した。


「り、リーズさん!?」


「ふお、湯気が立ってるです……! 知恵熱……! 知恵熱です……!」


「イヤ、そうじゃねえだろ……」


 ついでに何かに使えるかなーと思って【風読み】で聞き耳を立てていた私もオーバーヒートした。

 いやあだって、長すぎ……。


【〇〇演舞・○の構え】の取得方法


前提として【カテゴリ:格闘系】の職であること、力、器用さ、レベルの値が一定以上、【お人よし】など、NPCにプラスに捉えられるスタイルであることがあげられる。


全ての条件を満たすと対応したダンジョンに罠にかかった動物MOBが出現する。


それをはずして見逃してやると、後日宿泊した宿か拠点にその動物が現れて特殊マップ【あらざるものたちの里】に招待され、クエスト【〇〇の恩返し】が発行される。(〇〇の中は助けた動物の名前。)


クエストの内容としては接待のみで消費系レアアイテムがもらえる程度だが、3回以上これを繰り返すとNPC【動物たちの長】の元へ案内され、長期滞在を提案されるようになる。


これを引き受けるとフォークロアクエスト【あらざるものたちの拳術修行】が発行され、進めると属性に応じた【演舞と構え】のスキルが手に入る……。



(めっちゃ回りくどい説明をしたため、この辺でリーズが容量の限界を迎えた)



これがおぼろと別れた直後ロックが失踪していた理由です。

助けた鶴に招待され、修行していました。



1/25追記

次回更新は1/26になります

申し訳ありません。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(◍•ᴗ•◍) [一言] 説明長いしそもそも習得出来ないから説明しても大丈夫、なんて言ってたらいずれ足元を……すくわれそうになっても楽しみそうだな、善人っぽいしトップ勢とは…
[一言] 更新お疲れ様です! いえいえ!作者様の体調の方が大事なので無理をせずに! ちょっとくらい遅れても大丈夫ですよ! シオン、、、、w やっぱり、おぼろちゃんも大人びてるとはいえまだ子供、、、、あ…
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