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インスタ!〜スタミナ極振り没落令嬢、今日もVR世界にダイブ・イン!〜  作者: 地雷源
第三章 ビュンビュン! 神風盗賊ブレーメン!?
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【第二の変・婆娑羅】

~前回のあらすじ~


優勢に事を運ぶ3人だったが、クレインは新たなスキルを発動する……!

 

 空を切り裂きながら私に投げつけられた剣がクマ鬼の下へ戻り……背中から生えた新しい手に握られた。

 赤い葉っぱの文様がついた朱色の剣と、流れる水のような文様の青い剣。それだけならまだ和風モチーフなのかなちょっと雅だなって感情の1つも沸くんだけど、それが後から新しく生えてきたバケモノ的な真っ白さの手に握られてるのだから台無しだ!


 深く息を吐き4枚の刃を構えるその姿からにじみでる威圧感は半端じゃない。

 なるほど【第二の変・婆娑羅(バサラ)】。

 様々な色の剣を掲げるそのおどろおどろしさはまさしく異形の鬼!


「【初夢】!」


 おぼろちゃんはクマ鬼の真横から距離を再度詰めて剣をふるうけど、すぐさま構えていたウロコ模様の剣に受け止められてしまう。


「【無影け──!?」


「そう何度も同じ手は通じんさ!」


 次いで来る右腕の攻撃をかわそうと離れ、またさっきみたいにもぐりこもうとしたけど、そこへ上二本の腕から来る振り下ろしが襲い掛かった!


「おぼろちゃん離れて!」


「人より自分の心配をしたらどうだ!? 【エイルスライサー】!」


「え……うひゃあっ!?」


 声を挙げた私の方にも、余っていた右腕から剣が放たれた!

 旋回するように飛んできた紫の剣を後ろに飛んでぎりぎりかわす……。

 ダメだ……腕が増えたせいでおぼろちゃんとの斬り合いでも手持無沙汰になる剣が出てきた! 空いた腕でこっちに攻撃し続けられるんじゃ、鎖で手出しできない!


「……なら!」


 壮絶なカウンターを予見したおぼろちゃんはブレーキしてから飛びのいて間合いを放棄!

 そして対岸の壁に足をつけて、


「【初夢】!」


「それも同じさ!」


 反動をつけてそのまま加速、仕切り直しとばかりに突っ込む!

 でもどんなに勢いをつけても、真っすぐに飛ぶんじゃさっきと変わらない!

 弾丸めいた速さの攻撃は先んじて剣を構えてたクマ鬼にはじかれてしまう……けど!


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 スキル【残心】発動!


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 カチあげられたおぼろちゃんは【残心】の効果でまた攻撃の態勢に入った!

 今度は通路の天井に足をつけて……!


「【初夢】!」


「ふん!」


 真上から飛び掛かって刀を振りぬき、軽くひねって着地!


「【ヒートスラスト】!」


 そこを狙ってきたクマ鬼の剣から弾けるように逃れ、近くの壁を蹴り上げて攻撃態勢を取り直し、またクマ鬼に飛び掛かった!


「やああああああああああっ!」


「ちい……!」


 そうしておぼろちゃんはピンボールのように通路を飛び交い、様々な角度からクマ鬼に向けて剣をふるう!

 ここまでくればおぼろちゃんが何をしたいのか私にもわかる!

【残心】からの【初夢】を繰り返して多方面から攻撃を加え、クマ鬼をその場に縫い付けるヒット&アウェイ!

 手数が増えた現状、そうでもしないと空いた手の剣をまた投げつけてくるかもしれないから、こうやって動き回りながら牽制しているんだ!


 だけど、私ですらわかるんだから当然クマ鬼にも筒抜けなはずで……。

 それでもなおこうやって付き合ってるってことは……!


「おぼろちゃん! 今すぐ戻って!」


「ダメです、ここで無理にでも押し止めないと今度はあなたの方に攻撃が!」


「いや、もう終わりだよお前は」


「──え……?」


 驚きのあまりおぼろちゃんは小さく声を出してしまった。

 天井から飛び込む一太刀。それを受けるでもなく、かわされた。

 ついさっきまでどう飛んでくるか予見できても、受け止めることしかできなかったはずの攻撃をだ。

 理解できず戸惑うおぼろちゃんの前にクマ鬼が立つ。


「対応した型に構え直すことでスキルのクールタイムを無くす【残心】と遠くの間合いから斬りつける【一刀・初夢】のコンボ……懐かしいな、βテストの頃から使う奴が多くてみんな苦労したもんだ、あの時はゲームの仕様なんかなんもわからないまま誰も彼もワクワクしてたからな……!」


「くっ──!?」


「おぼろちゃん!?」


 悠長にしゃべり始めたクマ鬼をよそにすぐ離れようとしたおぼろちゃんだけど、足が思うように動かないでその場で転んでしまった……まさか。


「スタミナが尽きるまで攻撃を捌ききれれば、こうやって自滅するなんて誰も知らなかったもんな……!」


「【過労】……!?」


 マズい、スキルの使い過ぎでスタミナが尽きたんだ!

 床に倒れ伏して軽くせき込むおぼろちゃんを見降ろしたまま、クマ鬼は剣を振り上げる


「そうだ、どいつもこいつもそうやって自分の知らんことにワクワクするんだ……めったにリアルじゃあ味わえねえその感覚がひり付いて離れなくて、ずっと探してんのがVRゲーマーってやつなんだよ……お前らはそれを土足で踏みにじったのさ! ゆえに万死に値する! 万死に値するぞおおおおおお!! 【オーバーエンハンス】!」


「おぼろちゃん!」


「【エイルスライサー】!」


 私は空いた手でアイテムボックスを操作し、急いで【シンデレラパウダー】を取り出そうとするけど、それよりクマ鬼の方が早かった。

 振り上げた紫以外の剣を一本ずつ入れ違いに投げつけて、私に新しくアイテムを取り出すスキを与えてくれない!


 鎖も無駄だ! 構える暇なんてないし今投げつけたところで剣に叩き落されるだけ……!

 せめて……せめてこれが生きてるみたいに動いてくれたら、剣を全部かわしてあいつに巻きつけられるのに!


「それ貸せリーズ! 【スティール】!」


「まずはツチオの分だああああああああああ!!」


 諦めかけてたその時。

 手に持ってた鎖が、小さな影にひったくられた。痛っ!?

 そして持ち主が移ったことでじゃらりと鳴り響かせながら鎖が動き出し、飛来してくる剣をかわしていく!


「オッラァァァア!!!」


 そして気合一発。

 剣を振り降ろす最中だったクマ鬼の横っ面にシオンの蹴りが決まった!




ここまで読んでいただきありがとうございます!

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