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明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
先日のクリスマスパーティー、いやお疲れ様会はみんなでとても楽しく過ごすことができた。心配していた料理はみんなが色々と持ち寄ってくれたこともあり、とても豪華で盛り沢山になった。
マリウスさんは無理やり参加したことを反省しているらしく、高そうなお酒を色々持ってきてくれた。でも着いて早々「ケーキが食べたい」と言い始めてネロさんに怒られていたっけ。
最初は「貴族様と一緒になんて」と遠慮していたコルネさん達も、マリウスさんやマリーエさんの気さくな態度に次第に普通に話が出来るようになり、今度のイベントの件で盛り上がっていた。
マリーエさんはお酒を気に入ってくれたみたいだし、前回カランで話した醤油味の唐揚げが美味しいとニコニコだった。お酒もすすんでいたみたいだけど、酔うと笑い上戸になるのかな? かなり上機嫌でウフフと笑う彼女は普段のキリっとした様子とのギャップが可愛い。
あと、なんだかアルクがマリウスさんに絡まれていたんだけど大丈夫?
とにかくみんなでわいわい、すごく楽しかった。私とアルクが用意した料理はみんな絶賛してくれたし、ケーキも大好評だった。
あっという間に時間は過ぎて、パーティーは終了。私が「またイベントが終わったら反省会しましょうね」と言ったらみんな大賛成してくれた。
だけど、みんなが帰った後。アルクと二人になったら家の中がすごく静かで、さっきまでの賑やかさが嘘みたいに思えた。何だろうね、こういう時ってすごく寂しくなる。
「またパーティーをするのだろう?」
アルクはそう言って頭をなでてくれた。
うん、そうだね。また楽しいこといっぱいしようね。
年末はアルクと家でのんびり過ごした。のんびりし過ぎて家から一歩も出たくなくなってしまったくらいだ。
実はクリスマスケーキを取りに行った時に実家にも寄ったんだけど、その時にお母さんが年末の抽選会で当てたゲーム機をもらった。お母さんは一等の旅行券か三等の和牛が良かったと言ってたけど、くじ運強いなぁって思う。
私はスマホゲームもほとんどしないし、据え置き型のゲーム機なんて小学生以来だった。今ってソフトは買ってこなくてもダウンロードできるんだよね。私はそんなことも知らなかったし、もちろん初心者なアルクと二人で色々やってみたんだけど、結構面白くて二人で楽しんだ。
でもね、私が致命的に操作が下手だったんだよ……。協力型のパズルゲームをやったんだけど、アルクの足を引っ張る引っ張る。「なぜ……」そう言ってアルクには呆れられるしで散々だった。しくしく。
あとね、昔懐かしい王道のRPGとかもあって、私はアルクがプレーするのを横で見てるだけなんだけど、敵を倒して少しずつレベルアップして、情報を聞いてアイテムを手に入れてと着々と進むストーリーを一緒に体験するのもなかなか楽しかった。
そんな感じで、ゲーム三昧してごろごろ過ごしていたらあっという間に年末が終わってしまったんだよねぇ。ここ数年も特に何もせずに過ごしたけど、疲れて何も出来なかった時とは違って私にとってはある意味贅沢、とても有意義なお休みの過ごし方だった。
ごろごろ最高~。
◇
あけましておめでとうございます!
年末からずっとお天気も良くて穏やかな良いお正月を迎えられた。平和だなぁ。
元旦は年始の挨拶に実家へ行くんだけど、その前に初詣に行くことにした。
おじいちゃんの家からまた少し奥まった場所にあるその神社は車でしか行けないこともあって参拝者も少なく、すごく静かな場所だ。おじいちゃんが生きていた頃はお正月によく行っていて、人混みが苦手な私はこの静けさが好きだった。
今年はここに行こうと前から決めていたんだけど、以前と変わらず大きな木々が立ち並ぶ参道や境内はとても神聖な雰囲気だった。一緒に来たアルクも「ここは気持ちが良い」と言っていたよ。
私は去年の感謝と今年も良い一年でありますようにとお願いした。アルクも一緒にお参りしたんだけどね。触っていないのに、社頭の鈴がひときわ大きく「カーン」と鳴った。
うーん、神社の神様がアルクにびっくりしたのかな。他の参拝者さん達もぎょっとしていたし、お騒がせしました。
実家に着くと弟も帰ってきていて、久々に家族揃ってのお正月を過ごした。アルクはその辺りをふらふらしてくるって、どこか行っちゃった。
年始のご挨拶をして、お雑煮やおせちを食べる。
家のお雑煮は、元旦は菜雑煮を食べるんだけど、お雑煮って結構好きなんだよね。焼いたお餅を入れる焼きびたしや里芋のお雑煮も美味しいと思う。でも、友達とお雑煮の話をした時にだいぶ各家で作り方が違ってすごく驚いたんだけど、こういうのって地域性があってすごく面白いと思う。
おせち料理は重箱ではなく、個別でお母さんが手作りした物が並んでいた。黒豆好き。
あとですね、どうやら弟は結婚を考えている彼女がいるらしく、色々話も盛り上がった。私、弟に先を越されるのかぁ。ああぁ……。
で、結局その日は一泊することにした。
花ちゃんにも会いたかったけど、残念ながら彼女は旅行中らしい。今度またほかの友達も誘ってみんなで会おうと言っていたので楽しみだ。
翌日は伯父さんの所へお使いを頼まれたのでお店に寄ってそのまま帰ることにした。
伯父さんの店に着くと相変わらずの混み様っだった。年末もずっと営業していて、元旦だけ休みで二日から営業を開始しているんだから凄いよねぇ。
お年賀用のギフトがすごく出るとかで大変らしく、ケーキ屋さんってこんなに忙しいんだなと改めて思った。ここ数ヶ月で私のケーキ屋さんに対するイメージはだいぶ変わったよね。
伯父さんにお母さんから頼まれた物を渡し、少しだけ仕事の話をして私はすぐに帰ることにした。私がいたって何の役にも立たないのは分かりきっているけど、手伝わないのは申し訳ない気がするので早々に離脱だ。
お店を出て車の扉を開けた時だった。
「里香ちゃん?」
名前を呼ばれて振り返ると、卒業以来会っていなかった高校の同級生が立っていた。




