97話 不意打ちチュー
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
2月上旬。
ぼく、里香、ダリアの三人は、駅前の喫茶店に来ている。
いちゃいちゃしていると、ふと、義妹のダリアが言う。
「そうだ。復讐。どーすんの?」
「「え?」」
「完全に忘れてるなーきみら」
復讐……あ、そうだ。
クラスメイトたちを、見返してやるってやつだ。
「どう思う里香?」
「ん~……どう思います、しんちゃん?」
里香にパスしたつもりが、ボールがそのまま帰ってきた。
いや、まてこれは……。
「いやいや、里香からどうぞ」
「そんなそんな、しんちゃんからどうぞ」
あれだ、いちゃつきたいのだ。
ぼくにはすぐにわかった。だって彼氏だからね。
「里香は可愛い」
「やん♡ しんちゃんはかっこいい!」
「えへへっ。里香はすごいかわいい」
「うふふ♡ しんちゃんはちょーかっこいい!」
えへへ、うふふ、とぼくらは笑いあう。
あきれる義妹が、ぺん、と里香の頭を軽くはたく。
「話が進まんわバカップルさん?」
「「ばかっぷる?」」
「あんたらのこと……はぁ。で?」
なんか、ねえ……。
里香も同じ思いなのか、微妙な顔をしていた。
「もうどうでもよくなったよねー」
「ほんと、それね」
別にもうクラスメイトなんて、どーでもいいし。
ぼくは今、里香と恋人になって、そばにいられるだけで十分なんだから。
「復讐心はもうないと?」
「ぜんぜん。むしろ、あの出来事があったから、里香とは恋仲になれたわけだし」
クリスマスの日、ぼくはクラスメイト達からひどい仕打ちを受けた。
でも、里香が声をかけてくれたのだ。
もう、随分と前の出来事に思える。
でも、あれがなければ、里香と深い仲にならなかったし、ダリアと知り合って、ぼくの義妹になることもなかった。
痛みはあれど、あの出来事は、ぼくの日常を破壊し、新しい幸せな人生をプレゼントしてくれたのだ。
まあ、クラスメイト達には良い思いしないけども。
「じゃ、復讐は、なし?」
「「だねー」」
なんかそんな時間あるんだったら、いちゃいちゃしたいし。
「あたしそんな時間あるなら、しんちゃんとずーっといちゃつきたいもん」
「お、里香も?」
「えー! しんちゃんもー! うれしー!」
里香がぼくと同じ気持ちだったなんて。
うれしくてたまらない。ふにゃふにゃ笑う里香がいとおしくて、つい……。
ちゅっ。
「も、もー! しんちゃん不意打ちちゅーだめ~!」
ちゅっ。
「里香も不意打ちちゅーしたじゃん」
「おかえし~♡」
「もー」
ちゅ、ちゅ、ちゅ。
その様子を、ダリアがあきれた様子で見ていたことに気づいたのは、10回くらい不意打ちちゅーのラリーをしてからだった。
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『母親が実はVtuber四天王だったと知らずに、ゲーム配信で無双したら、バズって僕もVtuberになりました~絶縁したパワハラ幼馴染がすり寄ってくるけどもう遅い。ゲームV部の仲間と楽しく活動してます』
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