表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/167

89話 朝食


 ぼく、上田真司は恋人の里香、義妹のダリアとともに、熱海に旅行に来ている。

 本家のおじいさんの経営するホテル、その朝食会場へとやってきた。

 昨日の時と同様に、ほぼ人が居ない……と思ったんだけど。


「あれ? 誰かいる?」


 昨日三郎さんと一緒に食事を作ってくれた、デカいロシア人のおじさんが、隅っこで食事していた。

 三郎さんの知り合いのおじさんと、そして、その前には一人の男の子が座ってる。


「そーきゅん、いーちゃんは?」

「あいつ部屋で食べるってさ」

「そっか。引きこもりなのに家族旅行に連れ出しちゃって、大丈夫かしらん」

「そこは大丈夫じゃない? 楽しんでたし、本人も」


 会話がちらっと聞こえてきた。

 ロシア人さんの家族かな……?


 ふと、ロシア人おじさんと目が合う。にこっと会釈してきたので、ぼくも頭を下げて返事をしておいた。


 ぼくと里香、そしてダリアの三人はちょっと離れたとこに座る。


「おはようございやす」

「次郎太さん」


 スーツに割烹着を着た次郎太さんが、朝食を運んできた。

 ぼくらの前にテキパキと、ご飯を並べていく。


「う……量が多そう。食べきれるかしら」


 里香が不安そうだ。彼女が言うとおり、ちょっと量多い。


「湯豆腐など、お腹に優しい料理となっております。そこまで重くはないかと」

「それに、食べきれなかったらぼくが食べるよ。安心して」

「しんちゃん……♡ 頼もしい♡ すてきっ♡」


 里香に褒められると、朝から胸がほわほわする。

 やっぱりいいなぁ、里香と一緒にいるの、すごくすごく楽しい。


「……いいなぁ、彼女。俺も欲しい」


 と、ロシア人さんの息子さんらしき人が、こっちを見てそうつぶやいていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 気づけば茨木ワールドで行為までいったのここが初かな?カクヨム含めれば年下幼馴染ですが… あと近くにいるの誰か一瞬悩んだけど有勝ってことは兄貴でしたかw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ