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71話 どーてーぼーいず



 里香、ダリアとともに熱海に来ている。

 ぼくと里香は同じ部屋の、内風呂に入っていた。


 本物の露天風呂さながらのお風呂に身をゆだねながら、ゆったりとした時間を過ごす。


「あったかいね」

「そうだねぇ……」


 最初は二人きりのお風呂ってことで、動揺しまくりなぼくらだった。


 けどもう大分落ち着いて、今ではお風呂を楽しんでいる。……まあ、その、ちらちら見ちゃうんだけども、里香のきれいな体を。


「あ、また目が合った」

「わわ、ご、ごめん……」


「ふふっ、もー♡ しんちゃんはえっちだな~♡」


 里香がなんだかうれしそう。女子って裸見られてうれしいもんなのかな?


「ごめん」

「いいけどね♡ しんちゃんになら、全部見られてもいいし」


「ぜ、ぜんぶ……ですか?」

「そー♡」


 な、なんてこったい。全部ってそんな……あわ、あわわわ……。あの、あそことかも……わわ!


 里香もかぁ……と顔を赤くして、


「や、でも……その……公序良俗を守っての、全部だからね!」


「そ、そうですか……」


 どういうことだってばよ!

 けど、全部、かぁ……。信頼されてるって、ことだよな。


 うん。それはうれしいな。その信頼は裏切りたくないけど、でも……ふれあいたい。


「あ、また見た」

「う、うん……ごめん……やっぱり、里香のきれいな体がそこにあると、つい……」


「ふふ♡ いいよ♡ 見て。てゆーか……み、見てるだけで、いいのかしら?」


 里香もなんか、ちらちらって、期待のまなざし向けてくるしっ。


 り、里香も……その、触りたいのかな。ぼくと。


「じゃ、じゃあ……少し」


 ちょん、と里香の肩に触れる。うわ、すべすべ! すんごいすべすべだよ!


「きゃん♡ じゃああたしも触る!」


 つん、と里香がぼくの方をつつく。


 ふたりしてちょっとずつちょっとずつ、互いの体を触れていく。


 肩、腕……。脇腹……。


「「…………」」


 お互い無言で、体に触れていく。こ、これは……そういう流れか?

 

 い、いいのかな……これ以上。いやでも、まだ夕方だし……。いや、ううん、でも……。


「「…………」」


 結局ぼくらモヤモヤ考えてたら、湯あたりしてしまった。


 ダリアが心配して様子見に来たけど、あきれられてしまった。


「このどーてーぼーいずめ」


 ぼくが童貞なのはそうだけど、里香はボーイじゃないんだけどね……。

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