69話 内風呂
熱海に来て、ぼくたちは同じホテルの部屋に泊まっている。
気分を変えようと、お風呂に誘ったんだけど……。
「どうしてこうなった……!」
ぼくがいるのは部屋に併設された露天風呂。
ちょっと小さいけど、普通に温泉だ。しかもこっから外が見える。
海が……見える。ここからの眺めを身ながらのお風呂は、最高だろうなぁ……って思う、けど。
「それどころじゃないよぉ……」
ど、どうしよう。里花と一緒にお風呂に入ることになってしまった……!
いや、まあ、まあ……。
そりゃ、今日は一緒に……その、え、えっちなこと……したいって思ってたよ?
で、でもさぁ……! そこは覚悟と予想してたからさ。
今回のは完全に不意打ちだもん! 準備できてないよ! 心の!
「や、やっぱりあがろ……」
里花が来る前に脱出だ……! と思っていた矢先……。
がらっ、とお風呂のドアが開かれたのだ。
「な、何やってるの……しんちゃん?」
「り、りか……」
タオル姿の里花が現れる。
真っ白な体を、タオルで包み隠している。
見事な胸の膨らみ、きゅっと引き締まった腰。
カーブを描く腰回りが実にえっちで……女の子の体してる。
「…………」
なんて、きれいなんだ。
ぼくは思わずその場から動けなくなった。
彼女の体があまりにきれいで、目が釘付けになってる。
「じ、じろじろみすぎよ……」
「え、あ、うん……ごめん……」
「別に怒ってないし……」
「そ、そか……」
「「…………」」
さ、さっき以上に……気まずいよ!
そりゃそうだ! だってタオルを一枚隔てた向こうには、お互いの裸があるんだもん!
どど、どうしよう……どうしよう……。
「は、入らないの?」
「え!? あ、えっと……」
「それとも……いや? アタシと、お風呂……」
「そんな……ずるいよ……」
その質問はずるすぎる。
「嫌なわけがないだろっ」
里花のことは好きだ。大好きだ。
大好きだから一緒に居たいし、エッチなことも……したい。
そう答えるしかないじゃないか。
「そ、そ……う。なら……ね? はいろ?」
里花がぼくの手を握る。
彼女も、肩まで真っ赤にしていた。はずかしいんだろう。
でもぼくと目が合うと……ふにゃっと笑う。
ああもう、そんな顔されたら……断れないじゃないか。
ふらふらと……ぼくは里花とともに湯船に向かう。
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