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142話



《ダリアSide》


 真司が里香を慰めたあと……。

 義妹ダリアは、里香の元へ行く。


「りかたん」

「ダリア……」


 親友は先ほどよりも、やつれている様子はない。

 多分真司がなんとかして、慰めてくれたおかげだろう。


 やっぱり彼は優しくて、最高の男の子だ。

 そんな彼に一番愛されてるのが、親友でよかったと……ダリアは思った。


 だってそうじゃなければ、嫉妬に狂っていただろうから。

 親友には幸せになって欲しい、だから、真司から愛されていることに、納得がいくのである。


 ……とまあ、ここまでは真司の役割だ。

 あとのことは、同じ女の子で、友達である、自分の出番である。


 ダリアは里香の隣に座る。

 ぎゅっ、と里香が抱きついて甘えてくる。


「しんちゃん……ゆるしてくれた。あたしの、弱さを……肯定してくれた」

「そっか。お兄ちゃん、やさしいもんね」

「うん……」


 里香はぐすん、と鼻をすする。

 今から追い打ちをかけるようなことを、したくないって気持ちはある。


 でも、乗り越えないといけないハードルなのだ、これは。


「りかたん。君はこれからどうするの?」

「どうって……?」

「子供。君はお兄ちゃんと最終的に結婚したいんでしょ?」

「もちろん」


 即答だった。彼女の中では、もう彼と結ばれることは確定事項なのだろう。

 真司をそれだけ深く愛してる、そばにいたいって強く思っていることの証拠である。


 そのまっすぐさが、うらやましかった。

 自分にない、輝きを持っている。


 でもそれだからといって、輝きを曇らせようとか、奪おうとか、思わなかった。

 ダリアは純粋に、親友と、そして義兄の幸せを願っているのだから。


「でもねりかたん、今のままじゃ駄目だよ」


 たとえ厳しい言い方になったとしても、ダリアは、親友に幸せになって欲しいのである。

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