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132話



 ぼくは里香の家にやってきた。

 学校を休んだという彼女に、訳を聞きにきたのである。


「里香。ぼくだよ」


 彼女の寝室の前にやってきた。

 ノックをして、中の里香に呼びかける。

『……しんちゃん』


 ……ああ、よかった。まあダリアから無事は聞かされてたよ。

 でも……実際に彼女の声を聞いてなかったからさ、凄く心配だったんだよね。


 でもよかった……いや、よくないか。

 さっきぼくを呼んだ里香の声は、明らかに、元気が無かった。


 いつも明るくて、優しい里香が、である。

 絶対に何かあったんだ。なんとかしなきゃ。


 ぼくは知らず、そう思っていた。

 彼女のために何かしたいって。


 ダリアの時もそうだった。

 今もそうだ。


「里香、何かあったんでしょ?」

『……うん』

「話してよ」


 沈黙があった。

 多分何か大きな問題を抱えているんだろう。


 だったら……なおさらでしょ。

 ぼくはドアに手をかけて、がちゃりと中に入る。


「里香」

「しんちゃん……」


 勝手に入ってきたことに、申し訳なさを覚えながらも……。

 ぼくは、彼女に直ぐに抱きつく。


 だって里香が、真っ青な顔をして震えていたから。

 もうそれを見てぼくは、ただ守らなくてはっておもった。


「大丈夫。ぼくは君の味方だよ」


 ……里香の瞳に涙がたまる。

 彼女はぼくのことを、ぎゅっと抱きしめてきた。


 心細かったのだろう。

 

「大丈夫、いっしょに乗り越えよ? ね……?」

「うん……」

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