131話
ぼくは里香の家へとやってきた。
ぴんぽーん……♪
里香……大丈夫かな。
ラインも帰ってきてないし……何かあったらどうしよう……。
早く、元気な顔を見せて欲しいな。
ガチャッ。
「里香ッ!」
「残念、妹でしたー」
「ダリア……」
義妹のダリアが、ドアを開けて現れたのである。
「里香はっ?」
里香が現れないってことは、なにか大変なことが起きてるってこと!?
大変だ!
「落ち着きなってお兄ちゃん。りかたんは無事だから」
「あ、…………………………はぁ」
どっ、と疲れて、ぼくは思わずその場にへたり込んでしまう。
良かった……なんともなくって……。
「気ぃ張り詰めてたんだね」
「うん……無事だってわかって、ほっとしちゃった」
「……お兄ちゃんは」
少し、真面目な顔でダリアが言う。
「無事だって、信じるの?」
「? なんで? ダリアが無事だって言ったんじゃん。じゃあ無事でしょ?」
ダリアが言うんだったら信じられるもんね。
するとダリアは、今度は切なそうな顔をしたあと……。
にぱっと笑う。
「信じてもらえてうれしいよ、【お兄ちゃん】」
と、兄をなんだか強調してくるダリア。
なんなんだろうね。




