126話
里香はダリアに悩みを打ち明けた。
「とりあえず……買ってきたから」
ダリアは一度薬局へ行って戻ってきた。
その手には……妊娠検査薬。
「うん……でもこわいよ……」
「その気持ちはわかるけど、はっきりさせておかないと」
「だよね……」
里香はダリアから箱を受け取る。
だが……。
「ダリア」
「ん?」
「使い方わからない……」
「説明書読もうね」
「うー……一緒に読んで?」
「はいはい」
リビングのソファに並んで座り、ふたりで説明書に目を通す。
「ほ、本当にこれやるの……?」
「うん。まあ、がんば」
「ええー……ダリア手伝って」
「さすがにこれは……」
妊娠検査薬の使い方を見て、かぁ……とダリアが顔を赤くする。
「他人に見られるの……その、やでしょ?」
「そりゃね、見ず知らずの他人なら。でもダリアならいいかなって」
「あーしが気にするわ……」
「だめ?」
さみしげなまなざしを里香がダリアに向ける。
うぐぐう……とダリアがうなる。
「で、でも……」
「だめ……?」
「わ、わかったよ……じゃ、じゃあ……いこうか?」
「うん……」
ダリアは照れながらも、里香と一緒に部屋を出て行くのだった。




