122話 じぃじはいつも見守ってい隊
《真司Side》
明くる日、ぼくはじーさんの家で朝ご飯をごちそうになった後、家に帰ることにした。
「もう帰ってしまうのか~。じぃじさみし、くすん」
くすんて。
歳を考えてよおじいちゃん。
「また来るからさ」
「ほんとか! いつだ!? 何時何分何秒!? 地球が何回回った頃!?」
「そのうちね」
「そうか! 楽しみにしてるぞ!」
悪い人じゃ無いんだ。
ただ厄介なだけ。
今朝もあれこれすごい聞かれた。
やったのかとか。はぁ……。
「真司よ」
帰ろうとするぼくに、じーさんが言う。
「何か困ったことがあれば、わしを頼るのだぞ?」
「? どうしたの?」
「いやなに、真司はあまりじぃじにおねだりをしないだろう? ダリアの件くらいじゃないか」
まあたしかに。
でも別に困ってないからなぁ。
「真司。何か大きなトラブルに巻き込まれたときは、いつでも言うが良い。じぃじが権力を使って、ごり押しで解決しようぞ」
「あはは、どうも。まあそんなこと、絶対おきないだろうけどね」
「いやわからんぞ」
「ないない。ありえないって」
じーさん頼りにはなるけど、やり過ぎるところあるからなぁ。
日本の裏のフィクサーだし。
「まあいずれにしろ、わしはおぬしのこと、影から見守っておる。本当に危ないことがあおきるまえに、じぃじがなんとかしてあげるからな」
「影からって……」
「わしの目はどこにもあるということじゃ」
意味深だなぁ。
まあ深く考えないけども。
「じゃーね、じーさん」
「うむ! またな!」
こうしてぼくは、自分の家に帰ることにしたのだった。
このときのぼくは、まさかあんな事件に巻き込まれることになるとは……。
一ミリも、思っていないのだった。




