117話
本家のじーさんちで、じーさんのお孫さん、開田流子ちゃんと再会した。
せっかく来たということで、今日は泊まってきなさいと言われた。
何の準備もしてなかったんだけど、着替えとか歯ブラシとか、全部そろっているらしい。
用意周到すぎて、ダリアは引いていた。里香も同様。
ぼくはもう慣れっこだったので、まあそんなに驚かなかった。キモいなとは思ったけども。
ややあって。
ぼくらは食事の間へと通される。
新年会やったところと、同じ和室だ。
この屋敷ってやたらと部屋数多いし、一部屋ごと凄い広いんだよね。無駄に。
「わぁ、お兄ちゃんすごいね。ちょー豪華な食事」
ダリアが目を丸くしながら、テーブルの上の料理を見やる。
お刺身やらなんやらがあって、やたらと量が多い。
「てか、この豪華な感じ、どっかで見たことあるような……」
「多分次郎太さんが作ったんじゃない?」
「じろーた?」
すると和室のふすまがひらいて、にゅっ、とサングラスかけたターミネーターが姿を現す。
「正解でさぁ」
「あ、次郎太さん。お久しぶり~」
「へい、お久しぶりでやす」
二月に熱海であったんだよね。
そこでも次郎太さんが夕飯作ってくれてたんだ。
「なるほど……どうりで見覚えのある料理だと思ったよ」
「覚えててくださり、光栄でさぁ」
「あのときとても美味しかったです」
次郎太さんが嬉しそうに、口元をほころばせる。
どうやらダリアはうちになじんできてるようである。
……問題は。
「むすぅ~……」
里香が、なんか拗ねてた。
あ、あれ? ど、どうしんただろう……?
「しんちゃん……なんであの女もいるのっ」
正面に座っている、るーちゃんを指さす。
「だってじーさんのお孫さんだし、ここるーちゃんの家だし」
「ふぅん……ふ~~~~~~ん」
なんだろう……とても不機嫌だ。
ど、どうしてしまったんだい!




