112話
ある日の休日。
本家のじーさんから呼び出しを喰らった。
いくかーって決意した瞬間、贄川さんちの三郎さんが迎えに来た。
ぼくとダリア、そして里香の三人は、開田の家にやってきたのだった……。
「えっぐ……なにこれ……」
本家のじーさんの家を見て、義妹のダリアが率直な感想を述べる。
まあ気持ちはわかる。
令和だっていうのに、どこの武家屋敷ですかっていうほどの、大きくて豪華な、それでいて厳かな雰囲気の家だもんね。
「ここが本家のじーさんのおうち」
「しんちゃん、さっきから本家っていってるけど、どういうこと?」
ぼくは里香たちに、改めて説明する。
「開田グループって、旧財閥を母体とした、超大企業なんだけど、その総帥である開田高原じーさんには、正妻ひとりとお妾さんが何人かいるの」
「め、めかけ……」
愛人みたいな。
昔はそういうのあったんだってさ。
「で、上田家は妾の子ってわけ」
開田の本家には一人娘……るーちゃん【しか】いない。
とはいえ、じーさんはぼくら分家の子供にも優しくしてくれる。
資金援助や、仕事の斡旋までしてくれる。
優しい人なんだよね。まあ……愛がちょっと重いんだけど。
「さ、いこっか」
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