108話
お昼休み。
ぼくはダリアと里香と三人で、屋上に来ていた。
「じゃーん! お昼ご飯でーす!」
ランチマットの上に、里香が弁当を広げる!
サンドイッチ弁当だ!
いや、ホットサンドか。
少しこげめがついているけど、パンに挟まったチーズとか、鶏肉とか。いろいろは言ってて実においしそう!
「ご、ごめんね……ちょっとこがしちゃって……」
「何言ってるんだ! 最高に美味しそうだよ!」
現によだれが出てしまう。
ポテトまで作ってある! すごい! これ冷凍食品じゃないぞ!
さすが山雅お母さんの娘。
てゆーか、里香の手料理ならコーンフレークだってSPECIALディナーだ!
「いただきます!」
「めしあがれ!」
どれからたべよ~。まような!
じゃあ近くのこの、ハムとチーズのやつから!
手に取る。
近くで見る。こがしたっていうけど、これくらいの小麦色なら全然焦げてないでしょ。
とろ……とチーズがパンからはみ出てて実においしそう。
さくっ、さっくっ……と咀嚼するたび、よく焼けたパンの食感がする。
「んんー!」
「ど、どう……?」
これは……めちゃくちゃおいしい!
「めっちゃうま!」
「よかったー!」
ハムチーズだけじゃないぞ、マスタードかな。
マイルドな味のなかに、ぴりりと辛みがきいていてグッド!
「最高です、里香! 君は料理がとてもうまい!」
「えへー♡ もうっ、しんちゃんってば、褒めるのが上手なんだからっ♡」
ふにゃーーっと、もう里香がデロデロにとけてる。
めっちゃかわいい。大好き。
「いっぱいあるから、ダリアも食べてっ」
「ほいじゃー、遠慮無く」
義妹のダリアもむっしゃむっしゃと食べて、満足そうにうなずく。
「うん、おいし」
「やったーー!」
幸せな空気に包まれていた。
うーん、コンナ日々がずっと続いてほしい。




