102話
ダリアとご飯食べた後、マンションを出る。
エレベーターで1階に降りると……。
「しんちゃーん!」
ぼくのカノジョ、松本 里香が笑顔で出迎えてくれる。
「里香~」
ばっ、と里香が両手を広げて飛び込んできた。
ぼくもウェルカム体勢で、彼女を受け止める。
「ん~♡ ちゅっ~♡」
里香がキスをせがんできた。
なんてことだ。可愛すぎる!
ぼくは里香を抱きしめて、朝からちゅっちゅってする。
すると里香が嬉しそうに笑って、応えるように、向こうからキスをする。
キスをやめると、向こうがキスしてくる。
里香のキスが終わると、待ち遠しくなって、ぼくもキスする。
そんな風にキスループに入ってると……。
「はいはい、朝からおあついことで」
「「ダリア!」」
里香の首根っこをつかんで、ぼくから里香を遠ざける。
なんということを!
「ダリア離して! しんちゃんと朝ちゅーしたい!」
「もう十分してるでしょうが。それにエレベーター前、邪魔。OK」
「ぬぅぅ」
確かに人に迷惑かけるのは、なんか違うね。
仕方ない。
ぼくらはエレベーター前から移動する。
「ダリア、わかったわ。邪魔になってたのね」
「そーよ」
「ありがとう。だから離して」
「だめー」
「なんで!?」
「だってまたちゅーちゅーしだすでしょ? 学校遅れるっつーの」
まだ時間に余裕はあるとはいえ、たしかにまた無限キスループに入ったら、学校に遅刻してしまう。
「あーん、しんちゃん、ダリアが意地悪するの。お兄ちゃん権限でなんとかして」
「里香が学校遅刻したら嫌だから、我慢して」
「そんなぁ~」
この世の終わりみたいな顔の里香がいとおしくて、思わずハグしたくなる。
しよう(高速)。
するとダリアがぼくの首根っこをつかんで、里香から遠ざける!
「なんてことするんだダリア!」
「はいはい、遅刻しちゃうから、あとでね」
「「ちぇー」」
ぼくらは三人並んで、学校へと向かうのだった。




