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第22回:大きいのと小さいの

【SIDE:西園寺恭平】


 夏真っ盛り、俺は麗奈の従妹である赤羽エレナという女の子と出会う。

 金髪碧眼という外国人そっくりな容姿を持つ彼女。

 綺麗なだけじゃなく、俺は彼女の年齢を聞いて驚かされた。

 

「エレナって何歳なんだ?麗奈と同じくらい?」

 

「恭平お兄さんは私は何歳だと思う?」

 

「……そうだな。15歳くらい?高1か中3くらいじゃないかな?」

 

 見た目的に(主に胸部のあたりの発育状況)それくらいが妥当ではないか?

 この子、麗奈よりも大人っぽく見えるし。

 

「残念、はずれだよっ」

 

「もしかして、それ以上?俺と同い年くらいだったり?」

 

「それも違う。そんなに歳上に見られたのは初めてだね」

 

 くすっと微笑みながら彼女は俺に実年齢を囁く。

 

「正解は……小学6年生、今年で12歳になるんだよ。まだ11歳なのっ♪」

 

 その言葉に俺は驚きを隠せないでいた。

 

「さ、最近の小学生は化け物か……?」

 

 11歳でこの大人の魅力を兼ね備え、さらにこの発育状況だと言うのか……?

 さすが外国人の血が混じってるだけあるな。

 近年の欧米化食生活の影響は子供の発育に大きな影響を与えてるとも聞くし。

 麗奈、キミは日本の血が多すぎたのでは(悪い意味で)。

 

「ごめんね、発育良くって。でも、そんなに胸ばかり見ないでよ」

 

「あ、悪い。そんなつもりじゃなかったんだけど」

 

「えへへっ。別に恭平お兄さんならいいけどね。私の周りにいる男達って子供ばっかりだから。お兄さんみたいな人……私、好きかも」

 

 きゅんっとするような笑顔にドキドキですよ。

 

「ねぇ……私の胸、もっと見たい?」

 

 くいっとTシャツを掴む仕草&上目遣い&胸の谷間に俺はどうにかなっちゃいそうだぜ。

 ちくしょう、魅惑の果実が俺をおかしな方向へと誘う。

 

「さ、さぁて、そろそろ、うちに行くか?荷物、持つよ」

 

 とはいえ、その誘惑に負けちゃうわけにもいかなくて俺はヘタレてしまう。

 だけど、俺は甘く見ていたのだ。

 

「……ちぇっ、まだまだ甘いかな。次はどーしよう?ふふっ」

 

 この赤羽エレナという美少女に隠された本性に気づいていなかった。

 

 

 

 

 駅からエレナをバイクに乗せて俺は家まで帰ってくる。

 背中に感じるふくらみに俺は終始興奮を抑えてた。

 やばいっすよ、アレ……マジで発育良すぎデス。

 まだ幼さを残した容姿とその脅威(胸)は子供の頃の春雛を彷彿とさせる。

 ……あの子も昔から発育良くて困らされたものさぁ(遠い目)。

 小学6年で推定Dカップか……これは将来的に春雛のEカップ(F?)を超えるかもしれん。

 

「よし、到着。エレナ、ここが俺の家だよ」

 

「へぇ……大きな家。聞いてはいたけど、ホントにすごいんだね」

 

「そうかな。麗奈も中で待ってるはずだ。……そういえば、ひとつだけ聞いておきたかったんだけど、エレナと麗奈って仲が悪いのか?」

 

 出てくる時の麗奈の反応はおかしかったからな。

 俺の問いにエレナは思案顔を浮かべながら、

 

「仲が悪い?そんなことないよ。むしろ、すっごく仲がいいもんっ。私と麗奈ちゃんとは昔から従姉妹同士で付き合いあったの。そのうち、叔母さんが再婚して離れちゃってから、今回会うのは1年ぶりくらいだけど、会うたびに仲良くしてもらってるよ。幼い頃からずっと姉妹みたいな存在なの」

 

「それならいいんだけどさ」

 

 まぁ、再婚って言うのは事情が事情だけに、俺が彼女の親族と仲良くなる事もないので、エレナとも初対面なわけなのだが……今さら結婚式もなかったしな、お互いに再婚同士だと親族を集める事もない。

 

「恭平お兄さん、私からも質問していい?」

 

「俺に答えられることなら、どうぞ」

 

「お兄さんとして麗奈ちゃんに良い感じに接してる?それとも、手にかけちゃった」

 

「ぶほっ。ないない、それは絶対にないから」

 

 むしろ、攻略しても満足に麗奈ルートのフラグにたどりつけていない。

 キスなんて夢のまた夢、果てしなき遠いものだ。

 

「何だ、麗奈ちゃんとは何もないんだ?あれだけ可愛いと義妹として襲いたくなったりしないの?普通ならしちゃうでしょ」

 

「キミがまだ小学生という事を忘れさせるような会話はやめてくれ」

 

 このエレナって子、かなり危ないかも。

 発言が危険だ、俺にとってはかなりぐっと来るではないか。

 

「麗奈からは何も聞いていないのか?」

 

「うーん。前に聞いた時は変な人がお兄さんだって言っていた」

 

「ひでぇ。俺ってそこまで嫌われていたのか、えぐっ」

 

 さすがに出会って8ヶ月、それなりに親しくなってきたとは感じているのだが。

 俺がエレナを連れて、家のリビングに入ると既に麗奈が待ち構えていた。

 

「……お帰りなさい、お兄さん。久しぶりね、エレナ」

 

「うんっ。久しぶり、麗奈ちゃん。……えへへっ、見てみて。また成長しちゃった」

 

 麗奈に会うやいなや、エレナは自分の身体を強調させて麗奈に迫る。

 たゆんっと揺れる膨らみ……これが今時の小学生ですか?

 俺の視線を感じたのかムッとした顔を見せると、麗奈らしくない動揺をする。

 

「わ、私だってそれなりに成長してるわ。とりあえず、貴方の部屋に案内するわよ」

 

 俺からエレナを引き離すように麗奈が連れていく。

 あぁ、魅惑の果実、俺のプリンとマシュマロが……。

 

「やぁん、そんなに急かさないでよ~っ」

 

「いいから来なさい。荷物もあるんだから」

 

「私、麗奈ちゃんと同じ部屋がいいな。昔みたいに一緒に寝たいの。ダメ?」

 

「分かってるわよ。ちゃんと私の部屋に準備してるから……」

 

 思ったよりも険悪という感じではない。

 というか、ホントに姉妹みたいに仲がいい様子だ。

 さて、ふたりがいなくなってしまったので、俺は夕飯を作る事にした。

 エレナに好き嫌いがないか聞いておくべきだったかもな。

 俺は適当に材料を見比べながら、ハヤシライスを作る事に決めた。

 俺が調理をしていると廊下から楽しそうな声が聞こえている。

 

「……しかし、最近の子は発育がいいな。あの大きさは反則だろ」

 

 包丁でサラダ用の野菜を刻みながら俺はエレナの事を考えていた。

 ……腕に当たった感触はかなりのものでした、素晴らしいですね。

 

「やっぱり、お兄さんもあの子の胸ばかりに目が行くんですか?」

 

「ひぅ!?あ、あの、麗奈さん?」

 

 俺の真後ろに気配なしで立っていた妹に俺はドキッとさせられる。

 

「ど、どうしてここに?まだ何か用でも?」

 

「ジュースを取りにきただけですよ。でも、愚かな妄想と独り言は口に出さない方が身のためだと思いますね。あ、これは私の“独り言”ですが……」

 

 何だ、このプレッシャーは……心臓に悪いっていうか、麗奈の声が低くて怖いです。

 

「……エレナに鼻の下を伸ばして、小学生相手にいやらしい目で見るなんて最低です」

 

 拗ねる口調の麗奈が可愛い……って、可愛さに見惚れてる場合ではない。

 

「いや、あれは小学生には見えないだろ。麗奈と同い年に見えたぐらいだ」

 

「そうですね。エレナって外見は大人びてますから……それに胸も大きいですし。私と違って大きいです。いえ、別に私の方が小さいからってひがんでませんよ?」

 

 ……俺、そこまでは言ってないんですけど。

 

「心配するな、麗奈。俺はそんな些細な事は気にしない」

 

「私、お兄さんは胸の大きさで好き嫌いを決める人ではないと思ってました」

 

「……え?あの、何の話ですか?」

 

 麗奈は俺をまるでゴ●ブリを見るような蔑む視線を向ける。

 うっ、ダーク麗奈は勘弁してください。

 ビクビクと身体が震えるくらいに、かなりトラウマになってるんで。

 

「しょせん、お兄さんも“男”だったというわけですか。いいんですよ、別に。そうですよね。お兄さんはロリコンで巨乳好きなんです。そんなマニアックで変態だったのも忘れてました……」

 

「――俺を失望する状況は理解したけど、その偏見的な見方はやめてくれ」

 

 確かに俺は童顔で胸の大きい子はめっちゃくちゃ好みですが。

 だって、男のコなんだからしょうがないでしょう!(開き直り)

 なんて言えば麗奈に金輪際近づく事を拒否されるので言わないが。

 

「心配しなくてもいいよ。俺が麗奈を好きなのに変わりはない。容姿だけで俺は人を好きにはならないから。俺は麗奈が好きだよ、その存在、全てが愛おしい」

 

 彼女の頬に触れながら俺は愛を囁いた。

 不安になる事なんてひとつもないんだ、麗奈が傍にいてくれるだけでいい。

 

「……お兄さん、真顔で言われると鳥肌が立つのでやめてください」

 

「すみません……反省してるので許してください。怖い顔で見つめるのはやめて」

 

 俺にどーしろっていうんだよ。

 エレナの事に対して、麗奈は妙に過敏だ。

 

「――ロリコンは犯罪なんですからね」

 

「ロリになったつもりはないから!俺は無罪だ、冤罪だ!」

 

「前科がありすぎて信じられません」

 

 なぜに俺は愛すべき人に犯罪者扱いされてるんでしょう。

 俺はまだ何もしていないです、“未遂”です。

 結果的に麗奈は安心したのかホッとした顔を浮かべながら俺に言う。

 

「お兄さんがその調子でいてくれると安心できます。エレナはいい子なんですけど、性格がアレなので心配していました」

 

「アレって何だ?」

 

「男の人に媚をうるっていうか、虜にしてしまうというか。いわゆる小悪魔系って言うものですよ。気をつけてください、痛い目を見てからじゃ遅いんです」

 

 すみません、既に俺はその手中にハマりかけてます。

 だって、小学6年生であの理想的な体型は卑怯と言いますか……ぐふっ。

 

「にやけるなって言ってるでしょう?ホント、言ってるそばからそれですか?」

 

 顔面に受けた衝撃(愛の痛み)に俺はかろうじて耐えました。

 

「……ぐ、グーで顔を殴るのはやめてください。あ、そうだ。今日はハヤシライスなんだけど、エレナって好き嫌いとかあるのか?料理に嫌いなものがあれば何でも言ってくれ」

 

「あの子、基本的に好き嫌いはないはずですがグリンピースは苦手な方なので出来れば避けてくださいね。しばらくはふたりで私の部屋にいますから」

 

「わかった。出来上がったら呼びに行くよ」

 

 麗奈は自室に戻る前にくるっとこちらに振り返ると、

 

「少なくとも、あの子だけは好意の対象にならない事を祈ります。義兄が犯罪者になるのは正直、嫌なので……」

 

 俺は自信を持って麗奈に想いを伝える。

 

「心配せずとも俺は麗奈一筋だ。俺と麗奈は世界も認めた運命の赤い糸で結ばれた者同士だからな。それと、胸の小ささなんて気にしなくていい。なぜなら俺は貧乳も好きだ!貧乳には女の子の夢と希望が詰まっているのさっ!」

 

「――黙れ、ロリコン野郎っ」

 

 カチャン、と勢いよくドアの閉まる音が室内に響き渡る。

 ど、ドン引きですか……麗奈さん?

 神様は残酷な事をする……麗奈を励ますつもりが逆効果だったらしい。

 

「俺って麗奈に愛されているのかな?」

 

 麗奈に冷たくあしらわれた俺は拗ねながら料理を再開する。

 

「……俺はロリコンではない。彼女の生まれた時代が俺に追いつかなかっただけだ」

 

 玉ねぎを刻んでないのになぜか涙が瞳から零れた……ぐすんっ。

 

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