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ゴブリン、頑張って生きる。  作者: はちみやなつき
Ⅲ 引越し、そして進化
86/222

86.住処がバレた理由が分かりました。

『そういえばどうしてケロマは人間と連絡をとろうとしていたんだ? 連絡をとりたい相手でもいたのか?』

「別に特定の人と連絡したかった訳じゃないの。私、ギルドに入っているでしょ? そのギルドと定時連絡をしようと思ったのよ」

『定時連絡……安否確認みたいなものなのか?』

「うん、そうだよ。外に出たギルドのメンバーに対して特定の時間に連絡が来るの。その連絡に応じられるかどうかで身に危険がないか判断しているの」



 ふーん。

 ギルドって結構しっかりしているんだな。

 安否確認までしてくれるなんてな。



『連絡をとれないとどうなるんだ?』

「連絡する機械にGPS的な機能がついているから、それを使ってギルドの調査担当の人が探しにくることもあるわ。まあ来ないときもあるけどね」

『GPSか……となると、その機械があると居場所が速攻バレてしまうのか。というか、それが原因で俺の住処がばれてしまったんじゃないか?』

「あっ……そういえば、そうかも」



 おいおい……

 気付いていなかったのかよ。

 聞いておいてよかったな、この情報。

 聞かなかったら知らないうちにギルドの人間が新しい俺の住処にやってくる所だったぞ。

 危ない危ない。



『その連絡する機械ってどういうものなんだ? 見せてくれないか?』

「うん、分かった。これだよ」



 するとケロマはある機械を取り出した。

 機械はみかん位の大きさで、一昔前の通信機が連想される。

 そう考えると、前世のケータイよりも遅れている気もするが、これにGPS機能みたいなものがついているのであなどれないな。



『ケロマ、その機械、壊してこの辺に埋められないか?』

「えっ!? う、うん……分かった……カンガがそう言うのなら……」



 そう言ったケロマは魔法で機械を破壊し、地面に穴を開け、そこに機械を埋め込んでいた。

 ケロマ、残念そうにしていたけど、何かあるのか?

 ギルドの人と連絡をとれないことがそんなに嫌だったのだろうか?



『ケロマ、そんなにギルドの人との連絡が取れなくなるのが嫌だったのか? そんなに嫌なら俺達と一緒に来なければいいのに』

「べ、別にギルドの人と連絡をとれないこと自体が問題じゃないの。問題なのは、私のギルド登録が消えてしまうことなのよ……」

『ギルド登録が消える? それってどういうことだ?』

「定時連絡に三日間でれないと、そのギルド員は消息不明として、ギルドの登録が抹消されてしまうのよ」

『そ、そんな決まりがあったのか……厳しいんだな』



 つまり、ランクBまであげたケロマのギルド員としての業績が消えてしまうということか。

 今までの努力が水の泡になるわけだし、そりゃ躊躇するよな。

 俺は知らなかったとはいえ、そういうことをさせてしまったわけだ。

 ちょっと悪い気もするな。

 でも俺がそのことを知った所で、機械を壊してもらうことになるだろうから、結末は変わらないんだろうが。


 

『知らなかったとはいえ、結構勇気のあることをさせてしまったな。すまなかった』

「ぜ、全然気にしてないよ! カンガ達の事情も事情だし、仕方ないことだよ! それに言い換えればさ、もう人間の活動をしなくてもよくなるということだからね。これでカンガ達とずっと一緒に暮らせるよ!」



 明るく振舞うケロマ。

 そういう気を遣えるんだな、コイツって。

 俺の精神的にとても助かるわ。



 そうこう話しているうちにブルールのポトフが残り半分位になっていた。

 って、まだ残っているのか。

 冷めてきたからか、食べるペースは早まってきているようではあるが。


 本当、ブルールって猫舌だよな。

 それでも自分から食べようとするのがブルールの食への執着の強さが現れている。

 食べにくい物でも美味い物なら何としてでも食べようとするんだもんな。

 恐れ入るわ。


 しかし、そんなブルールに残念なお知らせがやってきた。



『カンガ殿、どうやら囲まれているようだ』

『ああ、そうみたいだな』



 以前ウルフを倒したときもそうだが、群れを作る魔物を倒すと、その仲間が襲い掛かってくることがある。

 ミニタイガーも群れを作るようで、現在俺達は倒したミニタイガーの仲間に囲まれているようだ。

 前世のトラは群れを作らなかった気がするが、その辺りは世界が違うから生態も違うんだろうな、きっと。


 とにかく今の俺達は怒り狂ったミニタイガーに囲まれていて、一触即発な場面にいる。

 見渡す限り、二十頭程はいそうだな。


 俺達の姿はインビジブルブレスレットでミニタイガーには見えないはずだ。

 だが、ミニタイガーは鼻が利くのか、姿が見えないはずの俺達の位置を的確に把握している。

 つまり、戦いは避けられそうにないか。



『みんな、戦いの準備はいいか?』

『拙者はいつでも大丈夫だ』

「私も大丈夫だよー!」

『ちょ……ちょっと待って……ゲプッ……』



 ブルール以外は準備OKなようだ。

 ブルールはまだポトフを諦めきれず、食べ続けようとしている。

 ……うん、ブルールは放っておくか。


 連携して戦えれば理想なのだが、まだそういった経験はないし、上手くできる気がしない。

 なら、それぞれ単独で戦うしかないか。

 幸い俺も一人で戦えるほどの成長はできたしさ。



『じゃあ、手分けして片付けるぞ!』

『ああ!』

「うん!」



 俺達は三手に分かれた。

 するとミニタイガーはそれぞれ俺達に狙いを定めて襲い掛かってくる!


 俺はミニタイガーの進路をふさぐように壁を出現させる。

 するとミニタイガーは壁にぶつかったり、迂回しようかどうしようか迷っている様子だ。

 俺はその隙を見逃さず、容赦なく尖った壁でミニタイガーを仕留める。


 ミニタイガーの数は多かったが、三手に分かれたおかげで俺に襲い掛かってくる奴らの数はそれほどでもなかった。

 そのため問題なく対処することができた。

 さて、他のみんなの様子は……?



『水よ切り裂け、アクアカッター!』

「雷よその身をもって敵を貫け、サンダースピア!」



 グリザーとケロマの魔法がそれぞれミニタイガーへと炸裂し、容赦なく命を奪っていった。

 そんな感じで全く問題なく、俺達はミニタイガーの群れを片付けることができた。



{ レベルが30に上がりました。 }

{ 見習いゴブリンライダーのレベルが最大になりました。 }



 えっ?

 もうレベル最大になったのか?

 早すぎだろ。


 そしてこの流れな。

 どうせ今回も何らかの条件で進化できないんだろ?

 なあ、天の声さん?



{ 進化条件を満たしました。進化しますか? }



 あれ?

 進化できちゃうの?

 俺、この形態になってから一日も経ってないけど、本当にいいのか?



『みんな、なんか俺、また進化できるみたいだ』

『お、そうなのか、すごいな!』

『成長が早い。やはりカンガ殿は只者ではなさそうだ』

「もっと魅力的になってくれるの? フフ、楽しみ」



 ブルールはポトフを食べ終わったようだ。

 って、結局俺達が戦っている間ずっとポトフを食っていたのか。

 後できつく言っておかないとな。



 さて、もう進化できるようだが、どうしようか?

 できるなら早めに進化してしまいたいよな。

 そうしないとまた経験値が無駄になってしまってもったいないしさ。

 

 ただ身の安全が確保できないと危ないんだよな。

 進化中は隙が多いしさ。

 一応周りを見渡しても魔物や人間はいなさそうだけど、大丈夫だろうか?

 みんなに聞いてみるか。



『ここで進化しても大丈夫か?』

『ああ。敵が来たらオレが追い返してやるから安心してくれ』

『もちろん拙者も協力を惜しまぬ。安心して成長されると良い』

「カンガがカッコよくなるためなら、私も頑張る!」



 みんな俺の進化に協力してくれるようだ。

 ありがたいな。


 ではここはみんなを信頼して、進化するとしますか。

 あ、もちろん【考察】さんを残せる進化先にな。



{ 進化先を選択して下さい。 }



 そう天の声が聞こえると、頭の中に情報が入ってくる。

 今回の情報量は大したことないみたいだ。

 あらかじめ【考察】を失う進化先を排除してくれたのかもしれないな。


 さて、流れ込んでくる情報も落ち着いたことだし、中身を確認してみるか。



 ゴブリンライダー

 ゴブリンシャーマン

 ホブゴブリン

 ゴブリンエリート



 やはり【考察】を残して進化できるのはゴブリン系列か。

 そして今回は見習い何とかは無しと。

 一人前になれるってことだろうか。

 見習い期間が短すぎる気がしないでもないが。

 まあそんなことを言っても仕方ないんだけどな。


 では気を取り直して、進化先の詳細を見てみることにしよう。



 ゴブリンライダー

 見習いゴブリンライダーの進化形。

 生物や乗り物の能力を最大限引き出すことが出来る。

 連携する相手と離れていても能力を高める効果を維持することも可能。

 取得スキル:なし

 損失スキル:なし



 順当な進化だよな。

 見習いという言葉がとれるしさ。

 変化は少ないかもしれないが、俺のスタイルにあっているから進化先の有力な候補だ。


 さて、他にも見てみるか。



 ゴブリンシャーマン

 見習いゴブリンシャーマンの進化形。

 一人前になることで、高度な魔法を扱える個体も多い。

 近接戦闘が苦手なことには変わりない。

 そのためゴブリンシャーマンと戦うときは近接戦闘に持ち込むと有利に戦うことができる。

 取得スキル:炎魔法、氷魔法、雷魔法、風魔法、光魔法、闇魔法

 損失スキル:連携、援護



 まあ見習いの進化形だもんな。

 取得スキルも変わらず魔法系と。

 俺には必要ないからこの進化はやめておこう。

 近接戦闘が苦手になるのはちょっと痛いしな。


 さて、次だ。



 ホブゴブリン

 突然変異により体が巨大化したゴブリン。

 体が丈夫になっただけでなく、病にも強くなっており、環境の悪い所でも生きていける高い生命力を持つ。

 取得スキル:抗体

 損失スキル:連携、援護



 う、うん……

 体が丈夫になって体力が増えそうなのはいいが、俺にとってはあまり魅力的ではなさそうだ。

 体が大きくなりすぎたらブルールに乗れなくなるしさ。

 その上これから作る住処も広く作らないといけなくなって面倒なことこの上ないもんな。

 この進化先もやめよう。


 さて、最後の進化先はというと。



 ゴブリンエリート

 ゴブリンの中でも優れた者がなる形態。

 見た目はゴブリンと大差ないが、能力はだいぶ違うので、戦うときは要注意。

 取得スキル:なし

 損失スキル:連携、援護



 これはただのゴブリンの順当な進化先だろうな。

 別に悪くはないんだが、あまり魅力を感じないのも事実。

 使えるスキルが減ってしまうのは何か嫌なんだよな。



 以上が進化の候補先の詳細だ。

 まあ今回も実質一択だよな。

 迷う必要もなさそうだ。

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