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ゴブリン、頑張って生きる。  作者: はちみやなつき
Ⅱ 快適な生活を求めて
68/222

68.武器屋と防具屋をのぞいてみました。

 蒼水晶について聞き終わった俺達は再び町の探索をすることにした。

 水晶屋はもう見たからいいとして、何か他に面白そうな店とかないだろうか。


 あちこち探し回っていると、とある建物が目についた。

 剣と盾のマークのような看板がぶら下がっている建物。

 この建物は武器屋、防具屋なんじゃないか?

 なんかRPGによくあるよな、こういう施設。

 ゲームみたいでなんだかワクワクしてくるな。

 ちょっと入ってみたいぞ。



『なあ、ここの建物に入ってみてもいいか?』

『ああ、構わない』



 緑のリザードマンの許可も下りたことだし、俺は意気揚々と建物の中に入っていった。



「‘+*‘>+*‘」

「‘+*‘>+*‘」



 俺が建物に入ると、二人の店員らしきリザードマンから声をかけられた。

 同じ言葉を言っていたみたいだし、「いらっしゃいませ」みたいな言葉なんだろう。


 中を見渡すと、左側には武器、右側には防具が並んでいる。

 そしてそれぞれ左側、右側に精算するカウンターみたいなものがある。

 多分武器屋、防具屋で分かれているんだろうな。


 とりあえず武器から見てみるか。



 店には様々な武器が並べられていた。

 短剣、長剣、槍、斧、鎌、弓矢、鞭などだ。

 この中だと俺が使えそうなのはやはり短剣や弓矢あたりだろうな。

 それを見てみるとしよう。


 短剣コーナーを見てみると、何種類か並んでいて、それぞれ値札がついている。

 5fw、10fw、30fw、100fwと書いてある。

 fwは多分この世界のお金の単位なんだろう。

 なんて読むんだろうか?



『なあ、ブルール、このエフダブリューって何て読むんだ?』 

『ああ、それはフワンと言う。この世界の最大の大陸がこのフワン大陸だから通貨名にも使われているんだ』

『ちなみにこれって全世界共通通貨なのか?』

『そうだな。一部地域では別通貨が使われているようだが、大体はこのフワンのお金で物を買えるらしいぞ』



 ふーん。

 ならこのフワンという通貨は持っておくと後々便利そうだな。

 俺は魔物だから使う機会はないと思っていたけど、あって困ることはないもんな。

 後でお金を稼ぐ方法でも考えてみるか。



 ちなみに武器の性能も見てみることにする。

 まずは一番安い5fwの短剣から。



 ダガー

 攻撃力 2

 エリュミュスの見習い冒険者がよく使うありふれた短剣。

 安価で手が届きやすい剣ではあるが、耐久性はそこまでないので、早めに良いものに買い換えよう。



 うん、鉄剣よりも少し弱い位か。

 安いものならこんなものだろうな。

 なら一番高い剣はどうだろうか。

 ただのダガーに比べるとだいぶ良さそうに見えるが。



 ブロンズダガー+1

 攻撃力 80+1

 銅をふんだんに使った短剣。

 中級冒険者がよく愛用している。

 値段はそこそこするが、耐久性は申し分ないので、資金に余裕があったら買っておこう。

 この武器は職人補正により、能力値がより上昇する。



 おおう。

 ちなみにこの短剣、310fwもする。

 めっちゃ高い。


 いや、このfwの価値が分からないから高いのか安いのか本当は分からないんだけどさ。

 値段はそこそこすると書いてあるから高いことは間違いないんだろうけどな。



『ゴブリン殿はその短剣が気になるか』 

『まあ単なる興味本位で見ているだけだ。買う金持ってないし』

『何と! ではゴブリン殿が持っている短剣は一体どこから入手したのか? 買った訳ではないのだろう?』

『えー……えーっと……』



 どうしよう。

 ブルールには自分が作ったとか言ってもいいけど、相手はリザードマンだ。

 本当のことを言うとややこしくなるよな。

 色んな武器や防具を作れるなんて言ったらリザードマンの間でその話が広まって騒ぎになりかねない。

 そういう目立った行動は極力避けたいんだよな。

 何て言ったらいいんだろうか……



『コイツの武器はオレの前の主人の形見だ』

『ウルフ殿の主人の形見……もしかして魔物使いに使われていたのか?』

『そうだ。まあ、まだ死んではいないだろうが、もう会う事もないし、形見と言っていいだろう』

『そうなのか。さぞ高名な魔物使いであったんだろうな。つまらないことを聞いて失礼した』



 なんかブルールがサラッと嘘をついているんだけど。

 いいのかそれで?

 俺としては助かったけどさ。


 ブルールが魔物使いに以前使われていたというのは本当だし、何か異様に説得力あるよな。

 本当の事に嘘を混ぜるってなかなか嫌らしい話し方だよな。

 全てを嘘だと切り捨てることもできないしさ。



『そういえばウルフ殿はどうやってゴブリン殿と出会ったのか? 普通ウルフ殿とゴブリン殿が会うことようなことはないはずだが』

『普通はないだろうな。だが、コイツがオレの住む地域まではるばる来て、そこで出会ったのさ』

『ほう。それはそれは珍しい。ちなみにウルフ殿はゴブリン殿のどこに惹かれて一緒に行動するようになったのか?』

『コイツの料理にオレは惹かれたんだ。一口食べたらもうやみつきだよな。他の物を食べれなくなるほどにな』

『料理が上手いのか。是非、拙者も食べてみたいものだな』



 うんうん。

 ブルールって本当、俺の料理一筋だからな。

 それだけを楽しみに生きているんじゃないかと思うほどにさ。



『ゴブリン殿、この近くに食料を買うことのできる店がある。金は拙者が出す故、是非料理を作ってみてはくれんか?』



 料理ね。

 別に料理は作ってもそんな影響はないだろうから、作ってもいいか。

 ブルールがよだれを垂らしてこちらをじっと見てくることだし……

 そもそも断れる雰囲気ではないよな。

 うん、作るとしよう。



『ああ、いいぞ。ただせっかくだから防具を見てからでもいいか?』

『ありがとう。もちろん急ぎではない故、構わないぞ』



 武器を見ていた俺達は防具屋の方へと移動した。


 防具も様々な種類のものが並んでいた。

 服、鎧、重装備、ドレス、ローブなどなど。

 とりあえず服を見てみることにしよう。

 こちらも安い物は5fwからあるな。

 そして高い物は120fwと。

 高い物を【観察】してみるか。



 シルククロース+2

 防御    10+2

 魔法防御  10+2

 シルクをふんだんに使った服。

 軽く柔軟性がありフワフワしているので着心地が非常に良い。

 着色することで、防具でありながら普段着にしている者もいる。

 この防具は職人補正により、能力値がより上昇する。



 普通のシルク防具といった所か。

 見た目も俺が着ているものとすごい似ているもんな。

 というか見た目じゃ区別つかないわ。

 ちょっと肌触りが違うだけなんだろうな。


 それにしても着色して普段着にする、か。

 その発想はなかったな。

 俺はゴブリンだから全身真っ白でも問題はないが、人間だったら悪目立ちすること間違いないもんな。

 もう少し落ち着いた色にでも着色すると普段着としても着ることができるのかもしれない。



『ゴブリン殿は既にこの服を持っているようであるし、もう買う必要もないのだろうな』

『あ、ああ……そうだな』

『この服は少し良いもののようだ。20fw高いからきっとそれだけ上質なものなのだろう』



 あ、そういう仕組みになっているのね。

 このシルククロースは+2の補正がかかっているから20fw高いのか。

 俺は【観察】を使えるから補正がどの程度かかっているか見えるけど、そうじゃない人は見えないもんな。

 【観察】を使えない人は値段でどれ位の補正がかかっているのか判断するんだろうな。


 あと、俺の防具は普通のシルクシリーズのように見られているのか。

 まあその方が都合はいいんだけど。

 確かに見た目は全く変わらないもんな。

 【観察】を使える人じゃないと区別つかないかもしれないな。



 さて、防具も十分見たことだし、そろそろここを出るとするか。


 こうして俺達は武器防具屋を後にし、食料品店を目指すことにした。

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