18.料理の準備をしてみました。
まずやってみたいこと。
それは料理だ。
現時点で俺が作れる食べ物はグリーンサラダのみ。
しかもそれは【調合】を使って作るもの。
料理とは言えない。
これだけ色んなスキルがあるこの世界だ。
【料理】というスキルがあってもおかしくないんじゃないだろうか?
だが、どうすれば【料理】ができるのか。
それが問題だ。
俺の予想では、火を使えればなんとかなると思っている。
ある程度の物は火で焼いただけで食べれるようになるもんな。
もちろん例外はあるけどさ。
火を使わない料理も存在するけど、その場合は物自体が新鮮だったり、何かしらの方法で加熱するよな。
電子レンジとかオーブンとかでさ。
だが、そんなものはここには存在しない。
いや、頑張れば【加工】とかで作れなくはないかもしれない。
でも結局は電気がないから使えないし、意味ないよな。
なら、やっぱり火を使うしかないよな。
だが、どうやって火を起こせばいいんだ?
俺みたいな元現代日本人にとって、火はボタン押して使うものだしな。
一から火を起こした経験がない。
強いて言えば、マッチを使えば、火を起こせなくはないか。
ん?
マッチ?
ちょっと待てよ?
俺は近くに生えていたフワンジョウ草を取ってくる。
そしてそれの調合リストを眺める。
あった。
やはりな。
フワンジョウマッチ
フワンジョウ草で作られた火おこし用の道具。
フワンジョウ草自体は燃えにくいのでとって部分に使われている。
燃える部分はフワンモヤ草でできている。
さすがフワンジョウ草だわ。
かゆいところに手が届くというか。
さすがは道具のデパート。
何か欲しい器具があったらとりあえずフワンジョウ草の調合リストをチェックだな。
とにかく、これで火を起こすことは問題なさそうだ。
あとは調理器具か。
調理器具はフワンジョウ草で作るよりも金属で作った方がいいよな。
なら鉄鉱石で十分だ。
鉄鉱石からあらゆるものが作れるからな。
ちなみに今回欲しいのはフライパンである。
フライパンを使って色々と調理できたらと思う。
なのでその普通のフライパンを鉄鉱石で作ることにする。
普通の、フライパンをな。
間違っても上質なものを作ってはいけない。
上質なものではいけない理由。
それはフライパンを持ち帰れないからだ。
持ち帰れないから、この場に置いていくしかない。
使い捨てみたいな扱いでとても上質な物を捨てていったら、大騒ぎになるだろう。
フライパンを使う種族、人間に見つからないとも限らないからな。
それを見た人間が色々と探し回ってくるというのは勘弁だ。
まあ、ここは住処から遠いから別に影響は少ないけどな。
さて、色々思う所はあるが、フライパンを作るか。
まず荒野地帯の土を掘ってと。
ガリッガリッ
{ 鉄鉱石を入手しました。 }
オッケー。
あとは加工するだけだな。
加工するのは危険だから外ではやらないと思っていたのにな。
結局やるハメになるとは。
やっぱり俺にとって【加工】さんは切っても切り離せない存在なんだ。
使い方に気を付ければとても頼りになるからな。
使い方にさえ気を付ければ、な。
俺はブルールの近くまで戻ってから【加工】の準備をした。
そして一応ブルールから見えないように【加工】をすることにした。
せっかく【加工】について隠しているのに、それをわざわざばらしにいかなくていいだろう。
さあ、始めるぞ。
ガキンッガキンッ
{ フライパンを入手しました。 }
来た!
普通のフライパン!
一応性能を見てみよう。
フライパン+2
攻撃力 5+2
料理をする際に使われる一般的な調理器具。
焼いた物がこびりついたときはしっかりととるようにすること。
でないとすぐに使い物にならなくなるぞ。
{ 【観察 lv5】を獲得しました。 }
あれ?
なんか説明がいつもよりも親しみやすい。
これって【観察】さんのレベルが上がったからか?
いや、まさかな。
そんなことないだろう。
若干フライパンにプラスが付いちまったが、上出来だろう。
これ位ならほんのちょっと良いものレベルで済む。
この辺りに転がっていてもおかしくはないだろう。
まあ、フライパンが道に落ちていること自体おかしい気もするけど。
そんなことは気にしてる場合じゃないしな。
それにしてもフライパンって武器扱いなんだな。
フライパンを武器に使う奴なんているのか?
家庭に強盗が入ったときに防衛用として使えるとかそんなところか?
わざわざ冒険者がフライパンなんて持って行かないだろ。
まさかな。
さて、調理器具も揃ったか。
後必要なのは、火を燃やし続ける為の燃料。
それと食材か。
燃料は森林地帯に行って木の破片でも持って来ればいいだろ。
食材に関しては、さすがにいつも食べているような植物じゃダメだな。
すぐに焦げちゃいそうだし。
よくてもアクセントに加える位だろうな。
では何が良いのか?
それはもちろん肉だろ、肉。
俺、ベジタリアンじゃないし、好き好んで植物しか食べてなかった訳ではないしな。
前世ではむしろ肉ばかり食ってて、野菜はそれほど食わなかったし。
多分今でも肉の方が好きだろ。
でもそうしなかった理由は、単に俺が弱すぎたからだ。
今も俺自身は弱いままだが、装備をしっかり整えたからある程度の奴には勝てる。
つまり、食料としての肉を確保できるということだ。
なら、作らない理由はないよな。
肉料理。
でも肝心の肉となるやつがいないと話にならないんだよな。
木材を集めるついでに少し森をふらついてみるか。
ちょっとブルールから離れることになるけど、あいつなら多分大丈夫だろ。
仮にもこれまで一匹で生き抜いてきた奴だ。
そのあたりは抜かりないだろ。
では、森林地帯に向かうとするか。
俺は森林地帯に少し足を踏み入れる。
とはいえ、あまり奥までは行かないことにしている。
ブルールをなんとか目で捉えられる範囲で移動するつもりだ。
一応何かあった時の為に戻れるようにした方がいいしな。
途中で木の破片が落ちているので、それをすかさず回収する。
木の破片は火を燃やし続けるために必要だ。
できれば大小様々なものがあるといいな。
その方が隙間を小さくできて、火が消えにくくなるような気がするんだよな。
何となくだけどさ。
木の破片を見つけて、ある程度たまったらブルールの所に置いてくる。
そして木の破片集めの傍ら、肉となってくれそうな生き物がないかを探すことにした。




