14.住処に帰ってきました。
あれからウルフが走り続けた。
そして俺はあっさりと自分の住処の入口にたどり着く。
早くたどり着いたのはいい。
だがその間ずっとウルフに掴まないといけないのはしんどすぎる。
あまりの衝撃に腕がはちきれそうになったぞ。
思わず息切れしてしまう。
『なんだ、お前、体力ないのな』
やかましいわ!
俺は頭脳は大人でも、体は赤ん坊なんだぞ。
むしろよく赤ん坊の体でウルフの全力スピードに耐えられたと思うわ。
もう少しは気を使えや!
はあ。
コイツと話していると疲れてくる。
でも、それももうすぐで終わりだ。
俺は無事に住処に戻ることができた。
なら、約束の防具をコイツに渡して帰ってもらえばいい。
そうしたら今までの生活が戻ってくるだろう。
本当、ここまで長かった。
{ 【念話 lv2】を獲得しました }
え、天の声さん?
もっとこのウルフと話せってか?
何を今更。
俺はもうコイツにはさっさと帰ってもらうことに決めたんだからな。
そういう揺さぶりは効かないぞ。
さて、住処に着いたことだし、やるべきことをやるか。
俺はまず周辺の土を使って住処の入口の蓋を作る。
そして蓋をした後、住処の中へ入っていく。
ちなみに青いウルフは住処の入口の近くで待機することになった。
俺の住処への入口は狭すぎてウルフは入れない。
でも約束の防具を渡す為には近くにいないといけないからということでこうなった。
防具は作るまでに時間がかかることを伝えた。
数日、いや数ヵ月かかるかもしれないと。
それでも待つというのだから驚きだよな。
どんだけコイツ暇なのかよと。
ただ、時々会いに来て進捗状況を教えてほしいとは頼まれている。
なのでしばらくの間、ウルフは地上に、俺は地下の住処にいることになった。
正直俺はこの状況を喜んでいる。
だってウルフと話さないで生活できるんだぞ?
ウルフは地上で俺は地下にいる。
接触しようもないからな。
まさに引きこもり万歳。
それにウルフの警備というオマケ付き。
防衛もバッチリだ。
まあ、食料や素材の補充のために時々地上に出る必要はあるがな。
そのときは仕方ないから会話してやるか。
とても疲れるけど。
そのときに進捗状況をついでに報告すればいいかな。
そういえば、俺が留守にしていた間、住処は無事だったんだろうか?
結局通路は完成したものの、蓋だけ作れずにこの場を離れることになっちまった。
だからその間、入口は開きっぱなしだった。
一応通路は赤ん坊の俺でもギリギリなほど狭く作ってある。
それに見た様子荒らされた形跡もないから多分大丈夫だとは思うんだが。
念のため色々とチェックしてみるか。
まず手前の部屋。
異常なし。
物が置いてないから異常なんて起きようがないか。
五匹のウルフとの戦いに備えて、物は全部奥の部屋に移動させたからな。
さて、続いては奥の部屋だ。
手前の部屋との蓋をとってと。
うん。
異常なし。
取ってあった素材や食材も特に乱れた様子もない。
ひとまず安心だな。
さあ、最後は問題の部屋だな。
ここまで全く荒らされた形跡はないから大丈夫だとは思うんだが。
まさかということもあるし、確認はしておかなければ。
俺は黒歴史部屋の蓋を開ける。
そして中を確認する。
中には相変わらず無造作に積まれた武器や防具が積まれていた。
何かが減っている様子もない。
助かった。
これまでの様子から大丈夫だとは思ってはいたが、やはり心配なものは心配だ。
価値のあるものだけを盗む小型の魔物がいてもおかしくないからな。
盗まれたりしなくて本当に良かった。
それにしてもこの武器防具の山、本当に目障りなんだよな。
いくら優秀な物でも自分が身につけられなければ意味がない。
そしてそれが敵にだけ使える物ならば、持っているだけで危ないことが分かるだろう。
この問題は早く片付けたい所だな。
ひとまずはこの武器や防具を部屋の下に埋めようか。
うん、そうしよう。
ウルフには防具作るまでには時間かかるって言っておいたし、多少他の事をやっても大丈夫だろ。
というか、何で今まで埋めればいいことに気づかなかったんだ?
盗まれる前に気付くことができて良かったけどさ。
武器を破壊することはできない。
だから存在自体をなくすことはできない。
でも、存在自体を隠すことはできる。
住処の奥においてあるこの状況もある意味隠している訳だしな。
そして深く地中に埋めてしまえば、部屋まで誰かがたどり着いても、武器の入手には時間がかかる。
その間に俺が侵入者に気付いて仕留めてしまえばいい話だよな。
うん、我ながら良い案だ。
さあ思い立ったら即行動だ。
いくぞ。
俺は部屋の奥に穴を掘り始める。
深く、深く。
それはもう深く。
{ 【採掘 lv20】を獲得しました。 }
{ 特殊スキル【採掘の極意】を獲得しました。 }
{ 特殊スキル【採掘の極意Ⅱ】を獲得しました。 }
めっちゃスキルレベル上がったな。
まあそれもそうか。
夜通し穴を掘り続けたからな。
結局、俺はその日中ずっと武器防具部屋に穴を掘り続けていた。
気づけば夜も明けて、次の朝がきていた。
それだけ夢中になって掘り進めていたらしい。
だが、その分の価値があるだろう。
この作業には。
黒歴史隠滅作戦はかなり大掛かりなものとなった。
俺は穴を掘り続けながらも武器防具部屋を拡張した。
一点を深く掘ってしまうと落とし穴みたいになって上にあがれなくなるからな。
広い範囲に穴を掘る必要があるのだ。
結局、武器防具部屋はその関係上、五十畳はあるんじゃないかという広さになってしまった。
無駄に広いな。
本当、使わないから無駄だよな。
それだけ掘っても大丈夫なように部屋を拡張するのにはだいぶ苦労した。
ちなみに掘ったときに出てくるいらない土は、俺が【細工】して作ったある装飾品に収納している。
その武器の詳細は次の通りだ。
グランドペンダント
大地の力を宿していると言われる黄土色のペンダント。
これには土壌を収納する不思議な機能がある。
その便利さ故、非常に高値で取引される。
このペンダント、本当に便利なんだよな。
俺が掘ってでてきた大量の土を全て吸い込んでくれるんだもの。
これがあるとないとでは作業効率が全然違うよな。
いちいち土を外に出す手間もないし。
それまではある程度土がたまったら外にはきだしてたからな。
実は結構危ない思いをしてたんだよな、俺。
部屋を拡張したら今度はひたすら深く掘った。
結局十メートル位は掘っただろうか。
巨大な部屋の中央には巨大なクレーターのような穴が出現した。
いや、出現させたんだけどな。
俺はクレーターの中央に武器防具を置いた。
そこにグランドペンダントも一緒に置いておいた。
それから俺は奥の部屋へと戻り、クレーターから脱出する。
そしてその場から近くにある鉄鉱石を投げ、見事グランドペンダントに命中。
さすがは【器用】がレベル最大の俺。
鉄鉱石が当たったことにより、ペンダントは破壊された。
そして破壊と同時に、中に溜め込んでいた土砂が外へあふれでてくる!
存在したあれだけ巨大なクレーターが一瞬にして土で埋め尽くされ、消滅した。
こうして武器防具部屋は消滅した。
いや、消滅というよりも土砂で埋めたてられた。
土砂の量があまりにも多く、俺がいた奥の部屋にも少し土砂が入ってきた。
あのグランドペンダント、これだけの量の土砂を貯めこむなんてハンパねえよな。
でも助かった。
これでだいぶ俺の安全性は保障された。
少なくとも、何もしないよりは格段に安全になっただろう。
さて、これでだいぶ生活の安全が保障された訳だし、今日は寝るとするか。
もう朝になっちまったが、寝ないと力がでないしな。
こうして俺は、達成感をかみしめながら眠りにつくことにした。
ゴブリン生活四日目終了時のステータス
ベビーゴブリン LVMAX
HP 50/50
MP 15/15
攻撃力 10(+530)
防御力 10(+720)
魔法攻撃力 10
魔法防御力 10(+720)
素早さ 10(+530)
スキル
観察lv4、考察lv?、隠密lv6、猛毒耐性lv1、暗視lv8、耐震lv1、恐怖耐性lv1、採掘lv20、器用lvMAX、根性lv5、調合lv26、加工lv20、細工lv10、束縛耐性lv1、念話lv2
特殊スキル
採掘の極意、採掘の極意Ⅱ、調合の極意、調合の極意Ⅱ、加工の極意、加工の極意Ⅱ、細工の極意、職人の神
三日目(七話)からの変更点
レベル6→MAXにアップ。
レベルアップによる能力値上昇。
武器、防具装備による能力値上昇。
採掘lv3→20にアップ。
採掘の極意を獲得。
採掘の極意Ⅱを獲得。
念話lv2を獲得。
調合lv20→26にアップ。
細工lv10の獲得。
細工の極意の獲得。
観察lv3→4にアップ。
束縛耐性lv1の獲得。




